Posted on 2017.05.17 by MUSICA編集部

4度目の開催を迎えたVIVA LA ROCK大特集!!
ロックフェスとしての意義と自由を体現した
熱狂の3日間をドキュメントで振り返る!

最高の熱狂と歓喜が溢れた、最高に幸福な3日間をありがとう!!!
すべての参加者と出演者、そしてすべての音楽ファンに
心からの感謝と愛とリスペクトを込めて、ビバラ大特集を贈ります!

MUSICA 6月号 Vol.122Special Book in Bookより掲載

 

 大切なことほど、その本質が自分にとって大きくなり過ぎてわからなくなるということは多いですが、VIVA LA ROCKもまさにそういったフェスで、4度目となる今回も1年間、このフェスに振り回されてきました。

 このフェスはだいたいSWEET LOVE SHOWERが終わった辺り、つまり夏休みの最後の週辺りから具体的なイメージを浮かべ、9月の中旬頃にブッキングを始めます。まずはそこまでの間で具体的に出演に関しての話をした方、前回のブッキングの時に次にという話がどちらかから出た方にファーストオファーをします。そして次に、出演してもらうニューカマーの方々を探します。

 これは確信を持った上での推測なのですが、ビバラはロックフェスとして、一番ニューカマーの出演数が多いフェスだと思います。それはこのフェスのメディア性と物語性としてとても重要なものなのですが、今回も早い時期にD.A.N.yahyelに出演オファーをし、出演してもらうことになりました。そこで、このことは今回のビバラの重要なポイントになるなと思ったんです。つまりは「いわゆる邦楽フェスに出演し難いバンドやアーティストが、どう機能してゆくフェスにするのか?」ということです。このMUSICAの中ではいたって普通に登場し、シーンのキーを握っているバンドとして記事を作っていますが、いざフェスとして考えると、いわゆるフェスシーンという場所に彼らの居場所はあるのか? ただただ出演してもらうだけで、彼らのライヴがビバラで盛り上がるのか?という余計なお世話が始まったのです。

 そこでいろいろ見渡したところ、フェスシーンというのがあるらしいということを今更ながら知りました。その中にはMUSICAでも大活躍しているバンドもいますが、僕はその「フェス系ロック」という言葉自体にフェス側として違和感を感じたのです。「フェスってジャンルを定める場所なのかな?」、「いや。フェスってジャンルではない、現場で自分の好きな音楽を見つけるための発見や体験の場所なのではないか?」――そこでロックフェスであり続けるために、フェスシーンという壁を超えて、しかもフェス的であるフェスを作ろうという、なんだか今こうやって書いてもよくわからない信念の下に、ブッキングが進みました。

 年末になるとブッキングはまだ全部終わっていませんが、日割り別の出演アーティストを発表することになります。そこで前述したことをさらに熟考した結果、3日間、それぞれの日の「色」を明確に出そうと思いました。その結果、3日は「この5年間の中で階段を駆け上がり続けた若手のバンドが多く出演する日」。4日は「これまた前述したD.A.N.やyahyelのようなバンドも楽しみながら、所謂音楽フェスを避けて通りがちな音楽ファンの人も楽しめるフェスとしてのビバラを確立したい日」。そして5日は「パンクやロックバンドとしての独自性を持ち続けながら活動しているバンド勢が芯となり、そういうバンドをリスペクトしている気鋭のバンドも集まる日」。こう分かれていったのです。

 

(続きは本誌をチェック!

text by鹿野 淳

『MUSICA6月号 Vol.122』