Posted on 2013.11.14 by MUSICA編集部

RADWIMPS、ニューアルバムで新たな高みへ
野田洋次郎ソロ&メンバー全員インタヴュー敢行-その①

俺はずっと、凄い曲を作れれば、
ウチらっていう存在は滅してもいいと思ってた。
でも今は、4人でRADWIMPSを続けたいと
心の底から思ってて。それによってより無敵になって、
とんでもない自由を音楽で獲得したんだと思う

『MUSICA 12月号 Vol.80』P.14より掲載

■前回の取材が『絶体絶命』のアルバムインタヴューで、それが2011年の1月だったんです。だから、実に2年9カ月ぶりのインタヴュー。

 

「そうか。ということは、25歳から28歳になりました。俺も本当に喋ってないから、このインタヴューでいろんなことに気づきたいんで。久しぶり過ぎてよくわかんないこと言っちゃうかもしれないけど、それも含めて本当によろしくお願いします」

 

■こちらこそ。今日は2本やるんだけど、まずここでは『絶体絶命』リリース後の年月を振り返りながら、いかにして『×と○と罪と』に辿り着いたのかを訊いていきたいと思います。とはいえ、まずはアルバム。本っ当に素晴らしい作品を作り上げましたね。RADWIMPSにはこれまでも散々驚かされてきたけど、それにしても今回の音楽的な飛躍の幅はとんでもなく大きくて。

 

「ああ~、嬉しい。ありがとうございます」

 

■最早4人組のバンドであるという枠は完全に越えているし、サウンドも歌も明らかに新しいレヴェルに行ってる。間違いなく新しいRADWIMPSの誕生を示すアルバムだと思います。この2年9ヵ月の間、このバンドが表現者/音楽家として考えてきたこと、目指してきたものがちゃんと音楽になってるし、その結果、新しい境地に達していて。自分ではどんなふうに捉えてますか?

 

「凄く自由に作りました。みんなにはずっと何してたんだろう?って思われてるかもしれないけど、やっぱりずっと作り続けてたし、ずっと録ってたんですよね。いつになくアルバムっていうものとか、シングルっていうことも関係なく、ただ音楽と戯れようと思ってやってて……とにかく音楽を作って録るっていうことが楽しくてしょうがなかったです。そういうところに僕はどんどん幼児返りしていってることも途中で自覚したし(笑)。レコーディングもスケジュール組んでこの期間に録ろうっていう感じじゃなく、録りたいって思ったらすぐ録る感じで、ふっと思いついたこと、面白いんじゃないかって思ったことを形にしていった。『この無機的な打ち込みと有機的なドラムが合わさったらどうなるんだろう』とか、『これを生で弾くのと機械でやるのはどれだけ違うんだろう』とか、『この歌はこのままでいいんじゃないか』とか、そういう発想のままに音楽と戯れながら、とにかく自分の鮮度を一番に保ちながら音楽をやろうと思ってたんですよね。で、それをやり続けてたら、いつの間にかこれだけの時間が経ってた(笑)」

 

■自由に音楽と戯れたっていうのは凄いよくわかる。このアルバム、歌われていることにハッとさせられたりエグられる瞬間もたくさんあるんですけど、でも何よりも、とにかく音楽としてめちゃくちゃ楽しいアルバムなんですよ。全15曲80分近くあるんだけど、驚きと感動の連続であっという間。本当にめくるめく音楽の旅で。

 

「あー、嬉しいな。そこは一番目指してたかもしれないです。やっぱり僕は音楽といろんなところを通ってきたんで、音楽との信頼関係は重ねた月日分あるというか……ほんと殺されそうになったし、俺もほんとに殺しかけたし、でも、やっぱり僕にとってこれ以上の親友はいないんですよね。そういう親友とちゃんと次の新しいステップへ行けたなと、そう思ってます」

 

■何故こんなアルバムが作れたのかを紐解くためにも、この2年9ヵ月を振り返っていきましょう。

(続きは本誌をチェック!

 

text by 有泉 智子

『MUSICA12月号 Vol.80』