Posted on 2012.10.21 by MUSICA編集部

cero、東京の現在進行形フォークロア

これが現代東京の新たなフォークロア!
雑多な感情と崩れゆく都市の中から
湧き上がる衝動と希望のポップミュージック、
セカンドアルバム『My Lost City』で
ceroが時代の音を打ち鳴らす

『MUSICA 11月号 Vol.67』P86に掲載

▶アルバムはもっの凄く素晴らしい作品だなと思ってて。ファンタジーでありながら、今の時代の空気、しかも東京の空気みたいなものと凄くマッチしていくような作品だなと思ってて。ジャンルレスな音楽性も含めて、凄く記名性の高いバンドであり作品だなと思って聴かせてもらいました。

髙城晶平(Vo&B&G)「ありがとうございます! 最初のアルバムの『WORLD RECORD』を作ってから出すのに結構な時間がかかってたんですけど、その間に新曲もどんどん作ってライヴで披露してたんで、基盤となるものはもうその時にあって。さらにその前後にモナレコードで鈴木慶一さんとやったツーマンのライヴがありまして、『Contemporary Tokyo Cruise』っていう題名のイベントだったんですね」

▶同じタイトルの曲がこのアルバムに入ってますけど、そこから取ったってこと?

髙城「いや、その後でそういう名前の楽曲ができてくるんですけど、その時のceroのライヴの構成が、雨で都市が海の中に沈んでいく、みたいな流れで。そういう基盤を元にこのアルバムにだんだん向かっていったような感じで」

荒内 佑(Key&B)「髙城くんに水没した都市があるっていう詩みたいなものを朗読してもらったんですよね。それから水没した街っていうのを共通のテーマにして曲を出し合っていくようにして……僕らはよく街のこととかを歌ってるけど、現実の街なようでいて街じゃないというか、パラレルなもので。実際、架空の設定だったものが現実にも起こって、そこからまた曲ができたりして」

▶水没した街とか都市の崩壊っていうテーマが去年の震災よりも前に既にあって、不思議なことに似た状況が現実に起こったわけですよね。そもそもその発想は、どこから生まれてきたんですか?

荒内「なんかceroは雨の曲が多くて。そこから水かさが増して……っていうのもあるし、『崖の上のポニョ』のラストみたいなイメージで」

髙城「あと、その時、ノアの洪水伝説のことをネットで調べて読んだり、聖書のテキストとかバベルの塔の話を読んだりしてたんですよ。バベル―都市の根源とか、シティポップの根源に立ち返っていったら、そういうのも関係なくはないなぁと思って……なんとなく漠然とそういう話をしてたんだよね? ノアの洪水とかメモ書きしたり。無意識的にそういうテキストを読んだりとかして、そういう要素の連なりが最終的にそこに向かわせた感じですね」

 (続きは本誌をチェック!)

text by 寺田宏幸

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