凛として時雨、最響
再び鳴り始めたその純潔なる世界
「凛として時雨3人で出してる音だからいいんだ」
っていう慣れ方をしたくない。そうじゃなくて、
初めて聴いた時に電気が走るような感覚に賭けたいんです
(TK)
■久しぶりなんですよ、ウチで3人でインタヴューやるの。
TK(Vo&G)「いつぶりでしたっけ?」
■メジャーデビュー以来です。
TK「え!」
ピエール中野(Dr)「そんなぶりですか!」
■そうなんです。なので楽しみにしていました。早速ですが、凛として時雨として1年7ヵ月ぶりとなるシングルがリリースされます。こっち側にはなんとなく復活感があるんですけど、自分達ではどうですか?
TK「でも、個人的には止まってた感覚もないんで……リリース活動やライヴ活動がまた始まるなっていうタームでしかなくて(笑)。元々時雨の活動自体、思いついた時にリリースしたり、リリースが少ない中でライヴをやってたりしたので、止まってる感覚っていうのは僕はなかったですね」
345(Vo&B)「私もあんまり止まってるっていう気持ちはないですね。3人で時々スタジオとか入ったりもしてましたし……春ぐらいだっけ? スタジオ入ったよね」
TK「そうだね。まぁちょこちょこ会ってたりもしたんで」
■ということは、ずっと続いてる感じなんだ?
345「ずっと一緒ですね。ふたりもいつも通り接してくれるんで(笑)」
TK「よそよそしくはならないでしょ(笑)」
■いや、案外そこは重要ですよね(笑)。ピエールはどうですか?
ピエール「僕は久しぶりだなっていう感じはありますけどね。止まってたという感覚も特にないんですけど、でも久々感はあるというか」
■今日3人でインタヴューしたいと思ったのは、3人それぞれに凛として時雨以外の活動を経て再び一緒にやるというタイミングだったので、その辺の話を聞きたいなと思って。まず345さんは、yukihiro(L’Arc~en~Ciel)と百々(和宏)と一緒にgeek sleep sheepというバンドをやったり、ナカコー(Koji Nakamura)のバンドに参加したり、いろいろな形でセッションをやって凄く新鮮な体験をされたと思うんです。まずそれはどうだったんですか?
345「えっと、あの、凄く楽しく……それぞれやってるんですけど……(TKとピエールに向かって)なんで笑ってるの?」
TK「いや、たどたどし過ぎるなって(笑)」
ピエール「前よりたどたどしいよ(笑)」
345「確かに……」
■全然大丈夫だから(笑)。
345「あの……私は最初にベースを始めたのが時雨だったので、時雨以外でベースを弾くってどうなんだろう?と思って、凄い緊張してたんですよ」
■それは「やってはいけないんじゃないか?」みたいな話?
345「じゃなくて、自分の技量的に他の人とやってできるのかな?みたいな。結構TKと中野くんに守られてじゃないですけど(笑)、いろいろ手助けしてもらいながらやってきてたので、ひとりでベーシストとして他のところに行った時にできるのかっていう不安が凄くあったんです」
■逆に言うと、ご自分の中でそう思っていたからこそ、門外試合っていうか、外でも挑戦したいなっていう気持ちもあったんですよね?
345「いや、挑戦したいなっていうのは自らはなかったんですけど(笑)。でも、お話をいただいて、やってみたいなと思って」
■で、いざやってみたらどうだったんですか?
345「知らぬ間に……TKにちゃんと育ててもらってたなって(笑)」
一同「ははははははははははははは!」
ピエール「なんの話だよ(笑)」
345「『あ、大丈夫だったな、ありがとうTK』って思いました(笑)」
(続きは本誌をチェック!)
text by 鹿野 淳