Posted on 2015.03.17 by MUSICA編集部

ASIAN KUNG-FU GENERATION、
ナッシュビルの後藤正文を直撃取材!
久々の新曲でアジカンの新章が幕を開ける!

今ここでやらなきゃいけないことが凄くあるって思ってるから。
僕はここが正念場だと思ってるんですよ。
ひとりの人間として、ここで負けるわけにはいかない

『MUSICA 4月号 Vol.96』P.38より掲載

 

■ナッシュビルは今、朝の9時ということなんですが。今回は来るべきアルバムのミックスで渡米してるんですよね?

「そうなんです。今日もこの後11時からミックスをやります。で、もう今日の夜中3時にホテル出て帰るんですけど。それで日本に着いてそのままビデオの撮影っていう、地獄のスケジュールになってますね(苦笑)」

■当初の予定では、あとは日本で作業して、ミックスに関してはオンラインでやり取りして完成だという話を聞いてたんですけど。急遽行くことになったのはどうしてだったんですか?

「元々僕はずっと行きたいって言ってて。っていうのも、ソロアルバムのミックスを海外のエンジニアとやった時に、やっぱり直接やり取りしたほうが早いなと思って。それに今回のエンジニアは特にアナログ機材が多いから、元に戻すのがめちゃくちゃ大変なんですよ。っていうか、アナログだからどうしても人間的なブレが出るので、物理的に戻らない。だから、こっちに来てそのまま上げちゃうほうが絶対いいなと思って」

■ということは今日夜中3時までやって、一応アルバムのミックスは完了するっていう感じなんですか?

「いや、時間的に、どうしても3曲ぐらいは現地でチェックできないんだよね。そうするともう3日ないし2日いないといけないんだけど、それは厳しいんで帰ります(笑)。でも、重要な曲はここで仕上げる予定」

■なるほど。というわけで、アルバムもまもなく完成なわけですが、まずはシングルとして『Easter』が出ます。アジカンとしてはかなり久しぶりのシングル、それこそ2013年2月の『今を生きて』以来で。新曲という点で考えても昨年6月の“スタンダード”以来になるわけですよね。

「そうですね」

■今回の作品をFoo Fightersのスタジオで録ってきたっていうのがひとつのトピックになっていて、そのことも大きく関係してると思うんですが、“Easter / 復活祭”はとにかく今までにないぐらい骨太なロックサウンドが鳴った楽曲で。サウンド自体がもの凄くモノを言ってる曲だし、「ロックバンドの鳴り」をガツッと鳴らそうという気概と覚悟がきっちりと示された曲だなと思ったんですけど。ご自分ではどうですか?

「まず今回思っていたのは、ちゃんと自分達の好きな音楽の川下にいたいなっていうことと、プラス、その川はいろんな場所から湧き出たり、いろんな場所に分かれたりしていくのかもしれないけど、でもとにかく一番太い川、主流となっている川に浸かりにいこうっていう気持ちがあって」

■その主流って、つまりいわゆるロックバンドの王道性みたいな?

「そうですね。どうやって録ってるのかとか、どういう技術があるのかを知ることも含めて、自分達がその太い川に1回接続するというか、そこを味わっておく必要があるんじゃないかと思ったんですよね。そうじゃないと、たとえばこの先僕らが若い人に何かを渡すにしたって、渡せるものが少ないんじゃないかっていう気もして。で、『じゃあ本場に飛び込んでみよう!』っていうことだったんですけど。……そもそも、最初はデイヴ・グロールと一緒に作りたかったんだよね。デイヴにプロデュースしてもらおうと思って連絡したんですけど、ツアー中だから無理だと言われてしまって。でもその時に、『俺のスタジオを使ったらどうだ?』って言われて。『お前らだったらしっかりしたバンドだから、貸してやるよ』みたいな(笑)」

■おー、いい話だ。

「デイヴのスタジオ(Studio 606)ってほとんど貸し出してないんだけどね。でも、THE FUTURE TIMESの繋がりもあったし(2013年のRECORD STORE DAYの時の号でデイヴが表紙に登場)、レコード会社もソニーで繋がりがあったし、まぁこいつらは信用が置けるって判断だったんでしょうね。もちろん音源もチェックしてるとは思うけど(笑)。それでLAのスタジオで録ることが決まったんだけど、なんかやっぱり、そうなるとLAで録るなりの音楽をイメージするっていうか。デイヴのスタジオってSOUND CITY(数々のロック名盤を生み出したLAのスタジオ。2011年に閉鎖)の卓が入ってるんだよ。そうなるとNirvanaとか、俺達の好きなところで言ったらWeezerとか、あるいはまさにFoo Fightersとか、ああいうタッチのほうに(楽曲を)寄せていくのがいいのかなっていう意識が自然と働いたんだと思う」

(続きは本誌をチェック!

text by 有泉智子

『MUSICA4月号 Vol.96』