Posted on 2014.08.23 by MUSICA編集部

BLUE ENCOUNT、
共に笑い、共に憤り、共に泣く共鳴型の泣き笑いロック、
エモーショナルロックの本望、遂にメジャーデビュー!

僕が自分ん家みたいに一番落ち着ける場所って、ステージの上なんです。
だから、お客さんが笑った顔を見てないと僕も笑えないし、
お客さんが泣いてる顔を見たら泣いちゃうんです

『MUSICA 9月号 Vol.89』P.114より掲載

 

■メジャーデビュー、おめでとうございます! やっと念願が叶ったという想いだと思うんですが。

「そうですね、本当に結成当初からの、10年前からの夢で。熊本にいた頃からメジャーデビューという言葉はずっと絶やさないキーワードのひとつだったんで。今回どういうふうにメジャーの門をくぐるか?ということで、凄く悩んだ時もあったんですけど」

■そうなんだ? それは何に悩んでたの?

「まずは曲の形というか、曲の方向性ですよね。どの形でメジャーという門を叩くのか?と考えた時に、2パターンあったので。1個目のパターンが、今までのBLUE ENCOUNTじゃないような、敢えてガラッと変えて――俗に言う、メジャー感というものに僕らの音楽を落とし込んだ時、それがどうなるのかな?っていうもので」

■いわゆるメジャー対応っていうやつだよね。より幅広いリスナー層に向けて、キャッチーな方向で勝負するっていう。

「そうですね。で、もう1パターンは、“JUST AWAKE”とか“HALO”、“アンバランス”っていうような今までの曲達の流れを汲んだ上で新しい流れを作ってみようかっていう。そのふたつの流れって、曲作りをする上でも結構悩んだところではあったんですけど。結果的にそのどっちのパターンにも当てはまらない曲っていうのが今回生まれたので、これは絶対にBLUE ENCOUNTでしかなし得られないメジャーの門の通り方なのかなっていうものができたので。一旦、その悩みは凄く落ち着いています」

■なるほどね。今回のリードの“MEMENTO”って、切り裂くようなメタリックなリフとかビートのアタック感とメロディの流麗さっていう凄くブルエンらしい部分がありつつ、一方で、もうテンポもアレンジも別曲みたいにガラッと変わる転調だったり、スパニッシュなギターとかラップっぽいヴォーカルが入ってきたりとか、これまでのブルエンになかった新しさもきちんと伝わる曲だと思うし。

「そうですね、かなり自分のひねくれた感じが出たというか(笑)」

■歌詞もそうだけど、田邉くんの「節」が出てるよね(笑)。そういう意味では、これから新しく出会う人達にも、これまでインディーズ時代をずっと支えてきてくれた人達にも、どっちにもぐっさりと切り込んでいくような曲だよね。

「今回、コンセプト的には『EPを作る』っていうことも別に決まってなく、とにかく作れるだけ作ろうっていう話になりまして。で、3ヵ月間で100曲以上作ったりしたんですよ」

■マジで!? ほぼ1日1曲じゃん。それは相当凄いね。

「(笑)でも、メジャーデビューする盤を出すってなったら、これまでの10年分の僕らの音楽性と出会ってくれた人達への感謝っていうものを大事にしたかったので」

■それだけ気合いが入っていた、と。

「そうですね。で、そういうふうに考えた時に、まず作り始めの頃は、かなりメジャーを意識して『キャッチーとは何か?』みたいな感じを――今まであった曲で形容するならば、“HANDS”っていう曲のストレートさ、壮大さっていうのをさらに塗り替えるような感じで作ってみようと思ったんです。けど、作っていけばいくほど、凄くそこから逸脱していって(笑)、結果的に、できる曲は『10周年でこれでいいのか?』って思うぐらいひねくれたヤツらが出てきて。その中で一番ひねくれてたのが“MEMENTO”だったんですよね。だから、凄くとんでもないものができたなって思った反面、これになんていう言葉を入れていけばいいのか、ちょっと怖くもなりましたね。できたと同時にメンバーそれぞれが同じタイミングで『ヤバい!』ってなったのを覚えてます。サビは凄くキャッチーだけど、これを如何にこねくり回してやろうかっていうのがお互いにあったと思うんですよね」

(続きは本誌をチェック!

text by 寺田宏幸

『MUSICA9月号 Vol.89』