Posted on 2015.05.19 by MUSICA編集部

MAN WITH A MISSION、
Zebraheadとのコラボシングル『Out Of Control』
で再確認した己の衝動の原点と自らのロックの明日

「超エル/超エナイ」トカ物議ヲ醸ス方モイマスケド、
凄イ無意味ナ気ガシテテ。
ソウデハナク、ソノ音楽ガ精神的ナ拠リ処ニナッテ、
音楽ノ系譜トシテ引キ継イデイクコトノホウガ、
ヨッポド大切ナンジャナイカナト思イマス

『MUSICA 6月号 Vol.98』P.46より掲載

 

■紙資料に「狼vs縞馬!!食物連鎖の頂点を決める戦いが、今始まる…!!」っていう、もの凄いコピーがついてますけど(笑)。

「ソノコピー、ヤバイデスヨネ(笑)。マ、ドウ考エテモネ、肉食動物ト草食動物デスカラ、食物連鎖上ハ我々ノ勝チナンデスケド(笑)」

■確かに(笑)。どういった経緯で一緒に制作することになったんですか?

「昨年ノ12月ニ、私トカミカゼ・ボーイデ2~3週間ホドアメリカニ行ッテ、様々ナ海外ノアーティストヤプロデューサートソングライティングノセッションヲ行ウトイウ期間ガアッタンデスケド。デモ、Zebraheadハソノリストニハマッタク載ッテナカッタンデス。デ、オフ日ガ――」

――早速ですが毎度恒例、オオカミの片言日本語は活字にすると読みづらいので、僭越ながら滑らかな日本語へと翻訳してお届け致します!――

「――オフ日が何日かあったんですけど、Zebraheadと我々の共通の知人がオレンジカウンティに住んでおりまして、その方から『せっかくオフなんだし、よかったらZebraheadの連中と会ってみないか』という連絡をもらいまして。ちょうど彼らもスタジオでデモ作りをしていた時期だったので、だったら!と思い立ち、ビールを手みやげに訪ねたら案の定喜んでくれまして。『おー、ビール! お前ら最高にいいヤツらじゃねーか!』と」

■ははははは、ビールでシマウマを釣ったんだ!(笑)。

「イェス(笑)。それで即効打ち解けて『曲でも書く?』って感じになりまして。だから始まりはほんと、凄い軽いノリでしたね。で、その時カミカゼがまだやってなかったというか、やれてなかった曲を持ってたんで、『ちなみにこういうのがあんだけど』って言ったら『じゃあ早速それやってみようよ!』ってことで、スルスルと進んでいったという」

■なんか凄い始まりですねぇ。

「はい、もうなんとなくですよ(笑)」

■でも一番素敵なケースですね。そのカミカゼさんの曲っていうのは、割とこの完成形に近い状態のものだったんですか?

「いや、実際は“Out of Control”っていうタイトルとBメロのメロディしか決まってなくて、それ以外はリフのアイディアぐらいしかなかったです。あとはもう全部、せっかくコラボでやるんだから何もかもアイディアを持ち寄ってやろうということで、それこそ、まずアリが頭のパートを自分でラップで作って、僕も僕でアリが最初に出したものを受けてラップをして、で、ギターヴォーカルのマッティが突然メロディを入れて……みたいな感じで。タイトルからイメージされたものをベースに、後はそれぞれが出してきたものに触発されながら作っていった感じでしたね。特に歌い手のパートはそれぞれのアイディアをそのままぶち込んでます。本当にお互いのアイディアをポンポン出して即決していくような制作でしたね」

■予想以上にアリさんとジャンケンさんのラップが凄く近いなと感じて。それこそ油断するとどっちのラップかわからなくなるくらい(笑)。

「アー本当ですか? 確かに実際に聴いてみるとそうかもしれない(笑)。そこはやっぱり聴いてきた音楽が近いと言いますか、お互い、ラップスタイルに90年代のミクスチャーのテイストがふんだんに込められていると思うので。そういう類似性と言いますか、共通する部分はありますね」

■今までも10-FEET のTAKUMAさんをフィーチャリングした楽曲もありましたけど、でも最初の段階から完全に共作で作り上げる機会は――。

「初めてですね。我々としてはずっと聴いてきたアーティストのひとつなので、すげぇことだなって興奮しましたよ。ま、最初はあまりの気さくさにビックリしましたけど(笑)。その共通の知人を通して随分前から我々のことを知っててくれたみたいで、サマソニで僕らが初めてマリンステージに立たせていただいた時にZebraheadが観にきてくれていたらしいんです。で、その後もLAで我々がワンマンやった時も観に来てくれて、凄い気に入ってくれてたみたいで。でも実際に彼らと会って酒を飲み、曲を作ってみると、本当にPVのまんまの、めちゃくちゃ気さくだしめちゃくちゃオープンだし、10秒に1回は冗談言ってるしって感じの人達で。我々にしてみたらめちゃくちゃ大先輩のバンドなわけですけど、『よく来てくれた!』みたいな感じで、もの凄く楽しく和気藹々と楽しくできましたね」

■MWAMの楽曲って、ダイナミクスは決して失わないながらも、制作としては非常に緻密に組み立てていくタイプの楽曲が多いと思うんですけど。Zebraheadと一緒にラフにアイディアをぽんぽん入れながら作っていくという経験の中で、新しさだったり改めて気づいたことってありました?

「一番彼らとやって新鮮だったのは、とにかく決断が早いってことですね。アイディアを出す速度もそうなんですけど、それを実行に移す速度が凄く早くて――」

(続きは本誌をチェック!

text by 有泉智子

『MUSICA5月号 Vol.98』