2013年ロックシーン最大の台風の目、
新たな「僕らのロック」の旗手となった
KANA-BOONの現在地に迫る
今までは1番のバンドになるっていう理想論だけやったけど、
ちゃんと現実的に何をするべきかとか、
何がしたいかっていうのが具体的に見えた。
僕らが発したいメッセージが何かも
■MUSICAは毎年恒例で年間総括特集をやってるんですが、その年に素晴らしい活躍をしたバンドにこうやって取材をしていて。で、今年のMVPのひと組は、どう考えてもKANA-BOONだろうと。というわけで、この1年を振り返っていきたいんですが。4月にインディーズデビューし9月にメジャーデビュー、そして10月に出したファーストアルバムがオリコン3位を獲るという、近年稀に見る勢いで駆け上がったバンドなのですが。本人達としてはどんな1年でしたか?
谷口鮪(Vo&G)「アッという間やった」
古賀隼斗(G)「早かったなぁ、今年は。『初めて』がめっちゃ多かったよね。CD出すんもフェス出るんも、何もかも初めてで」
谷口「こういう取材もそうやし、ほんと全部が初めてやった」
古賀「インディーズデビューとメジャーデビューを1年でやったのも凄いよな。なんか、一番思い出に残る年なんちゃうかなと思う」
飯田祐馬(B)「ああ、一生の中で?」
古賀「そう。1年単位で言ったら、きっとそうやと思う」
谷口「ほんま楽しかったな。生きてる実感を感じられたから」
■今までは、そんなに生きてる実感はなかったの?
谷口「今まで感じてたのは全部まがいものやったんやなっていう感じは思いますね。『あ、これが本物か!』って」
■自分達を取り巻く状況も凄い勢いで変わっていっただろうし、言ってくれた通り初体験も多かったと思うんだけど、自分達の中では1個1個、確信を持ちながら進んでこれた感じだったの? それとも、いい感じで勢いに乗れちゃった感もあるの?
谷口「着実にやりたいことをやって、でも勢いには乗ってという形で来れたんやないかって……だから、『流されずに波に乗りたいな』っていう気持ちは強かったです。実際、何かを流したりせず、毎回毎回得るもんを見つけながら進んでこれたと思うんで」
■飯田くんはどうですか?
飯田「う~ん……でも、今年はすごく悩んだ年でしたね」
■それはどういうところで?
飯田「音楽面で。『あぁ、自分がやってきたことはなんも足りてなかってんなぁ』って、いろいろ気づかされて。で、知れば知るほど音楽って深いなぁとも思った年ですね」
■一番最初に取材したのは3月末だったんだけど、その時、レコーディングでリズム隊が凄くシゴかれたって話を聞いた(笑)。
飯田「あ、そん時か!」
小泉「シゴかれたなぁ(笑)」
古賀「ちゃんとディレクターさん入ってレコーディングしたの始めてやったからな。今まで自分らで録ってたのと同じ感じで録り出したら、リズム隊がめっちゃダメ出しされてて(笑)。俺、その様子見ながら『俺の番来たらヤバいんちゃうかなぁ?』って思ってた(笑)」
(続きは本誌をチェック!)
text by 有泉 智子
『MUSICA1月号 Vol.81』