Posted on 2014.01.15 by MUSICA編集部

スペースシャワー列伝JAPANツアー 開催記念!
先輩×後輩対談――Vol.1
光村龍哉(NICO Touches the Walls)×谷口鮪(KANA-BOON)

 

谷口「自分の気持ちいいことじゃないと人前に出せないっていうのはある。
きっと、いつかはそれだけじゃダメになると思うんですけど……」
光村「いや、それだけでいいと思う。
むしろ、それが俺らのモチヴェーションであるべきだと思うよ。
もちろんお客さんは大事だけど、そこに呑まれちゃいけないっていうか」

『MUSICA 2月号 Vol.82』P.64より掲載

 

■ふたりは同じレーベルの先輩後輩でもあるわけですが。まずは、お互いの印象から伺えますか。

 

谷口鮪「最初にNICOを知ったのは高校の頃で。“THE BUNGY”で知ったんですけど、YouTube観てごっつイケメンの人だなと思って。だから凄いクールな、きっと口なんてきいてくれない感じの人かなというイメージだったんですけど、実際に会って話してみたら、なんか親戚のお兄ちゃんみたいな親しみやすさがあって……思ってたより怖い人じゃなくてよかったって思いました(笑)」

 

光村龍哉「いやいや、僕のほうこそ話してくれないんじゃないかと思ってたよ。特に最初の頃の、前髪で目を隠してた頃の鮪くんは(笑)」

 

■(笑)。みっちゃんのKANA-BOONへの印象は?

 

光村「声がとにかく印象的なのと、珍しくギターソロを弾きまくってるバンドだなっていうのが最初の印象でしたね。だから僕の感覚で言うと、新しいというよりは懐かしい感覚があって。今のご時世、世界的に見てもオーセンティックなギターロックバンドは減ってるじゃないですか。その中で、ここまでギターを弾きまくる、しかも割と王道なソロを遠慮なくぶちかましてるのは痛快だなと思って」

 

谷口「ウチのギター(古賀)がそういう奴なんですよ(笑)」

 

光村「でも曲を作ってる時は、『ここでギターソロ、カモン!』みたいな、そういう感じで作ってるの?」

 

谷口「曲はスタジオでセッション的に作っていくことが多いんですけど、セッションやりながらバンドの共通意識的に『この後は(ギターソロが)来る! 来る!』っていう切迫感は結構ある(笑)」

 

光村「ははははははは!」

 

谷口「そうすると、案の定ウチのギターが、すっごいドヤ顔でソロを弾き始めるっていう」

 

光村「それいいね。ウチはみんなへそ曲がりだから、たとえばセッションしてて『このサビが終わったらギターソロだろうな』ってみんなが思ってても、その一方でみんなが『いや、ここで入るのはベタだな。もうちょっと後の美味しいところまで待とう』って思うから、結局そこは何もなくなるっていう」

 

谷口「全員待ってしまうってことですか?(笑)」

 

光村「そう(笑)。だからウチのギターにKANA-BOONのアルバムを聴かせたいよ。『ギターソロはこれだけドヤってていいんだぞ』と。そういうのって、俺らの時代はちょっと恥ずかしいことだったんだよ。でも、それが一周回って最早めちゃくちゃ変化球になってる感があって。非常にいいなと思うよね」

 

■ちなみに鮪くんが今23歳なんだけど、みっちゃんが23歳の時はちょうど『Who are you?』を出した時で。つまりメジャーファーストアルバムを出した年齢は一緒なんだよね。

 

光村「有泉さんにそう言われたから、お互いのファーストを聴き比べて来たんですよ。そうしたら凄く対称的で(笑)。KANA-BOONのアルバムって非常にまっすぐですよね。欲望が120%の形で出てる。それに対して僕らのファーストは滾る欲望を制御しながらなんとか収めたっていう感じの作品で。非常に捻くれてましたね(笑)」

 谷口「僕らからしたらちょっとぐらい捻くれたいですよ」

(続きは本誌をチェック!

 

 

 

text by 有泉 智子

『MUSICA2月号 Vol.82』