Posted on 2012.12.23 by MUSICA編集部

The Flickers、僕らは何故「永遠」を求めるのか

僕らは、精いっぱい今ここに存在している――
混沌の中で破壊と想像を繰り返し、
120%の刹那を繋げ、永遠に手を伸ばす。
愛おしきルーザー達による起死回生『Fl!ck EP』

『MUSICA 1月号 Vol.69』P98に掲載

■今回はある種、挑戦的な4曲で。“永遠”や“ルーザー”のような、歌詞も含めて安島くんの素というか、原点を感じさせるニューウェイヴから、ヘヴィでエッジが尖った“go go monster”のブレイクビーツまで、バラエティ豊かで。ただ、ここに至るまで相当苦労したと聞いたんですけど。

「そうですね。一度録る予定だった曲を保留にして、もう一回新しい曲に挑戦したりもして……というか、全部新しい曲にしたんですけど」

■1回ゼロに戻してもう一度作ったということ?

「はい。そういう意味では、いつも以上に苦労しました。よく喧嘩したり泣いたりしましたし(笑)」

■自分の中では、どんなところを目指して今回の作品を作っていったんですか?

「1作目が衝動で2作目が知性っていうテーマを持ってたんですけど、今回は情熱を表したい、素直な情熱を閉じ込めたいっていうのをテーマに作りました。あとは4曲の中でいろんな側面を――従来の自分達らしいところから新しい側面までを提示して、これからに繋げたいと思ってました」

■その情熱っていうのは強く表れてますね。リードトラックの“永遠”も、曲調的には淡々としたビートのニューウェイヴなんだけど、そこに強い昂揚感や焦燥感を加えることに成功してて。歌詞も黄昏れてるようでありながら、随所に<血に燃えるような 激情といく>という言葉だったり、強い意志を感じさせる言葉が歌われてるし。儚さを感じながらも、ただ儚いだけで終わらせないぞっていう意志が表れてますね。

「この歌詞はツアーの移動中に車の中で書いたんですけど、凄い素直に一瞬で書き上げた感じで。ベースの堀内くんが歌詞を読んで、『やっと素直になってきたか』って笑ってました(笑)」

■(笑)。

「自分でも確かに、自分が子供の頃から見てきたような景色というか、感じてきたことにやっと素直な気持ちで向き合えた、そういう詞だと思います。……これを書いた時、たぶんちょっと疲れてたんだと思うんですけど(笑)、目に映るものが眩しかったんですよ。愛しかったというか……当たり前の景色が凄く大事に思えたんですね。その時はあまり先のことを想像する余裕がなくて、目の前の景色をもう二度と見れないかもしれないみたいに思って。だから割と寂しい、切ない気持ちで書き始めたんですけど」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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