Posted on 2015.02.17 by MUSICA編集部

MAN WITH A MISSION、2015年は何処へ向かうのか。
オオカミ達が新章突入を吠える!

時代ノ瞬間ヲ切リ取ッテイル音楽デモ、
一番ブレテハイケナイ「バンドノ芯」トイウモノガアルトイウコト。
ソノ芯ヲ一貫シテ熱イモノデアリ続ケサセルコトガデキレバ、
ロックバンドハ大丈夫ナンジャナイカッテイウ実感ハアリマシタネ

『MUSICA 3月号 Vol.95』P.62より掲載

 

■『Tales of Purefly』以降、初のシングルとなりますけど、今回表題曲の“Seven Deadly Sins”と“Dive”の2曲に関してはドン・ギルモアをプロデュースに迎えて制作を行ってらっしゃって。

「イェス! 外国人ノプロデューサートイウ方ヲオ迎エシテ制作ニ挑ンダノハ非常ニ新シイ刺激ヲ受ケタ制作デシタネ。レコーディングノプロデュースダケデハナク、楽曲制作ノ時点カラ彼ニ入ッテモラッテ。本当ニ楽曲ソノモノ、歌詞ソノモノニツイテ細カク話シ合イナガラ作ッテイクコトガデキタノデスガ、ソウイウ外部カラノ刺激ニヨッテ、自分達ノ楽曲ノ中カラ新シイ側面ヲ切リ開クコトガデキタナ、トイウ手応エヲ感ジテオリマス」

■『Tales of Purefly』はコンセプトアルバムという形態のみならず、これまで以上にオオカミ達の音楽的なバックグラウンドを盛り込んだという意味でも非常に大作だったし、挑戦的な作品だったと思うんです。あの作品を作り、メッセージ含めてより自分達の業の強いものをお客さんに届けていくツアーをやり遂げた後、そもそもその次の一手として、今回はどういうイメージや志を持って取り組もうと考えていたんですか?

「『Tales of Purefly』ヲ作ッタ時ニ、ソレコソ――(はい、恒例ですが、ここからはジャンケンの言葉を滑らかな日本語へと翻訳してお送りいたします)――自分達の音楽のバックグラウンドをこれでもか!というぐらい惜しみなく出したつもりでいましたし、かつ、コンセプトアルバムにすることで芯の定まった作品にでき上がったので、そういった意味では我々としましてはもの凄く満足したんですね。ただ、別に反省してるわけではないんですけど、結構詰め込んだ作品になったなということもありまして」

■はい、ほんとに濃密なアルバムでしたよね。

「イェス、非常に濃密だったと思うので、次はもっとダイレクトな、凄くシンプルなものをもう一度やってみようかなという考えはありましたね」

■MWAMでいうダイレクトなものって、ダンス性やラウドなダイナミクスでフィジカルに訴えかける方向性と、心に真っ直ぐに歌を届けるエモーショナルな方向性と両方あると思うんですけど、そこはどういう?

「フィジカルな部分でダイレクトにするというよりは、聴こえ方そのものですかね。楽曲そのものがダイレクトに伝わると言いますか。今までの楽曲ももちろん伝えるために書いてきたものだったんですけど、今回はその伝え方や手法の部分、つまりちょっとしたアレンジだったりアプローチだったりを見直すことで、楽曲本来のメッセージが解像度のいい状態で伝わるものを目指しました。で、そこはドン・ギルモアと組むことによって――彼のプロデュース手法はそこにかなり特化したものだったので、凄くいい具合に化学反応できたのかなと思います」

■オオカミのみなさんは音楽に対して非常に深い愛と深い業を持っていらっしゃるということは前作ではっきりと明示されているわけですが、そういう自分達の業や嗜好をベースにしながらも今のオーディエンスの感覚や今の時代の臨場感を非常に巧みかつ緻密に楽曲に取り入れてきたことが、MWAMを今の状況に押し上げたひとつの要因でもあると思うんです。ただ、『Tales of Purefly』を作ったことで、以前よりもそこから自由に解き放たれているような、より大きな音楽というところへ向かっている――その第一歩がこのシングルには刻まれているような気がしたんですが。

「ナルホド。その時代の臨場感を必ず体現した楽曲にしたいっていうことは今でも変わらないんですけどね。ただ、自分達が作っていく音楽が時代の臨場感を帯びたものであるべきだということと同時に、1世紀経っても2世紀経っても、時代を越えて愛されるものでありたい、そういう楽曲を作りたいっていう想いはより大きくなっていて。それは『Tales of Purefly』を作った時にもの凄く感じたところでもありました。今までの我々も、もちろん根っこでは普遍的なものを作ってきたつもりではありますが、手法だったりアプローチの仕方でかなり色濃く、いわゆる時代を切り取った何かを差し込んでいたところがあって。そういった手法はこれからも続けていきたいと思うんですけども、『Tales of Purefly』を作って自分達の根底に流れているものをもう一度見つめ直した時に、そして、それを発表していろんな方からの評価だったりお声をいただきました時に、こういったものって間違ってないんだなっていう確信を得ることができたんですよね。そのおかげで自由になったっていうのは、確かにあるかもしれないです」

(続きは本誌をチェック!

text by 有泉智子

『MUSICA3月号 Vol.95』