Posted on 2016.03.16 by MUSICA編集部

WANIMA、名古屋公演に初密着!
「ロック界の太陽」の熱き現場を超放熱レポート!

ピークに達した疲労、それでも絶やさなかった笑顔、
誤魔化すことなく、己を全力で曝け出したステージ――
「俺達の人生の歌」として昇り続ける太陽、
圧巻の軌跡と奇跡を描いた『Are You Coming? Tour』
終盤・名古屋追加公演に徹底密着!

『MUSICA 4月号 Vol.108』P.48より掲載

 

2月22日 名古屋・DIAMOND HALL

 

12時を過ぎた頃に到着すると、会場入り口にはすでに、WANIMAのグッズや、WANIMAの3人が身に着けているブランド「LEFLAH」を身に纏ったキッズが数十人集まっていた。話を聞けば、「メンバーの入りでワンチャン狙って、ライヴ観て、その後は出待ちしてワンチャン狙うんです。それでまた夜は街に出て、ライヴの後のメンバーに会えるかどうか、ワンチャン狙うんです!」と、キラキラした表情で話してくれる。ここでの「ワンチャン」が意味するのは「WANIMAメンバーとの対面」だが、KENTAが「男と女の夜のスパーリングのことです」と毎度説明してきた「ワンチャン」が、ここまで汎用性の高い言葉になっているとは。デビューから1年、『Are You Coming?』で一気にロックシーンのど真ん中に駆け上がったWANIMAだが、その存在自体が、もはやキッズの習慣にさえ寄り添うものになっている。

14時20分、予定より少し遅れてWANIMAが会場入り。前日も同じ会場でライヴをして、なおかつツアー全体がタフな日程のはずなのだが、表情は明るく笑顔も多い。今日も、疲れを微塵も感じさせない3人である。

……と思ったのだが、楽屋に入ったKENTAにここまでのツアーの感触を訊くと――。

KENTA「理由もよくわからないんですけど、昨日の夜中、いきなり39度くらいの熱が出て大変だったんですよ(笑)。でも、朝方ニンニク注射打ったら、一気に元気になったんで! だからもう、歌も全然平気です!」

と、ツアー終盤に入ったところで一気に疲労がのしかかってきたことを話してくれた。もちろんいつも通り全開の笑顔なのだが、声の方はというと少々掠れ気味で、やはり疲労の色は隠せない。

 そんな様子を見て気を遣い、楽屋の死角でしばらくコッソリと彼らをウォッチしようとしたのだが、KENTAのほうから次から次へと話を繰り出しては、楽しませてくれる。普段は人をイジる側のことが多いKENTAだが、どんなに照れ隠しをしようとも、彼の笑顔や行動には、周囲にいてくれる人への感謝や気配り、温かな真差しが垣間見える。そう思ったことを直接KENTAに伝えると、「いやいや、そんなことないっすよ~!」と、また太陽みたいな笑顔を見せてくれた。

15時。本当ならリハーサルを開始するはずの時間なのだが、楽屋ではまだまだ、今日のセットリストや曲間の展開を3人で話し合っている。

FUJI「“夏の面影”の前で一回暗転して、そこで俺が曲名を『ネクストソーング……“夏の面影”』ってアナウンスしたらバッとセンターに照明が当たって、そこにKO-SHINくんが立っててイントロ――みたいな感じはどう?」

KO-SHIN「……ミスれないね(笑)」

などなど、ライヴ展開に関してのアイディア交換が止むことがない。

KENTA「フルアルバムを出して、曲が増えたので。やっぱり、その日その日お客さんをどう楽しませるか、っていうのはさらに考えるようになりましたね。だから、セットリストも変えていきたいなって思うし、毎回違うことやりたいんですよ。ま、シンプルに言っちゃうと………………驚かせたい、ってことっすね」

FUJI「ホントにシンプルだな(笑)」

そんな中、会話には参加しつつもあくまでマイペースに過ごしているのがKO-SHINだ。KENTAとFUJIが語り合う横で、ゆっくりコーヒーを飲んだり、体を動かしたり。ライヴではなかなかKENTAに話させてもらえない・なおかつMCのオチにされることの多いKO-SHINだが、彼の持つ穏やかな空気は、間違いなく、WANIMAの音楽が湛える温かさの大きなピースだ。

■『Are You Coming?』で、自分達の状況がもの凄い熱狂を生んでいることが目に見える結果として跳ね返ってきたわけですけど、そのツアーを回っていて感じたこととか、何かありましたか。

KO-SHIN「ステージが大きくなればなるほど、やっぱりちゃんと曲を届けようっていうことを考えるようになってきました。……でも、前の大分の時に、実は僕も熱が出ちゃったんですよ(笑)。昨日の名古屋1日目はFUJIくんも体調を崩して、KENTAも高熱出して。こんなの初めてだったんですけど――でも、そんな大変な中でも、たくさん待っててくれるお客さん達が自分達を自分達らしくいさせてくれたんですよね」

そう話していると、制作スタッフがしびれを切らしたように楽屋にやってきて、「(セットリスト)もう決まったぁー!?(笑)」と、「まったく、お前らはしょうがねぇなあ」という表情で3人を急かし、15時20分、ようやくサウンドチェックとリハーサルがスタートした。

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text by矢島大地

『MUSICA4月号 Vol.108』