Posted on 2013.02.16 by MUSICA編集部

クリープハイプ、ウナギ昇りに駆け上がる尾崎のさらなる本音、全開!

社会の窓、
ガチで全開
しましたから

『MUSICA 3月号 Vol.71』P60に掲載

■まるで本当に、社会の窓の中で常にくすぶってる「あれ」が、そのまま社会の窓の中で爆発し切ってるような印象を受けた曲なんですけども。

「ははははははは、いいですね、その感じ」

■メジャーに行ってからの自分達の状況を歌にしたっていうところで、これまでのいろんな思いがこの曲に繋がっていったと思うんですけど。

「まず、『おやすみ泣き声、さよなら歌姫』の時にもの凄く時間がない中で、キャンペーンとかもたくさんあって、もう肉体的に本当に疲れ果ててしまったんです。でも、またシングルを出すことは決まっていて、レコーディングの予定もあったんですけど、ちっとも曲はできてなくて。そういう追い込まれた状況の時に、マネジャーから『大変そうだから、もうやめよう。俺がなんとか言っとくから』みたいなこと言われて」

■ん? 締め切りを守んなくていいってこと?

「いや、シングル自体を出さなくてもいいんじゃないのって話してくれて」

■大胆なマネージャーだね、そりゃ。

「ははは、でしょ? だからちょっと俺ムカついて、『そういうことじゃないだろう!』と思って。曲については、ディレクターから『クリープハイプがちょっと遠いとこに行っちゃったと思ってるようなお客さんがいると思うから、そういう人達を安心させられるような部分も入れられたらと思うんだよね』って言われてて、確かにそれも大事だし、その上でさらに攻めに出ていくものにしたいと自分の中では考えていて。だから出したかったんですよ」

■まあ、そういう前向きな尾崎も珍しいから、よかったよね、マネージャーの制止を振り切って曲作りに向かえて。

「(笑)そうかも。そんな時に、『BOROFESTA』っていうイベントにいつもPVとか撮ってくれてる松居大悟と俳優の池松壮亮くんがふたりで来てくれて、ライヴの後に、3人で京都に泊まってちょっと遊んで帰ったんですよ。その時に久しぶりに大阪の西成――凄く刺激的な街なんですけど、そこにみんなで行ったんです。ふたりは俳優と映画監督ですけど、自分と同じような目線で作品を作っている人達で、『こんなもん映画のセットじゃ作れないですよ』って西成の街に感動してくれて」

■西成ってそんなに凄いの?

「ヤバいですよ、ほんとに。東京で言うと、山谷(日雇い労働者が多く住む、通称ドヤ街)みたいな街なんですけど。ふたりが感動してる姿に自分も嬉しくなったし、さらに刺激も受けて。で、東京帰ってきたら、言葉がバーッと出てきたんですよね。それでバンドで演奏してみたら、これが最初は微妙で(笑)。だけど、せっかくこんなに自分の中で大事な言葉があるのにこれを無駄にするのはほんとにイヤだと思って、『頑張ってなんとかしてくれ』ってメンバーに言って」

■時期的にも勝負作だからね。

「それで何回か繰り返してくうちにこの形になっていって。でもこの曲はほんとに言いたいことを言えたし――前から言ってますけど、僕は人に馬鹿にされる前に自分で自分を馬鹿にするのが好きで。それを歌にできたかなと思います」

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

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