Posted on 2017.05.19 by MUSICA編集部

スガ シカオ本人主催の「スガフェス!」、大成功!
未曽有のヴァラエティを誇るイベントの意義を振り返る

独立したころは、こんなことできるなんて夢にも思わなかった。
ゴールだとは思ってないけど、よくぞこの通過点を超えられたなって。
そういう意味では、「俺らもこんなフェスができたら最高だな」
っていう目標にはなれた気はしてます

『MUSICA 6月号 Vol.122』P.81より掲載

 

「いやぁ~、ほんと一瞬で終わっちゃいましたね」

■本当にあっという間だったでしょ。

「そうですね。朝8時に入って、リハが始まって、『これ、いよいよ本当に来るなぁ!』って思って。13時(開演時間)ピッタリに『来たぁー!』って思ったら、次はもう終わってた(笑)」

■実感があるっていうより、よくわからないまま終わった感じなんだ。

「そうだなぁ。もっと起こってることを楽しみたかったんだけど、結局鹿野さん自慢の楽屋ご飯も食べられず、ウイダーinゼリーを3本摂っただけで(笑)。あとはずっと何かに追われて――それで、気づいたら終わっちゃってたんだけど」

■出演者のみんなは、ちゃんとバックエリアのご飯楽しんでたから大丈夫。

「あ、ほんと? それはよかったです。俺は全然時間なかったからさ……第1部はそれぞれのバンドに1曲だけ参加だったから、その間に、館内を見て回ったり、変装してけやき広場に行ったり、LEDの大画面を確認しに行ったりしようと思ってたんです(笑)。でも結局、それも全然できなくて。楽屋にはテレビがあったので、それでみんなのライヴは全部観たんですけど。でも、外には1回も出られなかったなぁ」

■フードコートには「かけすぎガール」もいたのにね。「かけすぎガール」は、他ならぬスガさんのための企画だったし、メイド服わざわざ着てもらったのもあなたの癖だからね。

「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」

■スガシカオかけすぎ部を究極にヴァージョンアップさせた、ネギや粉チーズや紅ショウガをかけすぎるブース。あれ、大行列だったよ。

「そうそう! 『かけすぎガール』も結局、オーディションの時に写真見ただけですもん。メイド服まで自分で指定したにもかかわらずねぇ(笑)。なんか、並んでたみんなブーブー言ってたみたいですね。『かけすぎガール、いつまで待たせんだ!』って!(笑)。それも楽しかったですよね」

■かけすぎガールも数に限りがあるからね(笑)。じゃあ今は、その楽しかったスガフェス!・ロスみたいになってるんですか。

「それがね、ロスになってないんですよ。……なんか、明日もスガフェス!があるんじゃないかな?みたいな。『いつでも大丈夫だぞ!』みたいな緊張状態がずっと続いてて(笑)。ずっと『本番くるぞ、くるぞ』みたいな精神状態が続いてたじゃないですか。そしたら、スガフェス!が終わってもまだそれが残ってて。だって今日もね、カバンに意味もなく譜面が入ってたりしたんですよ。いきなりUNISONSQUARE GARDEN)の譜面が出てきて、『いや、もうこれいいから!』みたいな(笑)」

■ははははは! シュガーソング・アゲイン!みたいなね。でも言ってみれば、そんなに気持ちが持続してしまうくらいの充実した経験値を得たっていうことだと思うんですけど。

「本当にそうですね。楽しかったし、お客さんも凄くよかったですねー」

■あんなに、ご自分のお客さんをリスペクトという意味で感動させられたことはなかったんじゃないですか?

「そうですねぇ。……俺、ミスチルのライヴが始まった時に『あれ、ミスチルのお客さんばっかじゃん!』『大丈夫かな、俺のステージ』って思ったの。それで水樹奈々ちゃんの時にも、あまりの盛り上がりに『水樹奈々ちゃんのお客さんばっかじゃん!』って思って(笑)。さらにはポルノグラフィティの時にも、会場中のタオル回を見て『全部ポルノのファンじゃん!』って思ったわけですよ。だけどそれは、『誰のファンが多い』っていうことじゃなく、ちゃんと音楽を楽しめるお客さんが集結してたっていうことなんですよね。だから俺のステージが始まった時も、最初から既に『俺たちファンクファイヤー状態』になってて。それプラス、『おめでとうビーム』が2万人からブワーッと来て……それにひたすら感動してしまいましたね」

■お客さんがみんな「何をすべきか」っていうことをわかってたよね。「これは音楽祭なんだ」っていうこと、「自分達はシカオちゃんを祝うんだ」っていうこと。そのふたつのお客のエネルギー設定が絶妙だった。

「そうそう。で、それはアーティスト側もそうで。みんな、このフェスのためにリハをやってくれて、何故このフェスに呼ばれたのかっていうことを考えながらセットリストとかいろんなことを組んでくれてさ。リハーサルも練習も全部に行ったんですけど、みんな忙しいのにリハーサルの時間をとってくれて、スタッフも集めて一緒にやってもらって――最初はちょっと申し訳なくもあったんだけど、いざ本番をやってみて思ったのは、それも含めてスガフェス!を受けてくれたんだなあっていうことで。それが感動的でしたね」

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text by鹿野 淳

『MUSICA6月号 Vol.122』