Posted on 2012.07.19 by MUSICA編集部

[Champagne]、「TOUR Schwarzenegger」広島・福岡公演密着!

『MUSICA 8月号 Vol.64』P54に掲載

それは最早、ライヴハウスに収まる光景ではなかった――
4人の衝動と情動と感性が激しくぶつかり絡みあう、そのど真ん中から立ち上がった大きな物語。
ロックのすべてが、つまり人生のすべてが
圧倒的なエネルギーを放射しながら美しき音塊に昇華し続けたステージ。
『Shwarzenegger』を経て、遂に[Champagne]が「化けた」。
このバンドが描く軌跡は、ロックバンドの夢、そのものだ

「俺達は何かに憧れて、理想を抱いてミュージシャンになってるから。だから、やっぱりファーストやセカンドの時は、その理想をめざしてるところがあったんですよ。でも、今回の『Schwarzenegger』は、自分の憧れてたものや理想としてたものを超えようとしたんですよね」
――これは、本誌4月号で初の表紙巻頭特集を行った際のインタヴューにおける、川上洋平の発言だ。この発言は、結果的に、そのまま今回のツアーを表すものとなったように思う。
 4月19日、千葉LOOKから始まった[Champagne]TOUR Schwarzenegger 2012。6月29日&30日の渋谷AXまで、計17本(番外編と位置づけられた沖縄・桜坂セントラルでのBIGMAMAとの対バンライヴも含めると計18本)にわたるツアーは、このバンドにとって実に大きなターニングポイントとなるツアーとなった。端的に言ってしまえば、今回のツアーで[Champagne]はバンドとして完全に「化けた」のだ。
 ツアー後半戦、広島と福岡の2公演に密着してきた。

6月17日(土)広島CLUB QUATTRO

 雨が降りしきる中、15時過ぎにこの日の舞台である広島CLUB QUATTROに到着。会場スタッフが忙しなく開場準備に励むエントランスを通り抜け、フロアに行くと、まさにリハの真っ最中。客入れ前のガランとしたフロアに、ソリッドかつストロングなバンドサウンドが大きく鳴り響く。ステージ上のメンバーが筆者に気づき、軽く手を挙げて迎えてくれた。
 ライヴハウスで彼らの音を浴びるのは4月頭のV.I.P.パーティー@渋谷CLUB QUATTRO以来だが、心なしかあの頃よりも4つの音の一体感、塊感がグッと増し、輪郭が鮮明になっているような印象を抱く。ヘヴィでありながらジャキンとエッジの尖った音像、直線的なエネルギーの放出とすべてのものを巻き込んでいくようなタフなダイナミクス。今の[Champagne]のサウンド/グルーヴは、浴びているだけでこっちまで無敵な気持ちにさせられるような、力強い全能感がさらに増している。
(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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