Posted on 2015.02.16 by MUSICA編集部

BIGMAMA、初の表紙巻頭 総力大特集!
――ARTICLE 2
メンバー全員で振り返る、決定版BIGMAMAクロニクル!

結成前のメンバー同士の邂逅から最新アルバムまで――
一瞬一瞬、そのすべてがターニングポイントだった
BIGMAMAの0から100

『MUSICA 3月号 Vol.95』P.30より掲載

 

■今回の表紙特集は、2部構成でのインタヴューをさせていただいてますが、後編では、『The Vanishing Bride』について5人全員から話を伺うとともに、2001年からのバンドヒストリーを紐解いていければと思っています。

全員「よろしくお願いします!」

■まず、前作以上の、今まで積み上げてきたからこそ生まれるべくして生まれた、素晴らしいアルバムが完成しました。作品全体に緊張感があって、音楽的なバランスもロックバンドとして奔放に広がり切っていて。かつ、非常にポップな作品になっていますが、アルバムを作り終えてどうですか?

安井英人(B)「今回は新しい挑戦を凄くしていて。新しいエンジニアや、マニピュレーターと組んだこともそうだし。自分の楽器やアンプも変えたりしたんです。そういう挑戦の中で、新しいBIGMAMAのスタートを切れたと思います」

リアド偉武(Dr)「僕も『新しいな』っていう印象は凄いありますね。バンドを始めた時は元々、自分達が好きだったメロディックパンクやメロコアのバンドと似た音を出してたと思うし、自分達がやっていたライヴもそういうジャンルに近いものだったと思うんです。だけど、そこから少しずつ音楽性が広がっていって、『こういうこともやっていいんだな』っていうことに気づいたり、『もっとこういうことがやりたい』っていう意見がメンバーから出てくるようにもなったりして――それで、音の面では、5枚目のアルバム『君想う、故に我在り』で自分達の楽曲を突き詰め切ったと思うんですよ。それ以降にもう一度、自分達のライヴを見つめ直して『どうやって、人を熱狂させられるようなライヴをするか』っていうことを考えたんですね。そうして一周してきたところで、アグレッシヴさが前面に出てきた部分がありました。あと、自分の中では『一つひとつにこだわり過ぎないようにしよう』っていうことを決めたというか。今まで自分は、ドラムの音に関してはシンプルな音・リズムが好きだったから、パーカッションやデジタルな音が入ることを好まなかったんですけど、今回は運よく素敵なマニピュレーターと出会ったことで、自分達の音に新しいエッセンスを入れてもらうことができましたね」

■僕は最初に「このアルバム全体から緊張感を感じた」と言いましたけど、それは今ふたりが話してくれた、リズムやグルーヴがバッキバキなことが大きいよね。

リアド「今までとは違って、音の輪郭をはっきりさせました。長くバンドをやってきて、メンバーお互いのこともわかってきて。その中で、もっと緊張感を持ってやっていきたいと思ったし。その結果が、バキバキした強い音になって表れてきたと思うんです」

柿沼広也(G&Vo)「鹿野さんの『緊張感』って言葉に繋がると思うんですけど、今回は『冷静と情熱の間』というか、感情的にもいろんなバランスがとれている作品になったと思うんです。前作の『君想う、故に我在り』を作った時に、バンドとして綺麗な世界観を見せようっていうことをコンセプトにしていて、実際に大好きな作品ができたんですよ。だけど、それをライヴで生で表現してみるとなかなか伝わりづらいと感じることがあったり、言ってしまえば、もっとバンドとして評価されてもいいのにと思うことが多かったりして。そのフラストレーションは結構溜まってしまったんです。だからその苛立ちを次に作った『Roclassick2』に健全に出せたと思うし、それによって勢いがあって凄くいいアルバムになったと思うんですけど、振り返ってみると、とても肩に力が入っていたなぁと感じたんです。そういうことを経て作った今回の『The Vanishing Bride』では、今話したような想いも全部とっ払って、素直に曲も作れたし、素直にプレイできた感じがしましたね」

東出真緒(Vn)「私はこの1年、自分のやりたいことやみんなのやりたいことが、今までになく凄くスムーズに進んでいった印象があって。思い返すと、今まではレコーディングの前日、当日まで思い悩んだりすることもあったと思うんですけど、今回は、みんながみんなのことを理解している感じが凄くあったんです。私はウワモノなので、今までは自分の音を入れる時に、遠慮しながらやってるところがあったんですよ。だけど今回は遠慮なくやれたし、『これがいいと思うんだ』っていうことを素直にやったらそれがマッチしていたっていうことも多くて。以前『Roclassick』を出した後に『君がまたブラウスのボタンを留めるまで』でステップアップした感じと、『Roclassick2』を出した後にこの『The Vanishing Bride』でステップアップできた感じが、自分の中でとてもリンクしてるんですよ」

(中略)

 

2001-2005

バンド紀元前

 

■では、この作品に至るまでのBIGMAMAの歴史を紐解いていきたいと思います。バンドの始まり自体は2001年なんですよね?

金井政人(Vo&G)「高校1年生の時に高校1年生の時に、今のTOTALFATのメンバーが学祭でライヴしていたのを観て、俺とリアドが『何か楽器やりたいね』って言って楽器を始めたんですよ」

リアド「僕と金井は高校に入ってからは帰宅部で宙ぶらりんになっていたので、帰宅部なりに『楽器をやったら面白そうだよね』って思って」

■そのパンキッシュなゆずのふたりが、どうやってバンドになっていったの?

金井「2002年……高校2年生の時に、僕と柿沼と安井が同じクラスになって。2003年にかけてBIGMAMAっていう名前で自分達の曲を作り始めたんですよ。だから、バンドの始まりでいうと、2002年が出発点で」

リアド「でも、2001年の時点で金井と安井はバンドで学園祭に出てたよね?」

■その時には金井と安井くんで組んでたんだ?

リアド「やってましたね。それが伝説のバンドで――」

東出「なんていうバンド名でしたっけ?(笑)」

リアド「『気持ち』」

■あはははははははは!

金井「『世の中で一番大切なものはなんですか?』って言って、『気持ちでしょ、気持ち!』って――それがバンド名になるという(笑)」

(続きは本誌をチェック!

text by 鹿野 淳

『MUSICA3月号 Vol.95』