Posted on 2013.02.21 by MUSICA編集部

FOUR GET ME A NOTS、鮮やかに突き抜けた進化作、その真意に迫る

FOUR GET ME A NOTS、決意の進化!
歌とメロディを研ぎ澄まし、ポップの花も咲かせ、
より広いフィールドへ攻め込む変化作『BLINKS』
メロディックパンクシーンを突き破り、いよいよ登壇!

『MUSICA 3月号 Vol.71』P104に掲載

■メロディックパンクのアグレッシヴさも健在だし、全編通してフォゲミ節と言えるメロディが詰まっているんだけど、もっと大衆的でポップなフィールドにも歩を進めていこうとする、過渡期の作品だと感じました。自分達では、どういう作品になったと捉えていますか?

石坪泰知(Vo&B)「ライヴでみんなが歌えるようなものとか、より聴きやすいものをっていう意識があって。自分達のやりたいことを残しつつ、それが統一してできた感じだと思います。それが、自分達で持ったテーマみたいなもので。ライヴの中で気づいていったことでもあるんですけど、より歌える、より心に響きやすいものを作れたらいいなと思ってたんです」
高橋智恵(Vo&G)「素直なメロディや素直な想いを詰めることが、お互いに共有できたり、一層届いていくことに繋がるんじゃないかな?と思って作れたアルバムだと思いますね」

■おっしゃったように、『ELIXIR』の時も、『SILVER LINING』の時も、ライヴで気づいたことをストレートに作品に落とし込んでいったバンドだと感じてるんですけど、幅広いバンドと共演するようになってきたことでの発見はどういうものだったんですか?

阿部貴之(Dr&Vo)「僕個人は、音楽的な考えが偏っていた人間で。今こそ歌モノのバンドとも一緒にやるようになってきてはいるけど、昔は受け入れられなかった人間なんです。だけど、いいものはいいとちゃんと思えるようになってきたんですよね。実際に幅広い場所でやってみて、いろんなお客さんが受け入れてくれたのが大きくて。それを経験して、素直になれたんです」
石坪「より、お客さんに楽しんで帰ってもらおうっていう気持ちが大きくなったのかなと思っていて。僕らが今までやってきたことって、自分との闘いを見せたり、葛藤との闘いを見せたりしている感じだったんですよね。みんなで共有するものというより、葛藤の様を見せているような感覚だったんです。でも今は、自分達の経験もそうですけど、いろんな人と『楽しい』とか『切ない』っていう気持ちを共有したいって思うようになってきた。それが一層伝わりやすい楽曲やライヴを求めるようになった理由なのかなと思いますね」
高橋「特に意識をしたというよりは、前作から今作に至るまでのライヴの中で、伝えるというよりも、投げかけて返してもらうっていうやり取りをしているバンド達との出会いがたくさんあって。それを純粋に『いいな』って思ったりもしたから、共有っていうテーマに近づいていった感じがします。それもあって、幅広いバンドや音楽性に歩み寄っていった感覚ですね」

■メロディックパンクのシーンの中で頭角を現していく道筋が、ここまでの作品だったと思うんです。その中で歌心とメロディ、歌い切っていくスキルがこのバンドの武器で。そういう意味で、今作は非常にポップな方向に振った変化作ではあるんですが、根本が変わったわけではなく、元々持っていた自分達の資質や武器を際立たせていった結果の進化作だとも感じていて。

石坪「あぁ……言われてみると、そうかもしれないなぁと思いますね。結局、自分達の『3人でできることはこれだ』っていうことがわかってきたから、特別なことをしようとしたとしても『それはやり過ぎだろう』とか、『今ならこれはやれるよね』っていう話ができるんですよね。だから、今言ってもらったようなことなのかなと思います」
高橋「3人が上を向いているからこそ、言ってもらったような特徴を伸ばせていった気はします。自分がやりたいことは広がってくるし、得意とする部分や特徴を音楽の中に上手く出したり、馴染ませられたらいいなと思っていたんです」
石坪「今、より純粋に音楽を楽しめているのかな、と思いますね。余計なことを考えずに歌えているし、楽器も弾けてると思いますね。ずっとバンドを続けてきた中での出会いや、歩んできた人生が表れているんだと思います」

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text by 矢島大地

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