Posted on 2012.11.26 by MUSICA編集部

HAWAIIAN6、変わらないメロディックパンクの雄

混迷を越え、完全帰還!
己の肉を削ぎ、その骨まで曝した、
紛うことなき「HAWAIAN6」
世界を嘆き、それでも人間を愛し、歌う――
エヴァーグリーンな想いのもとに放つ
本質作『The Grails』
その光を今、俺達とパンクが呼ぶ!

『MUSICA 12月号 Vol.68』P120に掲載

■今までHAWAIIAN6が見せてきた楽曲や音の表情が凝縮されている作品だと感じて。こういうものを目指してスタートしていったのか、試行錯誤の末なのか、どういう感じだったんですか?

YUTA(G&Vo)「今回の曲を作るにあたって、作曲や考え方も変えたかったんです。RYOSUKEが新しく入って、せっかくだから一緒に作りたいと思って、なるべく一緒に曲を作るようになったんです」

■具体的な作業がガラッと変わったんですか?

YUTA「実際にやる作業自体はあまり変わっていないんですけど、僕に、懲りすぎたり詰め込みすぎたりするクセがついちゃっていて。RYOSUKEと一緒に作業していく中で、『ここまでやらなくてもいいんじゃない?』って言ってもらって」

■RYOSUKEさんは、デビュー当時から同じシーンで闘ってきた仲間であるからこそ、HAWAIIAN6を客観的に見られていたんですか?

RYOSUKE(B&Cho)「そうですね。今もまだ僕はファンだと思うし、そこは抜け切らないと思うんです。大勢のお客さんの中のひとりの僕が、『こういう曲がいい』って横から言ってる感じでしたね」
HATANO(Dr)「僕はそれを見守ってる感じで。今まではYUTAがいろいろやりたがって、『それはやらないで』って僕が止めたりしてたけど、そこで口を出さないことで『今までこういう展開はなかった』っていう曲も生まれたし、逆によかったと思います」

■今作に向かうまで、乗り越えてきたものの質と数が今までと全然違ったと思うんです。昨年メンバーの脱退もあって、ストップしたのもバンドにとっては初めてのことだし。その道程はバンドにとってどういうものだったんですか?

YUTA「本当に、RYOSUKEが入るって声をかけてくれるまで、俺は結局何がしたいんだろうって凄く考えて………というか、『わかんない!』って状態でしたね。自分が何がしたいのかさえ、わからなかったんですよ」

■バンド云々以前に、生きていく道を考える上での初めてのカオスだったんですか?

YUTA「それまでも考えてないことはなかったですけど、実際に直面すると違いますよね。考えてたことと、目の前にあること。それに驚く自分にも気づかないというか」
HATANO「ちょうど震災があって、何もできなかったことも凄く悔しかったですね。メンバーが見つからないとか、そんな話じゃなかった。音楽を仕事だとは思わずやってきて、それさえ止まった時に自分の将来ひっくるめてワケがわからなくなったんです。バンド以前に、どうやって生きていきたいんだろうって初めて考えさせられて、それが表現できなかったんです。だから、今はとにかくやれることが嬉しくて。やりたいことが目の前にあって追いかけてきた何年だったのが、今はやっと、やりたいことを探せる状態になったというか」

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text by 矢島大地

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