Posted on 2016.05.17 by MUSICA編集部

KEYTALK、2ヵ月連続シングルで攻勢へ!
バンドのメカニズムを解き明かす全員ソロインタヴュー

Interview with 首藤義勝――
原動力はコンプレックスが大きいかな。
小っちゃい時から運動が苦手だったり、背が低かったり……。
その分自分が胸を張ってできることがあって、
そこから音楽が楽しいっていう感情が芽生え始めました

『MUSICA 6月号 Vol.110』P.50より掲載

 

■首藤くんは、今までずっとシングルの表題曲を書いてきたじゃないですか。これって、ご自分としてはどういう感覚なんですか?

「その都度その都度どの曲を表題にしようか話し合って決めるので、今まではたまたま僕の曲になってたんですけど、そういう流れでずっと続いてきてて。そういう表題曲であったりアルバムのリードって、どうしても表舞台に出ていく曲なので。その分気合いも入るし、曲に対する思い入れも強くなりますね。KEYTALKは、一応全員が作詞作曲できるバンドって言ってるんで、これからもその都度しのぎ合いになっていくと思うんですけど……負けない曲を作りたいって思ってます。自分で言うのもあれなんですけど、ポップセンスみたいなのは自分の武器だと思っていて。そこは失いたくないなっていうのはありますね」

■今話したメロディとポップっていう部分って、和音というより音階――簡単に言うと、歌メロの話だよね。さらに言うと、首藤くんの曲の歌メロから聴こえてくるこのセンチメンタリズムは、KEYTALKのアンセムの最大の売りであり、その涙は楽曲をメイクアップさせてる最大の化粧品じゃないかと思うんですけど。

「そうですね。僕もセンチメンタルな部分は必ず織り交ぜていきたいと思っていて。ただ単純に和風なメロディというか、何個か音を抜いた音階みたいなシンプルなメロディってあるじゃないですか。それもキャッチーなメロディを作る上では必要だと思うんですけど、そこだけで終わりたくないんですよね。そこから自分らしさを織り交ぜるとしたら何かって言ったら、日本人の琴線に触れるようなセンチメンタルなメロディをつけ足していって、結果『義勝節』みたいなものを作っていきたいなって思ってて」

■今回の表題曲“HELLO WONDERLAND”は、その首藤くんのセンチメンタルなメロディが勢いよく出た曲だと思うんですよね。一方のシングル『MATSURI BAYASHI』のCW“boys & girls”に関しては、よりシンプルな構成によってさらにセンチメンタルな部分が前に出てきている曲なんですけど。

「そうですね。このタイミングで2作連続シングルを作るってなった時に、このふたつの曲を作れたのはよかったかなって思ってて。自分達が持ってる武器の両翼をどっちも見せれたかなって思います。勢いだけじゃないっていうか」

■具体的にどういう音楽から影響を受けたんですか?

「影響はやっぱり……僕、サザンオールスターズが凄い好きで」

■あ、首藤くんが桑田さんオタクだったんだ。去年(VIVA LA ROCKの)J-ROCK ANTHEMSの時に“勝手にシンドバッド”をカヴァーしてもらった時に、「任せてください、うちには桑田佳祐研究家がいますから」って言われてて。

「あ、その節はありがとうございました(笑)。あとThe Beatlesもそうですし、Carpentersとかユーミンとかもそうですね。親がそういう音楽を聴いてたっていうのもあって、子供の頃から無意識のうちに耳に馴染んでたんですよね。それが自然と自分の武器になって今アウトプットされてるんじゃないかなって思います」

■凄く合点がいくね。たとえば、桑田さんの作る曲とジョン(・レノン)とポール(・マッカートニー)が作る曲って、やっぱり重力があるし、根が暗いと思うんですよね。で、ユーミンとCarpentersの曲って、悲しみも含めて涼しげでドライなものに聴こえる。首藤くんの作る曲には、この両方の感覚がありますよね。

「なるほど、そこは自分では気づかないんですけど……でも、そういうところが出せてたらいいなとは思ってます。桑田さんの書かれる曲って、桑田さん自身が持ってるヒューマンスキルみたいなものも含めて、重力みたいなものが生まれてますよね。まだその域にはとてもじゃないけど達せてないんですけど、大御所の方のバンドのライヴとか観てると、出囃子が鳴って、ステージにメンバーが出てきた時に、すでに凄みみたいなものが出てるじゃないですか。まずバンドとしてそういうバンドを目指していきたいっていう目標もありつつ、書く曲も然りで、首藤義勝が書いたからこそ重みを感じるものにしたいっていうか……漠然としてますけど、そこが最終的に辿り着きたい目標だなと思っているんです」

(続きは本誌をチェック!

text by鹿野 淳

『MUSICA6月号 Vol.110』