Posted on 2012.11.24 by MUSICA編集部

BIGMAMA、進化を遂げるラジカルポップの真髄

実は大胆な筋肉改造を
遂げつつあるBIGMAMA、
そして、
「バンドは絶好調だけど、
僕は絶不調です」と説く金井政人。
ポップへのダイレクトな執着と
ロックバンドとしての
美学と進化が結実した、
シングル2作のラジカリズムについて――

『MUSICA 12月号 Vol.68』P102に掲載

■アルバム以来のインタヴューだね。あれからいろいろなことがあったし、訊きたいこともたくさんあるけど。ともあれまずは新曲の話から。アルバム以降の2枚目のシングルなんですけど、やたら弾けた曲になった理由から教えてもらえますか。

「単純にアルバム出して以降、絶不調で絶好調なんですよね」

■うーんと、何が絶不調で、何が絶好調なの?

「……金井政人が絶不調で、BIGMAMAが絶好調って感じです」

■ははは、言い得て妙です。

「アルバムを出してツアーやって以来、個人的に人生が上手くいかないというか、いろんなところで悔しい思い、格好つかない思いをして……フラストレーションを抱えこんでて。でもそれをきちんと音楽に向けるだけの誠意やモチベーションを自分の中に持っていられたからこそ、それを音楽的に消化することはできたんです。だから作りたい曲や作りたい音楽はたくさんあって、それをひとつずつバンドで形にしていけているから、そういう意味では絶好調だなと思っていて……」

■そんな個人的に絶不調な金井くんがこのバンドのソングライティングを手がけているわけで、その割にはアルバム以降にシングルとして作った4曲は物凄くハイでフレッシュで、弾けたものになっているんだよね。これはやけっぱちですか?

「ははは……自分の中でバイオリズムがあったとして、割と底辺にいる時って、普通のことや当たり前のことがハイに見えるというか。一番どん底の状態から見てるから、どこが普通でどこがハイなのかあんまり見極められてないのかもしれない。でも、底辺を知ってる人間だからこそ描ける幸福感――それは単純な幸福感じゃなくて、普通であることの喜びや幸福感であったりして……。僕の中ではその日常的な幸福こそが、今までよりも鋭利というか過剰というか、そういうニュアンスで取ってもらいたいんです」

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

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