Posted on 2012.11.23 by MUSICA編集部

plenty、ますます極まるその鋭いメッセージ

生命はどうしようもなく残酷で、
けれど、だからこそ強く、美しい。
plentyの音楽はまさに
そんな生の様、そのものだ――
鋭くタフなダイナミクスが色濃く出た4thEP。
ロックの深みと高みを
一挙に駆け上がるplenty、
今、彼らから目を離すな

『MUSICA 12月号 Vol.68』P96に掲載

■一昨日ツアーが終わったばかりなんですけど。最終日のZepp DiverCityでのライヴを観て、バンドの鳴りが鋭く強くなってるし、表現のスケールも説得力も上がったなぁと思って、興奮しながら楽屋に行ったんですが、当の郁弥くんは、この世の終わりみたいな顔して叫んでまして――。

「………はい(苦笑)」

■何がそんなに悔しかったの?

「いやぁ………個人的には反省点がいろいろあったかなっていう。もっと行けたと思うんですよ」

■でも、成長は自分でも感じてるでしょ?

「前回のツアーと比べたらよかったと思います。でもやっぱり課題はあるし。……まだまだですね。大きい会場は慣れてるわけでもないし………でも、そもそも満足したことってないんですけどね」

■そうだよね。自己評価が凄く厳しいよね。

「うーん………………成長してますかね?」

■間違いなく、してます。それは断言できます。

「あー、それだったらよかった。………でも自信になったこともあって。僕らって音楽しかやってないじゃないですか。テレビで流れたりしない、CDと音楽雑誌だけなのに、徐々にお客さんが増えてきてる。それも、ちゃんと音楽が好きで、ちゃんと音楽を聴いてくれるお客さんが増えてる。……っていうのは、自信になりますよね。凄く地味なほふく前進バンドだけど、これは間違ってないんだなと思いました。それはよかったです」

■plentyのライヴって、曲と曲の間に郁弥くんがエフェクター踏み替えるカチッカチッていう音が2階席まで聴こえるくらい、本当に静かで。

「え、あの音って聴こえてるんですか!?」

■聴こえてる(笑)。みんな、それこそ固唾を呑むかのように聴き入ってますよね。Zeppクラスになってもあの状態を維持してるって本当に稀だと思う。特に今回のツアーは初めてワンマンに来る人も多かったと思うけど、でもその様は変わらなくて。自分の音楽の何が、あんなにも人を引き込むんだと思います?

「自分が、同じ気持ちだから。やっぱり作る時から、自分がそういう気持ちで作ってるんですよ。僕はお客さんを鏡だと思ってて。多少の差はあれど、自分達が音楽とどう向かい合ってるか、何を思ってるかっていうのと同じことを、お客さんも思うはずだって思ってる。それはお客さんの顔を見たらわかりますね。自分が真剣にやれば真剣に聴いてくれるし。そのせいでシーンとなっちゃうんですけど(笑)」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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