Posted on 2014.04.14 by MUSICA編集部

新曲“桜の森”にも触れる
星野源復帰後初ロングインタヴュー!

前と今とでは立ち位置というか、心持ちがちょっと違うなと感じてて。
ひとりの時に「これがやりたいな」と思ったものを、
こっちに出張してきてやってる、みたいな感覚。
それが今、実は凄く楽しくて

 

MUSICA 5月号 Vol.85P.55より掲載

 

■昨日のライヴはどうでしたか?

「楽しかったです! 昨日も言いましたけど、俺、今回のバンドが大好きで、本当に演奏をしてるだけで凄く楽しいんですよね。だからこそ、それをちゃんとやり切りたいと思って、それで喉に負担をかけないようにライヴ以外の時は喋らないっていうのを徹底してやってるんですけど(笑)」

■打ち上げでもずっと筆談してましたもんね(笑)。ツアーも4本目でしたけど、今はどんな感じですか?

「どんどんよくなってきてる。なんか、やっとペースが掴めてきたかなっていう感じですね。『ああ、ツアーってこうだったな、ライヴってこうだったな』って」

■やっぱり武道館1本やるのとツアーだと、全然違う?

「うん、全然違う。バンド編成が違うっていうのもあるけど、やっぱりお客さんとの対峙の仕方が結構違う気がします」

■それは具体的にどういうところで感じます?

「武道館は最初(復帰後一発目のライヴ)だったので、極端なこと言うと、演奏しないで俺がそこにいるだけでも、たぶん成立する感じだったと思うんですよ。復帰祝いの場というか。でも、ツアーは違うから。ちゃんとその場所場所に行って歌を歌って、聴いてもらって、くだらないことをして楽しんでもらってっていう……その違いは凄くあって」

■確かに武道館は復活一発目だったから、復活ライヴというものの性格上、今星野さんが言った通りそこにいるだけで成立するという部分もあるとは思うんですけど。待っていた人にとっては、目の前で星野さんが歌っているだけで感動するというか。

「うん(笑)」

■でも、武道館終演後にもお伝えしたと思うんですけど、あの日の武道館ライヴはもの凄く音楽的なもので、復活云々よりもそれが素晴らしいライヴだったんです。復活に対する祝祭感や感動というのが場を引っ張っていったのは頭3曲ぐらいまでで、その後は純粋に星野さんの歌、星野さんの音楽というものに引き込まれていったし、そこから大きな感動が生まれていった。星野さんのアプローチもバンドのアプローチも、とても音楽に誠実なものだったと思うし。

「あの日、そう言ってもらえて嬉しかったですよ」

■で、それは昨日のライヴも同じように感じました。もちろん福岡のお客さんの「お帰り!」っていうエネルギーも凄かったけど(笑)。

「そうですね。他の会場もそうなんですけど、やっぱり一番最初にピンスポが当たった時にみんなギャーッてなってくれて。それは本当に嬉しいですよね。で、ちゃんと歌えて演奏できて、それに対してお客さんも凄く盛り上がってくれて……正直、ホッとしました。やっぱり、初日は凄い不安だったんです。実際、病み上がりライヴなんで(笑)。武道館もライヴやるの1年2ヵ月ぶりだったんですけど、ツアーで言うともっとだから」

■そうですよね。………もしかして、東阪のみとかではない全国回るツアーって2012年頭の「エピソード2以降」以来、約2年ぶりってことになるんでしょうか。

「そうなんです(笑)。だから不安だったんだけど、でもライヴやる度によくなってるなっていう感覚もあるし。だからこのまま最後まで完走できればいいなって思ってるんですけど」

 ■ちょっと振り返りますが、武道館の直後に楽屋でお会いした時は、まだ感慨が全然ないって言ってましたけど。その後はどうでした?

「あの時は『あそこダメだった』とか『次はこうしよう』とかそういうことばっかり湧いて感慨どころじゃなかったんですよ。でも、打ち上げ終わって、ひとりで風呂入った時にちょっとだけ感慨みたいなものは出てきたかな(笑)。…………でも最近ですよ、復帰したなって感じるのは」

 

(続きは本誌をチェック!

