Posted on 2012.09.19 by MUSICA編集部

ACIDMAN、その壮大な精神世界がいよいよ極まる

その旅の歌は、まるで子供達の透明な心の声を
映し出すかのように、美しく幼気な響きをもたらす。
間違いなく5年に一度級の名曲“アルケミスト”、
アシッドマンの新章に最高の光、注がれる

■これは本当に素晴らしい名曲です。何年かぶりのメロディと言ってもいいんじゃないかな。

「本当ですか? ありがとうございます。そんなことを言っていただけるのは、これだけ長いつき合いの中で初めてですね(笑)」

■いやいや、そんなことない。でも“FREE STAR”以来かな。それぐらい素晴らしい曲で。この曲は新しいアルバムへの第一歩的な感じの曲なの?

「そうですね。作り方が今までにない特殊なもので。きっかけは佐藤(雅俊/Bass)くんなんです」

■サトマが作ったってこと?

「サトマが作ったわけではないんですけど。サトマが作ってきた別の曲があって、それをPro Toolsのデータでもらってたんです。その曲にメロディをつけていたんですけど、ふと横を見たらデータがもう1個あって。『なんだろうな?』って思って聴いたら、この“アルケミスト”の最初の部分のフレーズで、俺、こっちのほうが全然いいと思っちゃって。特にイントロの歌が始まる直前のタッタッタッタッ!って跳ねるフレーズ、そこにもの凄く感動してしまって、すぐ『佐藤くん! このデータ、何?』って電話して。『実は作りかけで、まだ聴かせられないぐらいのレベルだから聴かせなかった』って言ったんですけど、『いや、凄くいいよ! メロディつけていい?』ってその場で言って。イメージが湧いちゃったから、その段階で後半部分のギターやドラム、ベース部分も全部作って、メロディも一気に書き上げましたね。サトマに電話して10分後くらいにはできてました。でも、この曲はそのほうがいいと思ったんですよね、余計な装飾は要らないと思って」

■そうだね。決して派手な曲ではなく、言ってみればシンプルな曲なんだけど、でも途中から突風が吹き始めるような展開もあるし、何しろいい。

「旅の始まりの感じが凄くあったので。最初は流れのままにいって、どんどんドラマティックになっていって、後半は激しめにいくべきかな、と」

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

『MUSICA 10月号 Vol.66』のご購入はこちら