Posted on 2015.01.17 by MUSICA編集部

indigo la End、
圧倒的な確信と共に『幸せが溢れたら』完成。
「ドラマー、オオタユウスケの脱退」
発表前の全員取材、最後の4人語録

曲にもバンドにも本当に自信があるし、
今回はメロディも全部、自信があるんです。
この作品を出すっていうことだけで
2015年は相当明るくなる気がしてるんです

『MUSICA 2月号 Vol.94』P.82より掲載

 

■これ、まずジャケットがヤバいです。

長田カーティス(G)「あはははは! まずそこですか?」

■これは危ないジャケットだ。一番ドープな昼メロみたいな世界が匂ってきますよ。しかも、ここに写っているふたりは今、生きていない気がする。

川谷絵音(Vo&G)「これは……そうですね(苦笑)。でも、こんなふうになるとは思ってなかったんですけどね」

後鳥亮介(B)「悲壮感ハンパないですよね。触れてはいけないような」

■いやぁ、このジャケットは相当ヤバい(笑)。そして、新正式メンバー後鳥さん、弾きまくってますね。1曲目のAメロ聴いた瞬間、天を仰ぐようにベースが聴こえたんですけど。

後鳥「はい、泣きながら弾きました(笑)」

■これは正式メンバーになって最初のフルアルバムっていうことも含めて、自分が行くところまで行かないと、みたいな?

後鳥「そうですね。あとは川谷選手に求められてしまって、『もっと! もっと!!』っていうのがあったので(笑)」

■煽りまくったんだ?

川谷「そうですね。まぁ、もうベースがワッてなってるところは基本的に俺がレコーディングで煽って変えたところですね(笑)」

■そういうところも含めて、バンド史上最高の傑作アルバムができ上がったと思っています。2014年に『あの街レコード』を出した時は、「バンドの調子が凄く上向きだなぁ。ここから変わっていくんだろうな」って思ったんですけど、この作品はそれを通り越して驚きに近い感覚を感じた。まずはオオタさんから、このアルバムへの想いを聞かせていただけますか?

オオタユウスケ(Dr)「4人で初めて作ったアルバムなので、バンドらしく……バンドでいい作品を作るっていう。そういう感覚って今まであったようでなかったような感じで。今までは、曲作って録るっていう感じで」

長田「『曲作って録る』って、当たり前じゃない(笑)」

オオタ「そうなんですけど(笑)、今回はバンドの勢いをそのまま、本当に好きな作品を楽しんで録るような感じで、バンドやってる感が凄いあったんですよ」

■ある意味、職人的に作品に向かってきた今までと比べて、今回はバンドとしての生き様が鳴ってる、と。

オオタ「そうですね、はい(笑)」

長田「僕も、今まではぶっちゃけ、あんまり意味がなかったというか。今回はちゃんと歌詞も理解しようとしたし、展開も理解しようとしたし。自分の頭の中で1回ちゃんと『どうしよう?』っていうのを考えながらやってたんで。……今までは適当でした、はい、それは認めます(笑)」

川谷&オオタ「あははははは!」

■それによって、ご自分のギターやこのバンドへの関わり方がどう変わっていったんですか?

長田「変な言い方だけど、今までは歌に勝とうみたいな気持ちがあったんですよ、ギターで。今もそれはあるんだけども、共存を目指すようなスタイルにしようっていう感じですかね。やっぱり歌を聴かせたいバンドではあると思うんで、そういうのを意識して作っていこうかなってやってます」

■後鳥さんは?

後鳥「そうですね、僕はフル(アルバム)をちゃんと録ったのが初めてなんで。こんなに全部いい曲で大丈夫かな?っていう感じで。これから先が心配になるぐらい、本当にいいアルバムだと思っていて。indigoって特別なのかもしれないですけど、限定されたテーマがあんまりないんですよ。本人は違うのかもしれないですけど、作っていく曲がたくさんあって、全部いい曲で、『これでまとまったりするのかな?』って思うんです。でも、全部でき上がってみると、曲もまとまってるし、本当に1枚の作品だなっていう気がするので、とても驚きました。作っていて面白かったですし」

■さて、絵音くんは先月のインタヴューで「本当に自分が作ったのか?っていうぐらい素晴らしい作品になった」っていうことをおっしゃっていたんですが、いざでき上がってみて、どうですか?

川谷「そうですね。本当に最高傑作だと思います。indigo la Endの中でというか、歌モノのバンドとしても全然、稀に見る作品と言えるような……自分の中でも全然聴いたことがないなっていうものをいっぱい散りばめられたので」

■音楽として楽しい点がポイントとしてたくさんあるんですけど。その中で、『夜に魔法をかけられて』から2年間として考えていくと、あの作品に比べて音の違い――ダイナミックさ、ドラマチックさ、ファンタジックさ。何から何まで全部が同じバンドかと思うぐらい違ってるんですよ。音楽性が本当に広くなってきたし、コーラスワークまで含めてかなりレベルの高い作品になってると思うんですけど。

川谷「アレンジの幅広さっていうのは、そもそも後鳥さんが入ったし、ベースでいろいろできるのが2年前、1年前とは全然違うんで。で、ベースが変わるとやっぱりドラムも変わるし、全体的にも変わっていくんで。今回、本当に1曲目からベースがゴリゴリいってて。最初はあんまり意識せずに、メロディがよくなればいいなっていうぐらいで自分は思っていたんですけど、レコーディングをやっていく途中で後鳥さんならベースをもっと変えたいなと思って、リズムを結構変えたりして。それでやってみたら上手くいくパターンが多かったんですよね。“花をひとつかみ”とかもベースのスラップから始まるんですけど、最初はそういう感じじゃなかったのを僕がレコーディングの当日にその場で全部変えて――」

後鳥「ほんと大変だったんですよ(笑)」

(続きは本誌をチェック!

text by 鹿野 淳

『MUSICA2月号 Vol.94』