星野 源、超待望のアルバム『YELLOW DANCER』発売決定!
レコーディング佳境の最中、
最速・最深の第一声インタヴュー敢行!
ブラックミュージックっ「ぽい」ものを作る意味は、俺はないなぁって凄く思う。
そうじゃなくて、ブラックフィーリングみたいなものをJ-POPに持っていく、
そのさじ加減は、俺にしかできないんだ!っていう、
それをやろうと決めて挑戦したんです。
「俺は日本人で、これは俺の音楽だ!」っていう、そういうアルバムになると思う
『MUSICA 11月号 Vol.103』P.16より掲載
(前半略)
■いよいよ新しいアルバムの発売が発表されました! 2013年の『Stranger』以来2年半ぶりとなる4枚目のフルアルバムで、タイトルが『YELLOW DANCER』と。このタイトルはもう決定なんですよね?
「うん。決定!」
■本当だったらこの表紙巻頭でアルバム完成をお祝いしたかったところなんですけど、今日10月1日現在まだレコーディングは続いていて――。
「そうなんです、あと少しで完成する予定」
■なので、今回はそのレコーディングの合間を縫ってこうしてお時間いただき、いち早く『YELLOW DANCER』に向けての第一声と、現状の途中経過をいろいろ聞いていければと思ってます。
「よろしくお願いします!……ふふ、途中経過を表紙で取り上げてもらうのって、きっと珍しいよね(笑)」
■まぁ多くはないかな(笑)。でも、アルバムはまだ完成してないけど、次々に届いてくる新曲がどれも本当に名曲揃いだから、ウチとしてはもう完全に盛り上がってて。今の段階でもう断言しちゃっていいと思うんだけど、これはよほどの間違いがない限り傑作アルバムになるとしか思えない!
「嬉しい!」
■特に、明後日(10月3日)から「めざましどようび」のテーマソングとして流れる新曲“Week End”が本っ当にヤバいなと思って、今から興奮が止まらないわけですよ。
「ははははははははは」
■Earth Wind & Fire(ディスコアンセム“September”は誰しも一度は聴いたことがあるだろう、全盛を極めた70年代から今も活動を続けるファンクバンド)の向こうを張るキレッキレのダンスナンバーでありながら、ちゃんと日本語の歌が乗っていて。これがお茶の間に普通に流れるとか、もう痛快でしかないっていう。
「これは本当にヤバいと思う。お茶の間で流れるのは俺も本当に楽しみ。しかも朝っていう時間帯もヤバい(笑)」
■“SUN”ができた時ももの凄い手応えがあったと思うんだけど、この“Week End”もあれに匹敵する手応えがあったんじゃないかと思うんですが、ご自分ではどうですか?
「ヤバいものができたなっていう手応えは、もちろんあって。でも、“Week End”に関しては、楽曲1曲としての価値っていうのももちろんあるんだけど、それよりもアルバムの中の一部っていう感覚のほうが自分では強くて。それが『めざましどようび』に出張している、みたいなイメージ。“SUN”の時は、『1曲で勝負!』っていう感じがしてたんだけど、でも“Week End”に関しては『アルバムの一部の強さみたいなものを担っている大事な曲』っていうか、そういう感じがしてるんですよね」
■…………なるほど。
「ん?」
■いや、この曲は本当に凄いと思うんですよ。こういう言い方もなんだけど、これだけファンキーでグルーヴィなダンストラックを作るのも凄いし、それがちゃんと日本語のポップソングになってるし。で、それだけのクオリティの曲を「アルバムの一部の強さ」と言えてしまうその感じが、次のアルバムのとんでもなさを物語ってる気がする。
「(笑)」
■確かに他のアルバム曲も聴かせてもらってるんだけど、どれも素晴らしい曲が並んでるし、タイプも様々だから納得ではあるんですけどね。
「もちろん“Week End”を作った時の熱量はやっぱり凄かったけど。ただ、あくまでもアルバムの構成の中の一部として作曲してるから。だから自分ではそういう印象かなぁ」
■ちなみに今回のアルバムは、全部で何曲入る予定なんですか?
「全14曲ですね」
■その内、これまでのシングルから“地獄でなぜ悪い”と“Crazy Crazy”と“桜の森”と“SUN”の4曲が入るっていうことは聞いていて。
「そうですね」
■で、さらに、現状新曲を4曲を聴かせてもらっています。それが“Snow Men”と“Week End”、そして“Friend Ship”、“夜”という曲なんですが。で、これでもまだ8曲なんだよね。あと6曲は今どういう状態なんですか?
「残り6曲のうち1曲がインストで、オケは全部できていて、歌を入れるだけっていう状態まで来てます」
■歌詞は?
「歌詞も1曲を除いて全部できてる」
■おおっ! ということはもうかなり見えてるんだ。
「うん。ただ、ドラマの撮影があるので、すぐに歌入れができないっていう状態ですね」
■実際、今はどうやって両立させてるの?
「今の時期はドラマのスケジュールが中心なので、それに合わせて大まかに予定を立てつつ、撮影スケジュールが大体2~3日前に確定するので、それからスタジオを取って、エンジニアさんのスケジュール調整して……みたいな感じで結構臨機応変にやってもらっていて」
■なるほど。星野さんの場合、自分で歌だけ歌えばあとはお任せでいいやってタイプのアーティストではないじゃないですか。それこそすべての音のプロデュースはもちろん、ミックスの細かい調整まで含め、音楽の隅々にまで自分の神経を張り巡らせながら作品を作り上げていくアーティストだから。そう考えると、その中でドラマとアルバム制作という、まったく異なる作業を平行してるのって本当に凄いバイタリティだなと思う。
「そっかぁ……なんか割とずっとそういうふうにやってるから、自分では普通なんだけど(笑)」
■ま、そうだよね(笑)。
「でも、今回は楽曲にしてもアルバム全体にしても、やっぱり今までと違う感じが凄くあって。自分の挑戦だったり、やりたいことが最初から割とハッキリしてるんですよね。で、それに向かって作っていくっていうやり方だったから、やりやすかったと言えばやりやすかったかもしれない。目指す音楽の容量が前より大きいから、大変は大変なんだけど。でも『Stranger』の時の大変さとは全然違ってて。あの時は、自分の範囲以上を目指すというか……」
■それまでの自分の上限を超える、自分の殻を破るっていうことを、ひとつ目標に置いていたところもありましたよね。
「うん、まさにそう。だから割と闇雲にやっていたというか、ムダなことが多かったというか(笑)。とにかく必死で、なんか『とにかく大変でいればいい!』みたいな、むしろ『もっと大変じゃないとダメ!』くらいの感じだった気がしていて(笑)」
(続きは本誌をチェック!)
text by有泉智子
『MUSICA11月号 Vol.103』