Posted on 2015.02.19 by MUSICA編集部

米津玄師×wowaka(ヒトリエ)、
新時代を切り拓くふたりの待望の対談が実現!

お互いに意識し合ってる感じは上げる作品からも感じたし。
メロと言葉の乗り方を大事にしようという意識が生まれたのは、
彼がきっかけだった(wowaka)

“ワールズエンド・ダンスホール”は引っくり返るぐらいの衝撃を受けて。
これは負けてらんないって思って、日夜考え尽くしてた記憶があります(米津)

『MUSICA 3月号 Vol.95』P.84より掲載

 

wowaka「ビックリするくらい久しぶりだよね」

米津玄師「もう2年ぐらい会ってなかったですよね」

■昔はそれこそ一緒にイベントをやったり、よく会ってたと思うんだけど。

米津「でもたぶん、よく会ってたっていうと語弊がありますよね。普通の感覚から言うと、そこまでは会ってない(笑)」

wowaka「はははは、確かに。でもイベントに同じサークルで出店したりもしたよね」

■トークイベントも一緒にやってましたよね?

wowaka「そんなこともありましたね(笑)」

米津「遠い昔のことのようだな(笑)」

wowaka「4年前とかじゃない?」

■『diorama』のリリースタイミングでもやってたはずだから、3年弱前くらい?

wowaka「そうか。あれが出た時にロフトプラスワンでイベントやったんだ(笑)」

■出会いはいつ頃、どんな形だったんですか?

wowaka「2009年にお互いVOCALOIDの曲をニコ動で発表し始めたんですよ。たぶん時期も同じぐらいだったんじゃないかな」

米津「うん、ほぼ同じでしたね」

wowaka「で、自分で曲をアップしていると、他の人が気になる時期が来るんですよ。それでいろいろ聴いてた時にすげぇいい曲があるな、やたら(再生回数が)伸びてる奴がいるなと思って意識し始めて。それが“WORLD’S END UMBRELLA”とか“Qualia”とかの時期、だから2009年の夏くらいかな。でも、実際にコンタクトを取ったのはもうちょっと後かな?」

米津「そうですね。で、たしか次の年の初めにボーマス(THE VOC@LOiD M@STER)で一緒になって。その前にTwitterでやり取りはしてたんですけど、会うのはその時が初めてで」

■米津くんがwowakaくんを知ったのはいつ?

津「僕も本当に同じタイミングですね。(2009年の)夏ぐらいに“裏表ラバーズ”が凄い伸び始めて、なんか凄い人がいるって話題になってて。そこで知りました。……伸び始める時期も一緒ぐらいでしたよね? たぶんwowakaさんのほうがちょっと早かったと思うんですけど」

wowaka「ハチくんのほうが早かったよ。『こいつムカつくな』って思ってたから凄い覚えてる(笑)」

米津「はははははは」

wowaka「羨ましかったから(笑)」

米津「やっぱり同期ってめちゃくちゃ気になるんですよ。ちょっと前の人は先輩みたいな感じで、凄いなとは思うけど気になる感じではなくて。でもwowakaさんはまったく同期なんで、かなり相互作用というか、触発されましたね」

wowaka「お互いに意識し合ってる感じは上げる作品からも感じたし。僕は一番最初に聴いた時からずっと、メロがとにかくいいなって思ってて。それは今も変わらずそうなんですけど。めちゃくちゃキャッチーなのにクセがあるというか、メロディを5秒聴いたら彼の曲だとわかるみたいな感じはずっと印象にあって。本当に凄いのがいるなって思ってましたね。自分はメロディ作るのが苦手なんですよ。だから、そういうところで意識してた部分は凄く大きいですね」

米津「wowakaさんの曲も凄いメロディがいいなって思いましたよ。僕はメロディが一番大事な人間で、メロディ至上主義みたいな感じで曲を作ってるんですよ。でもwowakaさんの曲はそれまでに聴いたことないメロディだったし、自分のキャパシティの中にまったくない音楽だったから『こんなのがあるんだ!』って感じで。リズムの取り方とかも凄い独特で……最初に聴いた時は後頭部ガンッて殴られた感じがするくらい衝撃だった」

■相手の楽曲が自分の作るモノにも影響して、フィードバックされたところもあったんですか?

米津「僕は凄くありましたね。あのリズムの取り方とか――wowakaさんの曲は凄い速い曲が多いじゃないですか。あのリズムや譜割は自分の中になかったものだから、自分なりに解釈して対向するにはどうしたらいいか凄く考えましたね。特に“ワールズエンド・ダンスホール”が――」

wowaka「なんかすげぇ褒められたよね(笑)」

米津「あれは引っくり返るぐらいの衝撃を受けて……」

(続きは本誌をチェック!

text by 有泉智子

『MUSICA3月号 Vol.95』