Posted on 2015.03.17 by MUSICA編集部

降谷建志、ソロ始動!!
新たな挑戦の真意に迫る最速第一声インタヴュー!!

放っといたらもう自分の器が定まってきちゃう時期に入ってるんだけど、
でも、アーティストとしてはまだ自分の器を決めたくないっていうか、
抗いたいっていう気持ちがすげぇある

『MUSICA 4月号 Vol.96』P.12より掲載

 

■では、ソロ第一声インタヴューを始めます。

「よろしくお願いしまーす」

■まさにこの雑誌の発売日、3月16日に、降谷建志名義でのソロ活動を始動させることが発表され、そして同時に“Swallow Dive”という曲がデジタルシングルとして配信されます。つまり第二のデビュー日ですね。

「そうっすね」

■“Swallow Dive”の他にもすでに5曲ほど聴かせていただいているんですが。最初に建志さんがソロをやるっていう話を聞いた時、一体どういう音楽性でどういう方向になるのかは、本当にいろんな可能性が考えられるなと思って楽しみにしてたんですけど。結論から言うと非常にど真ん中を来たな、という感触があって。

「うん、そうだね。ど真ん中って感じはわかる(笑)」

■「僕らのアンセム」満載だなぁと思いました。そこからもこのソロプロジェクトがサイドプロジェクトではない、コア向けではなく、ちゃんと音楽シーンに対して真っ向からご自分の音楽を放っていくものなんだっていうことが伝わってきたんですけど。そもそも何故、降谷建志名義でソロ作品をリリースしようと思ったんですか?

「名義についてはスタッフとも話して、Kjではなく降谷建志に落ち着いたんだけど。別枠感があっていいんじゃない?みたいな感じで。で、ソロをやるってことについては、Dragon Ashに関してはある程度バンドに対して『こうあろう』っていう条件をつけてやってるところがあるから。『このバンドはラウドバンドだからこうあろう』っていう美徳を握りしめて、その中でやってるから、振り幅や刺さるポイントは小さいけど、でもその分もの凄く強い光量が放てるっていうさ。だからそれはそれで楽しいし、もちろんやり甲斐も満足感も感じてはいるんだけど。ただ、ひとりの音楽家としてはそこから漏れていくものも多分にあるじゃない?」

■それは前からよく言ってましたよね。Dragonでは収まらない音楽性も自分の中にはあるっていう。

「うん。で、そういう部分は人のプロデュースやらせてもらうことで表現欲求を満たしたり、客演で誰かの作品に参加して違うものを歌うことによって、そっち側のアティテュードも表現できたりするんだけど、とはいえ、やっぱりそれだけでは収まらない表現欲求みたいなものもすげぇあって。……でもやっぱ、大きいのは、Dragonで去年ああいうことができたってことかな。バンドやってきた中で一番の窮地に凄くみんなで団結して、ほんとにバンド史上一番の団結を見せて、いいアルバム作って、自分達で素晴らしいと思えるようなツアーを周れたっていう、そこでの達成感だよね」

■馬場さんが急逝した後、『THE FACES』というアルバムに至るまでの過程とあのアルバム、そして初の武道館公演をファイナルに据えた昨年のツアーでの達成感はやっぱり大きなものだった、と。

「そう。そこである程度の終止符というかさ――別にDragonはあれで終わりじゃないし、やめる気もさらさらないけど、でもそれくらいの達成感があったのはデカかった。だからこそソロをやろうと思ったんだと思う」

■Dragonでひとつ達成したからこそ、音楽家としての自分をもう一度見つめたし、その可能性を出したいと思ったという。

「そうね。NHKに出たことも大きくてさ」

■ああ、大河ドラマに出演したこと?

「そう。あれはほんと、自分的にはもうマジでガクブル状態だったんだけど(笑)。だけど、今までじゃ絶対やらなかったようなことをやったドキドキっていうのがあってさ。俺、そういう経験が人より少ないんだよ。ほんと同じ人達と切磋琢磨しながらやっていくっていう生き方してるから。だけど、ああやってこれまでの自分が全然知らないところで、いろんな人達と一緒に何かを作り上げていくっていうのをやってみて、すげぇ緊張したけど毎日毎日面白くて。その感じも引き金にはなったのかなって思う。あとはやっぱり、年齢的なこともあるよね。こないだ36歳になったんだけど、30代後半になって……これくらいの歳になると、やっぱ好きなものも自分でわかってきちゃうじゃん。自分がこういうことに怒って、こういう人が好きでとか、あるいはこういう服買ってももう持ってるものと被るのに、やっぱり買っちゃってとかさ(笑)。そういう、放っといたらもう自分の器が定まってきちゃう時期に入ってるんだけど、でも、アーティストとしてはまだ自分の器を決めたくないっていうか、抗いたいっていう気持ちがすげぇあって。表現欲求もありがたいことに尽きないからさ、俺の場合は。そこだけはいつまで経っても枯渇しないから」

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text by 有泉智子

『MUSICA4月号 Vol.96』