Posted on 2014.04.15 by MUSICA編集部

クリープハイプ、移籍~ベスト騒動の真意と
ニューシングルをすべて語る

これまでメンバーが辞める時も、自分は曲に助けられてきたんです。
だから、まだ続けようと思えたし、今回も助けられたかった。
そういう曲をもう1回作りたいって思ったんです

MUSICA 5月号 Vol.85P.24より掲載

 

■今、4月3日の夜なんですけど、今日は何をやってたんですか?

「いきなり!? 今日はマスタリングしてましたよ(笑)」 

■昨日は?

「(笑)レコーディングですね。一昨日もレコーディングです。……昨日はラジオで野球の話もしてました」

■(笑)それは素晴らしい仕事だと思うけど――。

「この前話した週刊ベースボールの編集長さんとですよ。どうしてもそこは譲れなかったんで(笑)」

■間違ってないね、それは。でも結構慌ただしい3日間だったんだよね。どうですか、久しぶりにレコーディングをして。

「そっかぁ、レコーディングしたのは1年ぶりぐらいか……ちょっと懐かしかったですね。……ほんと懐かしかったな、なんかあの準備したりする感じが(笑)。面倒くさいんですけどね、レコーディングの準備と片づけって。けど、好きなんですよね。本能的に『子孫を残したい』みたいな感じがあるので。だって不安なんですよ? 曲作っても『消えるんじゃないか?』って思うから。だから、昔からずっとCDを作りたかったんです。レコーディングしてCDにすれば消えないし、誰も忘れないからっていう。だから安心しますね、レコーディングすると」

■レコーディングで曲が形になった瞬間っていうのは、曲が生まれた瞬間と同じぐらい自分にとって大切なものなんだ?

「まさにそうですね。曲ができるっていうのはもちろん大事だけど、それだけじゃまだ仮契約してるみたいで不安なんで、ちゃんとレコーディングしてやっと安心できる感じで」

■ははははは。また相変わらずに夜に歌入れして?

「そうですね、基本的に夜にならないと声が――ってジンクスを今回も担いで。でも、食べるものはちょっとだけ変わったりして」

■そうやって世の中もちょっとずついろんな装いを変えていくわけだけど、クリープハイプにも今回は変化が訪れていて。レコード会社を移籍しました。どうですか、新天地は。

「やりやすいですね、凄く。ディレクターとかもいつもつきっきりでいてくれるし、『曲作んなきゃな』とかCD出すこととかを凄く意識したり考えたりするから、そういう意味では今は合ってるのかなぁと思いますけど」

■個人的にも、変化を起こしたいとか、ひと皮剥けたいっていう気持ちはどれほど強かったの?

「かなりありましたよね、むしろそれだけというか」

■インタヴューするのって去年12月の年間総括特集以来になるんですけど、「2013年も頑張ったじゃないですか」っていう話に、尾崎は「いや、全然駄目です。自分の想定していたレベルと凄いギャップがあって、まったく思い通りに行ってないんだ」ということを話していて。今になって振り返ってみると、今回の移籍は、その話と地続きなわけだよね?

「鹿野さんにはネガティヴな話をしたからそう思うかもしれないけど、でもそんなに……まぁ、地続きと言えばそうだけど、もの凄くってわけでもないと思いますけどね。どうしても変わりたい!っていうよりは、まず残りたいって思って……」

■「残りたい」っていうのは、このシーンに足跡を残し続けたいっていうこと?

「そうですね。もちろん上を目指してはいるんだけど、それ以前にまずはシーンに残り続けられなかったらしょうがないなって。そう思った時に、いろんな言葉をかけてくれる人がいたんですよね。だから、そこで勝負してみようかなと思いました。ずっと同じ今の状態でキープしていくのは嫌だし、上を目指したいから……そう思った時に、今のここ(ユニバーサルミュージック)の環境に行ってみようっていうのがありましたよね。…………上手く言えないな。なんか変なふうにとられそうだから、何を言っても」

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text by 鹿野

MUSICA5月号 Vol.85