BIGMAMA、最高の状態で迎えた過渡期。
金井政人、渾身の本音
僕は今、初めてバンドが完成したと思ってるんです。
でも音楽を創るクリエイターとしては、
完成という言葉は終わりというニュアンスもあるから、
これから、この「完成」とどう向き合っていくか?が
大事になってくると思ってる
『MUSICA 9月号 Vol.77』P.92より掲載
■このニューシングル『alongside』は、ツアーも終わり、休む間もなくリリースされるということで。ここにはどういう狙いがあるんですか?
「僕は今、ここに来て初めてバンドが完成したと思ってるんですね。それはアルバム5枚作って、曲のクオリティがとか云々は置いといて、ライヴの理想像がわかったっていう意味でなんですけど」
■それを今回のツアーで感じたんだ。
「はい。まだこれから完成度を上げていくという余白があった上で、でも『こういうことをやりたい』というバンドの理想像が、ようやく自分の中でひとつわかったんです。でも音楽を作るクリエイターとしては、完成という言葉はピークを迎えるとか、終わりを迎えるとか、そういうニュアンスもあるから、自分の中で感じた今の完成とこれからどう向き合っていくか?というのが大事になってくると思っていて。今までは求めていること/求められていること、このふたつと自分達の折り合いが上手くつかないまま進んでいく感じがあったからこそ、『バンドが完成したんだよ』ってことに対して、いかにそこを出発点に、その先の余白の中を前に進んでいくかを見つけたかった――つまり、早く新しい曲を作るということが自分の中で凄い必要だなって感じたんですよね。で、作りました」
■ライヴが完成したということは、きっとこのバンドが、そして金井自身が「こういうバンドになりたいなぁ」って思った場所に、まぁ片手くらいは手が届いた的なイメージなのかもしれないね。そこに到達するにあたって、何か自分の中で具体的に感じたものはあったんですか?
「具体的にありますね。……
(続きは本誌をチェック!)
text by 鹿野 淳
『MUSICA 9月号 Vol.77』