Posted on 2013.11.15 by MUSICA編集部

これが新たなロック――
覚醒したSHISHAMOの現在地に迫る

 

私自身のことになると、作っていて楽しくなくて。
妄想しているほうが進むし、モチヴェーションが上がる。
自分じゃない世界のことのほうが、
考え1れば考えるほど面白いんですよ

『MUSICA 12月号 Vol.80』P.80より掲載

 

 

■超自信作が作れました……ですよね?

 

「(苦笑)……うーん、いい曲はたくさん作れたなっとは思いますけどね」

 

■何故、いい曲がたくさん作れたんですか?

 

「偶然です(笑)。高校生の時に作った曲が、M1、2、3、5で、5が一番古い楽曲ですね。4は、曲のベースだけが高校の時にありました。その後の後半はぜんぶ、卒業してからの曲です」

 

■そういう自分らの成長期を――。

 

「いや(笑)、これもまた偶然だったんですけど」

 

■そ(笑)。高校生の時と、高校を卒業してからは、自分の気持ちの何が変わったの?

 

「そこまで自分の中で変化したものはないんですけど、やっぱり生活はガラッと変わって。制作の面で、前の『卒業制作』に後悔があったりしたんです。初めてのレコーディングだったし、『こう歌ったらどう聴こえるか』とかがわからない中で、曲作りにもまだ慣れていなかったし。今回は、そういう後悔をなくそう!と思って作ったアルバムですね。……あの頃、自分のやりたいことはこれじゃないのかもしれないって思ったんですよね。自分の曲をまだ自分で好きになれていなかったんです。『卒業制作』の最後に作った“第3ボタン”から、ようやく自分でも好きだと思える曲を作れるようになったんですけど」

 

■高校生の時って、周りにいた人達と自分で、ある意味同じ時間を共有してたでしょ。たとえば、授業が終わったら家に帰る――様々な人生や家はあるんだけど、なんとなくのルールがあってという日々だったと思うんですよ。

 

「はい。リズムとしてはそうですね」

 

■でも卒業してみると、誰かは大学に行ったり、誰かは社会人になったり、新しいルールの中にみんな属していくようになっていって。いろいろと変わったと思うんです。

 

「そうですね。まず、バンドメンバーの中での変化を感じて。前は、学校が終わって部活に行ったら3人でスタジオに入れるっていうリズムがあって、3人が同じで進んでたんですけど、卒業すると、全員が違うリズムになってしまって。そういう部分で、レコーディングみたいに慣れない場で『あれ?』ってズレを感じることが生まれちゃって。うーん……吉川(美冴貴/Dr)がいきなりヘタになってたりとか(笑)。前と違うって感じることや、高校を卒業した最初の頃はやりにくさを感じることはありました。だけど自分自身は大学に進学するのも違うなって感じだったし(吉川は大学に進学したのです)、っていう感じで来ましたね」

 

(続きは本誌をチェック!))

 

text by 鹿野 淳

『MUSICA12月号 Vol.80』