Posted on 2017.04.16 by MUSICA編集部

休日課長が結成した新バンド・DADARAY初インタヴュー。
川谷絵音も招き、休止明け第一声も交えながら、
処女作『DADAISM』とバンドのメカニズムを紐解く

以前は取材を常に受けていることが
普通だったのですごく久々のインタヴューなんですが、感慨深いですね
こうやって音楽のことを話せる機会があるのは
普通のことじゃないなと。嬉しく思います(川谷)

『MUSICA 5月号 Vol.121』P.46より掲載

 

■まずこれは新しいバンドの初インタヴューなんですよね。

一同「(頷く)」

■と共に、川谷絵音の久しぶりのインタヴューでもあります。現実的にその意味合いが強いことはおわかりでしょう。それに対して、絵音くん、まず一言お願いします。

川谷絵音「以前は取材を常に受けていることが普通だったので凄く久々のインタヴューなんですが、感慨深いですね。こうやって音楽のことを話せる機会があるのは普通のことじゃないなと。嬉しく思います」

■そもそも、ここに絵音くんがいるのはどういうポジションとしてなの?

川谷「わかりやすいのはプロデューサーという言い方なんですけど、あんまりプロデューサーという感じでもないかもしれないんですよね………元々僕は自分で歌いたくないというタイプだったから」

■職業作曲家になりたかったという話は何回もしているけど。

川谷「そうそう。だからこのプロジェクトのほうがニュートラルな感じというか。バンドをふたつバーっとやってる状態よりも、DADARAYのほうが自分的にはニュートラルというか、自然な感覚があるんですよね。だから立ち位置が云々というよりは、凄く自然に曲を作ってるというか。……DADARAYって、もちろんバンドなんですけど、入り方はバンドっぽくない形で始まってるものなんですよね」

■それはどういう意味合いで?

川谷「幼馴染で組んでますとか、最初のきっかけはそういうことではないっていう。まぁ課長とかえつこはずっと一緒にやってるから、そういう側面もあるといえばあるんだけど。外から見たらきっと凄く企画ものっぽい感じに見えるのかもしれないけど、活動を始めて時間が経ってきて、ライヴも1回しかやってないけどやってみて、凄くバンドっぽくなってきてると思います」

■このプロジェクトは、課長が結成したものなんだよね?

休日課長「まぁそう言うと恐れ多いんですけど(笑)、自分の人生の中で自分がバンドのリーダーになるとは思わなかったもので、そこはひとつ頑張って見ようかと思いまして。やっぱり川谷が作る楽曲をやりたいっていう気持ちは凄く強いし、REISの声に関しても、川谷の書く考えさせる歌詞を表現できる声だと思うし。で、えつこもコーラスワークも素晴らしいし、実はかなりのマルチプレイヤーなんで」

川谷「まぁえつこも単なるコーラスというわけではなく、結構歌ってるんだけどね(笑)」

課長「だからこのメンバーで組んで川谷の曲をやったら絶対に楽しいだろうなっていうのがあったんですよね。で、ゲスもあるし、変則的なバンドであればあるほど面白いと思ったし、川谷の曲も活きてくるんじゃないかなと思って。まぁ元々、自分自身が女性ヴォーカルのバンドでベース弾きたいっていう憧れも凄くあったんで」

■それは昔から?

課長「そうです、女性ヴォーカル大好きです」

川谷「大学で軽音部で会った時も、課長は可愛い女の子とバンド組みたかっただけだと思うんですけど、大体女性ヴォーカルのバンドでベース弾いてたんですよ。だって、俺と一緒にレミオロメン(のコピーを)やった時、男性ヴォーカルとやったのめっちゃ久しぶりだったでしょ?」

課長「そうそう、めっちゃ久しぶりだった。それくらい、そもそも女性ヴォーカルが好きなんですよね」

■それはそもそもリスナーとして女性ヴォーカルが好きなの?

課長「というか、どっちかと言うと、女性ヴォーカルでベースを弾くっていうのが好きなんですよね。女性の声の後ろでベース弾くっていうのが凄く気持ちいいんですよ。ただ、女性と一緒に暮らすとかはちょっと……」

■そこは聞いてないです。

川谷「だから俺もニュートラルだし、課長のことを昔から知ってる俺から見ると、課長も凄くニュートラルだと思うんですよ」

■そもそもDADARAY結成に至った経緯としては、絵音くんがREISさんを見つけたのが大きいの?

川谷「そうですね。元々ヴォイトレの先生が一緒だったんですよ。ヴォイトレって前後の人と入れ違いで会うから、その時にお互いに挨拶する感じがあって。結構そこで出会いがあったりするんですよね。で、REISに関しては先生からも凄くいいよって言われて、(彼女の作品を)聴いてみたら声が凄くよくて。最近いろいろ聴いても声にあんまりピンと来ないのが多かったんですけど、REISは凄く声がよかったので、自分の曲を歌ってくれたらどうなるんだろう?っていうところに凄く興味があったんですよね。……久々に外に目を向ける時間があったので、目を向けて見たら凄く近いところにREISがいたっていう感じです」

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text by鹿野 淳

『MUSICA5月号 Vol.121』