Posted on 2016.10.18 by MUSICA編集部

ヤバイTシャツ屋さん、メジャーデビューと共に
処女アルバム『We love Tank-top』を投下!
確かな核心とメカニズムを徹底解剖

そもそも普段は、人の楽しませ方が
わからない、近くの人には優しくできないんですけど、
バンドやったらできるかな。
僕もステージの上やったらいっぱい喋るし

『MUSICA 11月号 Vol.115』P.80より掲載

 

■2回目のインタヴューになります。

「前回はわざわざ大阪までありがとうございました。びっくりしました」

■あれが去年の暮れで、その時のインタヴューを読んだら、「このバンドで食ってこうって気持ちはまったくない」と。「僕はちゃんと仕事をしてて映像を作ったりしてますんで、このスタンスでできるところまでやりたいなと思ってます。これ言うと『ナメとんのか! バンドに命賭けろや!』って先輩方から言われるんですけど、僕らが思う強みってここに命賭けてないからできるっていうラフな感じだから、何やってもいいっていうことだと思うんですよ」とおっしゃられてました。

「はい、おっしゃってました(笑)」

■記事にはしなかったけど、「いろんなところから話は来てるでしょ? どうするの?」って訊いたら「絶対どこへも行きません! 大人はまだ怖い」ってところから、半年後にはこの状況が決まったよね。この嘘つき。

「ひゃははははははははははは」

■どういう風の吹き回しだったんですか?

「面白くないっすか? ヤバイTシャツ屋さんがユニバーサル(外資大手メジャーレーベル)とBADASS(10-FEET所属のロック叩き上げ系事務所)という組み合わせに入るというのは、誰も予想できないじゃないですか」

■まずBADASSとはどういう経緯で繋がったの?

「ユニバーサルの人がEo Music Try(2015年度グランプリ)で優勝した後にライヴを観に来てくれはって、“メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲”とかやってたら『それって10-FEETのことやん』って言われたんで、『僕めちゃめちゃ10-FEETが好きなんです』って伝えたら『昔、10-FEETを担当してました』って教えてくれたんですよ。『今度BADASSの10-FEETのマネージャー連れていきます』って釣られてしまいまして、その後マネージャーさんと会って……『僕のところでやっていいですか?』と訊かれたので、『お願いします』と即答(笑)」

■完全に10-FEETオタクとして釣られてますが。ぶっちゃけ、自分の中でこうなればいいなぁとかいろんな未来予想図とかがあったんですか?

「たぶん、前の時点では『絶対どこへも行きません!』みたいなことを言ってましたけど、心のどこかではヤバTがこの感じのままメジャーへ行ったら面白いなってずっと思ってて、でもいい巡り合わせがなかったら別に特にこのままでもインディーズの今のままでやっていってもいいかなっていう、凄く半々な状態だったんですよ。で、ユニバーサルの担当の人がいるんですけど結構狂ってる感じの人やって。何を言っても『いいよ、いいよ』っていう感じで、今も何を言っても『いいよ、いいよ』って感じで。『こんなんでいいんや』って、お金出してくれてんのに……」

■要求度が低いことしかまだ言ってないから聞いてくれるのでは。

「そうっすかね? でも、僕らだけやったら絶対できひんようなこともお金出してくれてできるのが強いなって思って。勝手なイメージですけど、メジャーに行ったらレコーディングの時とか『ここ、こうしたらアカン』とか『ここはこうしたほうがええんちゃう?』とか言われるもんやと思ってたんですけど、なんにも言われへんくて。逆にこっちが心配になるくらいほったらかしにされてたら思った通りのものができたっていう。DQNとか大麻とかレッドブルって言葉も本当はダメっぽいんですけど確認して使えるようにしてもらったりとか。今のところメジャーにきて正解やったなと思ってます」

(続きは本誌をチェック!

text by鹿野 淳

『MUSICA11月号 Vol.115』