クリープハイプ、初のメンバーインタヴューを敢行。 尾崎世界観と歩む中で辿り着いたそれぞれの「必然性」とは。
小川幸慈、長谷川カオナシ、小泉拓の『吹き零れる程の、I、哀、愛』
『MUSICA 8月号 Vol.76』P.22より掲載
■今までとこれからが全部響いてくる金字塔が出来ましたね。
全員「ありがとうございますっ!」
長谷川カオナシ(B)「はい、本当にいいアルバムできましたよ」
■……そんな眼力強い目で、瞬きもしないで言わないでよ。
カオナシ「す、すいません」
■前作の『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』というアルバムを作ってからすぐに、尾崎の中ではこのアルバムのタイトルが浮かんだっていう話をさっき聞いたんだけど。そこから始まりシングル3枚を経由しながらこのアルバムを作っていた1年間だったと思うんです。その中での状況の変化をどう感じてましたか? タイアップはつくわ、イベント出れば集客増えてるわ、見てる人の顔は違うわ……という中で。
小川幸慈(G)「バンドをやり始めた時からずっと、僕も人のいないライヴハウスでライヴをしていたので(笑)。クリープハイプのメンバーになって、このメンバーで徐々にお客さんが増えてきて、昔思い描いていたようなでっかいところでライヴができるかな?とかっていうことが、現実になってきてる……だから僕らはまず、今までよりもっとバンドとしての技術的な部分での向上が必要だし、ライヴをする上で、『襟元正す』みたいなことを最初は意識しましたね」
小泉拓(D)「例えば、クリープハイプが船だとして、自分がそれに乗ると、今まで思い描いてた音楽で食べてくっていうイメージが転がってくんだろうなってずっと思ってて。それがようやく(笑)」
■それは、尾崎にその才能があると自分が感じていたから?
小泉「きっとそうなんでしょうね……やはり尾崎くんという人物がデカイと思いますね。決める時に、決めるヤツじゃないすか(笑)。タイアップ決める時も(クライアントの会議室に)弾き語りで乗り込んで行ったりとか、そういう人と人との繋がりを間近で見てきてるので。だから、自分達はやれることを自分達の持ち場でちゃんとやっていれば状況はついていくよなって信じてました」
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text by 鹿野 淳
『MUSICA 8月号 Vol.76』より