Posted on 2014.07.15 by MUSICA編集部

syrup16g、遂に復活!
再結成第一声インタヴューをここに!!

自分の使命に従って戻っていくんだなっていう感じがあって。
「僕の死に場所はここでいいじゃないかな」っていうのを
受け入れたっていうか

『MUSICA 8月号 Vol.88』P.14より掲載

 

■本当に、本当にお久しぶりでございます。

「お久しぶりでございます(笑)。まず、僕の謝罪のほうから――」

■(笑)いや、まったくもって謝ることじゃないし(五十嵐の謝罪とは、犬が吠えるの第一声を表紙巻頭で特集した本誌2009年3月号発売から同時期に解散となったことに対してです)、それよりもこのインタヴューを凄く楽しみにしてたから、謝らないでくれ(笑)。その代わり、今日はじっくり喋っていこうと思ってるので。

「そりゃ喋りたいっすけど、インタヴューがね、超久しぶりなんで」

■それこそあの時のMUSICA以来なの?

「………そう、確かにそうですね」

■となると、取材したのは2009年の1月だから、丸5年とちょっとか。ではインタヴューが凄く好きになるような5時間を過ごしたいと思います。

「いやいやいや! 30分で凝縮して(笑)」

■無理(笑)。では、よろしくお願いします。

「よろしくお願いします」

■まずは本当に、おかえりなさい。

「ああ、ありがとうございます」

■新しいアルバム『Hurt』は、もう仕上がったんですよね?

「そうですね、昨日の朝仕上がって。あとはマスタリングです」

■まず、レコーディングを終えて思うところを聞かせてください。

「安心したっていうのが一番素直なところですけどね。割とタイトだったから――」

■それはスケジュールが?

「そう。それにいろいろ手探りというか、久しぶりのことも多かったし。何しろレコーディング自体が久しぶりだったから」

■これもまた5年ぶりぐらいな感じだったの?

「ですね。前のバンドの時――それこそ鹿野さんに密着していただいた時以来なので、ちょっと大丈夫かな?みたいな心配があったんで……一応形になったっていうのは一番安心してますけど」

■レコーディングの日々はどうでしたか?

「正直、ひと言で言うと大変っていうか……限りなく苦痛に近い大変(笑)」

■(笑)なんか、変わらないね。

「やっぱりなんかしらの理由があって音楽から離れてたと思うんですけど、(レコーディング始めた時は)それに対して折り合いがついてるのかどうかもわからない状態だったし。それはやってみないとわからないので」

■ということは、昨年5月にNHKホールでライヴをやったことで自分の中で次に踏み出す力が確信的に見えた、という感じではなかったんだ?

「それはなかったですね。NHKホールは、遠藤さんや若林さん(それぞれレコード/マネジメント会社であるUKプロジェクト社長、イベンターであるヴィンテージロック社長。両者共にsyrup16g初期から支えてきたスタッフ)から『そろそろ1回、みんなの前に顔出してみようよ』って言ってもらったところから始まった割と単発的な、メモリアルなものというか………継続的な何かのスタートという意識よりは、そこで何かけじめを1回つけられたらなっていうことだったんで」

■ああ、時間が止まってしまったところからその瞬間までの何かに決着をつけたかった感じだったんだ?

「うん。やっぱり自分の中で(音楽を)やりたいのかやりたくないのかわからないので、ちゃんとステージに立てるのかも含めて、期待して『やろうよ』って言ってくれる人達に1回向き合ってみて、答えが出ればいいなっていうのはありましたしね」

■では、今日はこの5年間をできるだけ丁寧に振り返っていきたいなと思います。まずは2009年の春の話から――。

「はい」

(続きは本誌をチェック!

text by 鹿野 淳

『MUSICA8月号 Vol.88』