Posted on 2017.03.16 by MUSICA編集部

04 Limited Sazabys、初の日本武道館公演。
完全レポートと全員インタヴューで、
その胸中と新たな野望に迫る

「リスナー」でも「ファン」でもなく、
同じ熱と同じ衝動をその胸に宿した「仲間」を増やし続けてきた
フォーリミだからこそ描き出せた、
体の奥底から突き上がる興奮が、熱狂が、そして感動が、
眩いばかりの自由と共に溢れ返った、
これぞまさにライヴハウス武道館たるあの光景――
後日インタヴューと共に、初の武道館公演を振り返る

『MUSICA 4月号 Vol.120』P.50より掲載

 

(前半略)

■飾ることないバンドの姿と楽曲が生き生きと躍動する、素晴らしいライヴでした。まずはそれぞれの実感から教えてください。

GEN「なんか、あんまりゴール感なくやれたんでよかったなと思います」

■それ最近みんな言うけど、武道館がゴールになってしまう怖さって凄くあるんですか?

GEN「ありましたね。お客さんも燃え尽きちゃうんじゃないかっていう気がして(笑)」

KOUHEI「最近みんな武道館やるじゃないですか。昔はやっぱりほんのひと握りの人しか立てないような場所だった気がするんですけど、今は割とフェスに出てるようなアーティストだったらたってもおかしくない場所になってるとこがあって。だから武道館やってもまだまだ次があるんだなってところを見せなきゃいけないし」

■ただ武道館をやり切るのではなく、そこでその先を感じさせるライヴができなければある意味負けだという感覚は、この世代は結構持ってるよね。

KOUHEI「まぁ当日はそこまで力入ってる感じも緊張してる感じもなかったんですけど、翌日みんな筋肉痛になって(笑)。ってことは、やっぱ気が張ってたり、力が入ってたんだなっていうのは思いましたね。でも次の日から普段と何も変わらず仕事入ってたんで、気持ち的には大きくなったかもしれないですけど、さらにまた次を見なきゃみたいな感じになれてたんで、僕ら的にはいい通過点にできたのかなって思いました」

■当日のライヴはどうでした?

KOUHEI「やってる最中は大丈夫かな?みたいな、ちょっと不安なところがあったんですけど」

GEN「いつものライヴハウスに比べると音が広がって、締まってない感じに聴こえたので結構やりにくかったんですよ。僕ら楽曲も速いしドラムも細かいんで、これ、ちゃんと伝わってるかな?って思いながらやってたところがあったんですよね」

KOUHEI「でも、3日後くらいに録音したライン音源を聴いた時に、『あ、思いのほかできてるな』と思えて、そこでようやく安心したっていうか(笑)。でも完璧じゃなかったんで、それも踏まえて通過点になったのかな。また武道館でやりたいと思えたし、その時は絶対に今回のライヴを超えていかなきゃいけないと思ったので。そう思えたのが一番大きかったかもしれないです」

HIROKAZ「会場入りするまでは凄いデカいのかなって想像してハードル上がってたんですけど、フェスで大きいステージに出させてもらってたこともあって、リハの時にこれは見たことある感じだな、イケるなと思って。それでいつも通りできたと思います。ただ、自分達はいつも通りだったけど、周りの雰囲気がもの凄くおめでとうっていう感じだったので、やっぱ凄いとこなんだなと思って(笑)。まぁ僕ら自身はまたすぐにYON FESがあるんで、終わった後はそこに向けてシフトチェンジしてるんですけど。逆に、YON FESがあるからゴールじゃない感じにもなったと思います」

RYU-TA「僕も緊張しなかったですね。紗幕が落ちる前まではちょっとドキドキはしてたんですけど、“monolith”で紗幕が落ちてお客さんの顔を見て、これはテンション上がってきたなと思って。だから凄くやりやすかったです。フェスとかで大勢の前でやるってことが凄く気持ちよくなったので、それが武道館でも気負いなくできたことに繋がってたのかなと。でもやっぱり、ワンマンであの大きさでできたのは自信にはなりましたね」

■GENくん自身はライヴはどうだったの?

GEN「まあ、普通よりちょっといいぐらいです。75点ぐらいですかね(笑)。悪くないライヴなんですけど、『今日はカマしたなぁ!』っていうライヴでは全然なくて……でも、それもよかったなっていう感じですね。逆にあそこでオリンピック決勝戦、世界新記録とか出しちゃってたら、僕ら的にも『あー、やり切った!』みたいな気持ちになってたかもしれないし。でも、もっとできたなっていう気持ちがあったんで、またやりたいなっていう気持ちにもなりましたし――」

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text by有泉智子

『MUSICA4月号 Vol.120』