Posted on 2013.11.16 by MUSICA編集部

RADWIMPS、ニューアルバムで新たな高みへ
野田洋次郎ソロ&メンバー全員インタヴュー敢行―その②

山口「プロツールスや電子ドラムを使うことで
どんどん音探しの旅が広がっていって。
もっと広い脳味噌の中にある何かを探したい、
辿り着きたいっていう思考が今回はあったと思う」

 

『MUSICA 12月号 Vol.80』P.14より掲載

野田洋次郎「さっき話してたんだけど、前回のインタヴューの時は25歳だったんだよ」

 

武田祐介「えぇーっ!」

 

山口智史「それ凄いな、25か……」

 

野田「凄いよね、小6が中3になってるんだよ」

 

桑原 彰「そうか……」

 

■(笑)という、相当お久しぶりな取材なんですけど。さっき洋次郎さんには伝えたんですが、『×と○と罪と』は新しいRADWIMPSが生まれたなっていう印象が凄く強い、もう4ピースのロックバンドであるという枠組すらも自由に凌駕していった、これまで以上に大幅に音楽的な飛躍を遂げた傑作が生まれたと思ってます。まずは、3人のアルバムに対する印象から。

 

山口「はい(満面の笑顔)」

 

■もう、その笑顔をそのまま載せたいくらいなんですけど(笑)。

 

全員「(笑)」

 

山口「それが一番手っ取り早い気もするんですけど(笑)。今『飛躍』っていう言葉をいただきましたけど、自分の手応えも本当にそういう感じですね。今までもアルバムごとに新しい試みをして、新しいRADWIMPSを出してこれたと思うんですけど、今回は作っている時から『より変身したな』っていう実感があって。実際、聴いてみても変化の度合いが今までより大きいんじゃないかなって思います。しかも、決して奇をてらったとかそういうことではなく、自分にとって一番新しくて一番素晴らしいものになってるなって思えてて………傑作だと思います!」

 

武田「先ほどおっしゃっていただいたことを僕も凄い思ってて。レコーディングの最中も、『これ発明じゃね?』とか、『これ今までになかったね!』っていう言葉がメンバー同士で凄くいっぱい出てきて、1曲できる度に凄い喜びがあったんです。それがようやく形になってリリースできるので………ハッピーです(笑)」

 

■桑原さんはどうですか?

 

桑原「僕も一緒なんですけど。今回、メンバーそれぞれがいろんなことに挑戦してて。全員がプロツールスを買ってアレンジをやっていったりとか。やっぱり、洋次郎のソロを受けたことも少し関係してるのかもしれないけど、バンドっていうよりも、音楽集団的な方向が新たに開けたアルバムなんじゃないかなって、ひとりで思ってました」

 

野田「いやいや、こっちもそう思ってたから、ひとりじゃないよ」

 

桑原「ふふ、そうか」

 

■今、桑原さんが言ってくれた音楽集団的な方向っていうのは、まさにそうだと思います。というか、みんなそれぞれにプロツールス上で曲をアレンジしたりしたんですね。

 

野田「そうですね。今回のアルバムの背景にはいろんな要素があると思うけど――それはさっきのインタヴューでわかったんだけど(笑)。その中でも、みんながプロツールスを持ったことは大きかったんじゃないかなって思う。全員がちょっとマニピュレーター的な役割を担うようになって、そういう次元でもセッションし始めたので。そこでいろんなやり取りをしていったことは間違いなく影響してると思うし。さっき有泉さんも言ってくれたように、4人形態のロックバンドというプロセスではない形で音楽を作れたっていうのは凄く大きかった。今まではドラムがあってベースがあってギターがあってヴォーカルがあってっていう、その形が前提だったし、その関連性からいろんな挑戦とか実験をしてたけど、今回は全然違ったから。もう全部が『音』でしかなかったというか。ハットの代わりにギターがいてもいいし、ベースの代わりに鍵盤でもいいし、そういう音の組み合わせ方をしていって」

 

■つまり、パートや楽器関係なく、あくまでその音楽を輝かせるために最適な音と最適なフレーズ、最適なリズムを考えていったってことですよね。

 

野田「そうですね。だから、時にはベースやギターを全部取っちゃうっていう考えもあったし。みんなが音楽集団になるっていうのはそういうことだし、俺が今回のアルバムで望んでたのはそういうことだったのかもしれない。で、それを3人が受け入れて、しかも楽しんでやってくれたから。それは間違いなく、ひとつ新しさを生んでいると思います」

 

(続きは本誌をチェック!))

text by 有泉 智子

『MUSICA12月号 Vol.80』