 

text by 有泉智子

MUSICA5月号 Vol.85

 

Posted on 2014.04.14 by MUSICA編集部

[Alexandros] ex. [Champagne]、
初の武道館ライヴ独占密着&改名後初インタヴュー

信じ続けたすべてが轟いた
圧巻のロックバンド・ライヴ!
ひとつの到達と次への開幕を見せつけた武道館密着、
そして改名の真相までを語る
アフターインタヴュー!

 

MUSICA 5月号 Vol.85P.12より掲載

 

 彼らにとって記念すべき初の日本武道館公演は、すでに皆さんもご存知の通り、[Champagne]としてのラストライヴであると同時に、[Alexandros]としてのファーストライヴとなった。

 [Champagne]がこのライヴをもって改名することが発表されたのは、武道館公演3日前に六本木EX THEATERで行われた年に1度のファン感謝祭こと「Premium V.I.P. Party」の本編ラス前だった。川上洋平が「重大発表があります」という言葉と共に告げた「バンド名が変わる」という事実に、それまで沸きに沸いていたフロアに大きな戸惑いと動揺が広がった。洋平は後に、「正直あんなにみんなが重く受け止めてくれるとは思ってなくてビックリした。それだけ[Champagne]っていう名前に愛着を持ってくれていたんだなっていうことがひしひしと伝わってきましたね」と語ったが、この時の観客の反応、そしてその後のネット等でのファンの反応は、[Champagne]という名前が最早4人だけのものではなく、そこに自分の夢や人生を重ね合わせている人がたくさんいるのだという事実を端的に表していたと思う。それは、それだけこのバンドの存在が大きくなったことのひとつの証だと言っていいだろう。(中略)

 

というわけで、3月28日、武道館公演当日。

 雨バンドの噂もある[Champagne]しては珍しく、抜けるような青空が広がる晴れの日に相応しい快晴。筆者が会場に到着した12時過ぎにはすでに物販を待つ長蛇の列が正面玄関の上にズラッとできていた。もちろん時を刻一刻一刻とその列は長くなり、向かいの路上にもたくさんの人が集まってくる中――13時03分、1台のワゴンが正面玄関の前に到着。そこから磯部寛之を先頭に、メンバーが颯爽と降りてきた。その瞬間、もう悲鳴に近い大歓声が(笑)。それに手を挙げて応え、武道館の看板と[Champagne]の看板が並んだ玄関(および収まらない歓声)をバックに悠々と記念撮影をする4人の様は、さながら海外スターの来日風景を見ているかのようで。しかもそれが呆れるくらいに様になっている。こういうバンド、なかなかいないですよ。ちなみにこの入場シーン、メンバーは会場に来る車内で告げられたそうです。

 そのまま4人は正面玄関から会場入り。緊張した様子はまったくなく、笑顔で談笑しながら一旦楽屋に入り、そしてステージへ。昨夜から組み上げられた4人のための舞台に立ち、それぞれにまだガランとした武道館を見渡したり、ローディーさんと言葉を交わしたりしている。ひと通りステージ上を歩き回り客席を見渡した洋平は、筆者のところに来てあるひと言だけ告げ、バックエリアへと戻っていった。そのひと言は――「小さいっ」。あまりにも「らしい」その言葉に、思わず笑ってしまった。そしてその「小さい」という感想は、磯部、白井、庄村も同じだったようで。そうだよな、今も昔も世界一になることをめざして突き進むこのバンドにとっては、1万1000人のこの会場はまだまだ小さいよなと思いつつ、とはいえワンマンとしては過去の最大キャパであるZepp Toyoの2800人から一気に4倍近くに拡大したこの場所に立っても微塵も動じることなく「小さい」と言える彼らに、ここ数年の成長に裏打ちされた確かなる自信を感じた。

(続きは本誌をチェック!

 

text by 有泉智子

 

MUSICA5月号 Vol.85