Posted on 2013.12.17 by MUSICA編集部

貪欲に、不敵に、そして本能的に、
駆け上がり続けた2013年とその最新型を体現する
ニューシングルを語る

 

みんなが同じようにノって盛り上がってるんだったら、
そんなん全部ぶっ壊そうぜっていう意気込みで作ってる。
そうやって歴史は作られていくものだと思うし、
ウチらはそういうことがしたいんだと思います

 

『MUSICA 1月号 Vol.81』P.82より掲載

 

■ツアーも非常に素晴らしい形で一度区切りを向かえることができたわけですが、ツアーと並行して制作していた――つまり、厳しいスケジュールの中で作り上げたシングルが無事に完成しまして。

川上洋平(Vo&G)「はい(笑)」

 ■今回のダブルA面シングルは、それぞれまったく異なるカラーの2曲が揃っていて。まず、どんなことをイメージしてこのシングルに臨んだのかから訊きたいんですが。

 川上「前もそうだったんですけど、タイアップの話をいただいた時は、逆に考えないようにしてまず作るんですよ。で、そこから自然に合致する道を探していく感じで。だから今回も別に、とにかく4人でその時に思い描いたものを作っていったんですけど……ただ、『Me No Do Karate.』っていうアルバムを経ての初めてのシングルだっていうことは、結構意識しましたね」

 ■あのアルバムを出す過程で地上波のテレビ含め露出も広がって、イベントももの凄くいっぱい出て、これまでよりも広い層にアプローチしてきたと思うんだけど。その中で、そういう状況をここでもう1回後押しするような勝負シングルを作ろうという意気込みは、でき上がったシングルから感じるんだけど。

 川上「そうですね。ただ、そこに関しても――やっぱり周りからは、“starrrrrrr”と“Forever Young”の後だし、いわゆるポップめな曲で好きになってくれたお客さんを満足させられるようなものを凄く求められたっていう状況はあるんですけど。でも、そもそも[Champagne]自体が、シングル云々とは関係なく、『Me No Do Karate.』ぐらいから歌やメロディを中心に考えてるので。その流れの中にあるから、よりポップにとか、より開いてとか意識せずとも自然とそういう楽曲になるだろうなって思ってたんで。ただ、今回は、とにかく(制作)時間が全然なかったから(笑)」

 ■本当にそうだよね。夏フェスから途切れない形でツアーこなしながら曲作ってスタジオ入ってっていう、鬼スケジュール(笑)。

 川上「だからぶっちゃけ、凄く苦労はしたんですけど………でも妥協したくなかったし、メロディを大事にしたかったんで。で、ツアー中に制作したっていうところで一番辛かったのは、ツアーの合間に作ってると、作曲中にあんまり声を出せないってことで」

 ■密着に行った時も、喉に負担をかけないために基本ウィスパーで喋ってたもんね。

 川上「そうそう。俺、普段曲作る時はワーッて歌いながら作るんですよ。モニター環境とかも整ってない中だからなおさら声を張りながら作るんですけど、そうすると喉に負担がかかるし、次の日のライヴに影響しちゃうんで、今回はそれができなくて。だから実はメロディもウィスパーで作ったりしたんですけど、そしたら結果、ファルセットでサビを歌う曲ができてしまったという」

 ■はい。“Run Away”のサビは初のファルセットですね。

 川上「そうなんです。だからまあ、面白い作り方でしたね、今回は」

 磯部寛之(B)「だから俺が今回、唯一心配したのは、キーがなかなか決まらなかったところ(笑)。曲に関しては、いつも通り洋平が書いてくるメロディを単純に楽しみにしてたし信じてたから、俺らはとにかくメロディに対して最高のアレンジを考えるだけだって腹が括れてたんですけど。ま、時間は本当になかったけど、その辺のスピード感は『Me No Do Karate.』で鍛えられてたんで、不安はなくて。ただ、声が張れない中で作ってたから、メロディが決まっても最終的なキーが決まらなかったんですよね。それで土壇場まで何度もキーが変更になって……キーによってはせっかく詰めてたアレンジも変更しなきゃいけないから、そこだけは唯一最後まで気が重かったとこでもあるんですけど」

 川上「はははは。ごめん(笑)。本当にレコーディング前日ぐらいまで、キーが行ったり来たりしてましたもん」

 磯部「ま、そこは仕方ないから。逆に洋平に心配かけたくないなって思って、できる限りの準備はしたし、改めて自分の引き出しを増やしておく必要性も感じたんですけど……たぶん、そういう意味ではお互い凄く頑張ったと思います(笑)」

 川上「それこそ仙台のライヴの時、本番後にまーくんとふたりで、楽屋で仮歌録ってましたからね。キーを決めるために(笑)」

 白井眞輝(G)「やったね(笑)。マネージャーさんに『帰るよ』って言われながら、『もう1テイク録らして!』って粘って(笑)」

(続きは本誌をチェック!

 

text by 有泉 智子

『MUSICA1月号 Vol.81』