Posted on 2014.07.16 by MUSICA編集部

KANA-BOON、初の全国ワンマンツアー
福岡&広島公演 密着レポート!

確かなる進化と、初めての試練。
強まる確信と、現実との葛藤。
ブレることなく自分達を信じ突き進むKANA-BOON
初の全国ワンマンツアー、福岡&広島に完全密着

『MUSICA 8月号 Vol.88』P.70より掲載

 

6月14日(土)福岡DRUM Be-1

 

 12時50分、メンバー到着。笑顔で車から降りてきた4人はそのまま楽屋に入り、早速グルメタイム。本日のお昼は九州北部の郷土料理であり、名物駅弁でもある東筑軒のかしわめし弁当。甘く炊いた刻みかしわ(鶏肉)がたっぷり乗ってます。

 4人の雰囲気はいたって和やか。お弁当の紐を活用してあやとりに興じる古賀とこいちゃん、マッサージチェアーに気持ちよさげに沈む鮪、ロデオボーイに揺られる飯田と各々ゆるりとした時間を過ごしているところに、昼食直後にもかかわらずさらなるグルメが! その名も「ムツゴロウマンジュウ」。たい焼きのムツゴロウ版みたいな感じで、パンケーキのようなフワモチな皮に明太子やハムエッグ、カスタード等の具材が詰まっております。では、ここでグルメレポーターとしての成長ぶりを計りましょう。まずはハムエッグをチョイスしたこいちゃん。「自家製マヨネーズがポイントですね。このちょっと酸味が効いているところが全体の味を引き立てて、美味しいです」。うん、なかなかのコメントです。お次は明太子をチョイスした鮪。「粒が立ってます。ポテトも入ってるんで、ポテトのノペーっとした感じと粒々が……えーと粒々が…………美味しいモノは美味しいでええやないですか!」。……まだ道は遠いようです。

 13時45分。楽屋では飯田がラジカセをセットし、2日前の名古屋公演のライヴ音源を流し始める。それぞれくだらない話で笑ったりしつつも、耳は自分達の演奏に行っていて、時折「これギターだけテンポ遅い?」とか「ここはベースの白玉(全音符)の弾きが甘い」とか、結構細かい会話が交わされていく。普段は24歳という年齢よりもあどけない表情でワチャワチャ戯れている4人だけど、やっぱり音楽が絡むと顔つきが変わる。

 15時05分、サウンドチェック開始。そのまま15時32分、リハがスタート。“ウォーリーヒーロー”から始まったのだが、演奏のキレがいい。ジャキジャキとしたソリッドなギターサウンドと鮮烈なリズムで空間を斬っていく、ストロングなバンドサウンド。メンバーの呼吸も合っていて、強く鋭いロックバンドの鳴りがガツンと響く。外音やモニター環境を整えたり、途中でヴォーカルマイクを替えたりと調整がなされるも、演奏に関しては問題なく進み、16時50分、リハ終了。

 本番まで1時間ちょっと。楽屋ではグルメ絵日記を書いてお互いの画力のなさを笑ったり(本当になかったです)、長崎から駆けつけた古賀の親戚ご一行様の楽屋訪問を受けたり、鮪と飯田がじゃれたりしながら、特にストイックな空気が高まるわけでもなく穏やかに時間が過ぎていく。初ワンマンツアーにもかかわらず硬さもなく、平常心で開演までをカウントダウンしていく。それは彼らがここまでの道程の中でちゃんとバンドとして積み上げてきたものがあるからこそなのだろう。

 18時05分、開演。九州各地からファンが集結していたフロアの熱狂ぶりはのっけから凄まじく、もう1曲目の“ワールド”から昂揚感マックス。というか、今のKANA-BOONのワンマンは何処もそうだ。このバンドが「初めての僕らのロックバンド」という人も多いだろうし、初ツアー故にこれが待ちに待った初めてのKANA-BOONワンマン体験だという人がほとんどで。その、やっと生で爆音で存分にKANA-BOONのロックを体感するんだという歓喜と興奮が、ライヴハウス全体にもの凄い熱量を弾けさせていく。

(続きは本誌をチェック!

text by 有泉智子

『MUSICA8月号 Vol.88』