Posted on 2013.05.20 by MUSICA編集部

さめざめ、すべてをここに告白す

さめざめ、
告白。
「子宮頸がんにかかり、
手術を受けました。
すべてをここに
語ります」

『MUSICA 6月号 Vol.74』P68に掲載

 今回の取材はリリースに合わせたものではない。逆に「リリースもあるので(5月15日に新曲を混ぜ、インディーズ時代の代表作を集めた『さめざめ問題集』がドロップされます)」、そこも合わせて大事な報告をするために取材をしたものだ。
 今年のまだ冬が明けぬ中、さめざめこと笛田さおりが「子宮頸がん」にかかったことを知った。まだその時は術前だったので、初期のものであることを知らされても大きな不安もあったし、彼女自身も動揺しているとのことで、ただただ待つしかなかったが、手術が無事に終了し、インタヴュー中にあるようにほぼ完全に再発の心配がなくなった今、むしろこのことを多くの人に知ってもらいたいという彼女の意志をもって、ここに告白の機会を設けることになった。
 表現と人生というのは似て非なるもので、さめざめの性的なダイレクトな表現、エキセントリックな感情表現をそのまま笛田が体現しているかといえば、そういうものではない。しかし、彼女のスキャンダラスな音楽から考えると、今回の子宮頸がんという病は好奇の目で見られてしまうものである。そのことが彼女自身のパーソナリティとしても、そして子宮頸がんという病としても大きな誤解を孕んだものだからこそ、敢えてここですべてを告白しようと笛田自身が決めたものであることを承知の上で読んで欲しい。

■話を聞いて本当にびっくりしました。

「はい(苦笑)…………」

■最初はなんて言ったらいいかわかんなかったんですが、子宮頸がんになられて、もう手術も終えたというふうに聞いてます。今はどういう状態なんですか?

「今は手術をして約2週間くらい経っているので、一応自宅療養中というかたちで。今日がそれから初めてのお仕事なんです。しばらくは、スタジオ練習とかレコーディングとか表立ったことはお休みさせていただいています。手術後は腹筋とかは使わないほうがいいと言われたので、あんまり変にヴォイストレーニングとか走ったりとかはしないで、本当に普通の生活を送ってます」

■なかなか訊きづらい話ですけど、どのくらいの時期からどんな感じになったんですか?

「今年の1月の始めに体調を結構崩していまして。私は子宮頸がんのゼロ期にかかったんですけど、ゼロ期の時って普通は症状がまったくないらしいんですね。なんですけど、たまたま私が、不正出血と言って出血をしないはずの時期に出血をすることが初めてあったので、不安になってすぐに行きつけのクリニックに行って看てもらったんです。その時に婦人科の先生が、せっかく来てもらったので子宮頸がんとかの病気になっていないか検査をしてみましょう、っておっしゃったので検査をしてもらいました。それで1週間後に凄い軽い気持ちで行ったら、『もしかしたらがんの疑いがあるかもしれないので、がん専門の病院を紹介します』と言われて……それで、がんの専門の病院でまた検査をしてもらいに行きました。その結果子宮頸がんだという診断を受けて」

■この国でも、多くの女性が煩ってる病気だと聞いてますが、とてもナーヴァスな部分のがんですから、いろんなことを考えたと思うんですよね。

「そうですね……私自身、この病気のことを詳しく知るまでは、どうしてこの病気になるかっていうこともまったく知らなかったんです。ただ、今は20代、30代で最もなりやすい病気であって、私自身も子宮頸がんの検診を無料で受けられるクーポンを貰っていたのにもかかわらず、忙しいからって、行きたいと思っていながら行ってなかったんですよね。そんな中、インターネットとかでいろいろ調べたら、いろんな情報が飛び交っていて。そこには、どうしても偏見を持たれるイメージの病気とあったりもして。自分も、『子宮頸がん』という病名だけを重く捉えてしまったんですけど、この病気は女性だったらなる可能性が全然普通にある病気なんだ、ということに気づいたんです」

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

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