Posted on 2014.03.17 by MUSICA編集部

『RAY』のすべてを語る新曲全曲解説!
さらに、“ray”での初音ミクとの共演について、メンバー全員が語る

 

「今まで」と「これから」に光を当投射した
アルバム『RAY』、3万越えの全曲解説!
そして、衝撃と話題が渦巻く“ray”での
初音ミクとのコラボレートについて――

 

『MUSICA 4月号 Vol.84』P.30より掲載

 

■『RAY』が発売して3日後に出る号の取材です。ようやく『RAY』を聴くことができ、そのあとの最高のサポートとなるものになれればいいなと思ってますので、よろしくお願いします。

一同「よろしくお願いします!」

■それでは、新曲である8曲をすべて紐解いていきたいのですが、その前に、このアルバムへの想いを、みんなから聞かせてもらいます。

直井由文「……ちょっと長くなってもいいですか?」

■もちろん。

直井「『COSMONAUT』っていうアルバムを前回出させてもらって、その時に自分である程度スキルがついてきたかなぁと、ちょっと自信をつけ始めていたんですね。でも、今回の『RAY』ではそれがまったく通用しなくて、のっけからチャレンジの連続で。今回のアルバムをざっくり言わせていただくと、ミュージシャンとしてチャレンジし続けたアルバムかなと思います」

■『COSMONAUT』で得たものは確かにたくさんあったと思うんですよ。それがここにきて挫折に近い感覚を覚えた理由は何だったんですか?

直井「“morning glow”っていう曲がありまして、それはほぼ『COSMONAUT』のアルバムを制作したちょっとあとぐらいにできたのかな? そこで、『COSMONAUT』の流れをもってベースを弾いたんです。でも、その流れでやっても、曲が本来持っている形に全然辿り着けなくて。この曲、結局3年後にようやく録れたんですよ(苦笑)。つまりは『COSMONAUT』以降、早速自分の持っていたノウハウが全然役に立たないっていうことになって、完全に『俺、もうわかってるよ』っていう顔して、『COSMONAUT』ヅラ下げてレコーディングしたら、即効弾かれたっていう……(笑)」

■ボクシングで言うと、互角か自分が有利って思ってたところ、いきなり1ラウンド目にアッパー喰ってノックアウトされちゃった感じだ。

直井「ほんとそうだねぇ。でもこれ、ネガティヴな話じゃなくて、すっごいポジティヴな話で。自分が持ってない引き出しが、まだたくさんあるんだ!っていうのを再認識させられたんです」

(中略)

1. WILL

 

■では1曲ずつ訊いていこうと思います。まずは“WILL”。これは、ツアーのオープニングSE用にフジが作ったの?

藤原基央「そうです。ここに入れるために、ちょっと尺を削ってます。これはライヴの出囃子だったんだけど、この『RAY』っていうアルバムの凄く長い制作期間中……長くもねぇか?」

直井「長いよー」

升秀夫「長い長い」

藤原「その長い期間中、ツアーとかライヴとか凄くいっぱいやって。そういうライヴの影響とかがやっぱり出てると思うので、これが1曲目っていうのは相応しかったんじゃないですかね」

■これはオープニングの映像を見た上でそれをイメージしながらソングラティングしたインストじゃないかと思うんですけど。

藤原「そうですね。結構そうかもね……でも、そうでもねぇのかな」

直井「そうでもないの?(笑)」

藤原「そうでもないかも(笑)。完全に映像の影響もあるんですけど、なんかイメージがあって」

増川弘明「うん、そう言ってたよ」

藤原「そう、山崎(貴)監督の絵を見る前から俺、イメージがあって。この“WILL”の前にもインストの曲があったんですね。それは“GOLD”っていうんですよ」

増川「前のツアーのオープニングの曲ね」

■あれ、“GOLD”っていう曲名なんだ(笑)。

藤原「そう。『GOLD GLIDER TOUR』のオープニングで使われていた曲は“GOLD”っていうんですね。どっちもギターから作り始めて。仕上がりはああいう感じですけど、実は凄く肉体的な音楽だったんです。“WILL”で覚えているのは、凄く熱がある日だったんです。でもこの日に作らなきゃっていう感じで。頭ボーっとしてしんどかったけど、作業自体は凄く楽しかったので、スタジオ籠もって。……うーん、結構しんどいギターだったんですね(笑)」

■過去に「MOTOO FUJIWARA」っていうソロ名義のアルバムがあって。あのソロで作ったインストだったり、昔からゲーム音楽から多大なる影響を受けているっていう話も聞いていたし。こういうインストっていうのは、曲を作ることとしては大好きなんだよね?

藤原「そうだね、ああいうのだったらいくらでも作りたいと思うよ」

直井「本当にこいつ、いくらでも作るんだろうなぁ~。歌詞がねぇの、超得意だもん!」

■あはははははははははは。

藤原「くくくくくくく。歌詞って言うのは本当にめんどくさくって」

直井「ほんっと、曲だけだったら何曲でも書くよな!」

藤原「ねぇ?(笑)。音楽は、音が楽しいと書いて音楽ですから。そういう面では、いくらでも書けると思います。まぁこの曲の場合は、ギターが大変だったっていうのはあるけど」

 

(続きは本誌をチェック!

 

text by 鹿野 淳

『MUSICA4月号 Vol.84』