Posted on 2018.01.19 by MUSICA編集部

全国を行脚した「SKY-HI Round A Ground 2017」、
フィナーレとなった豊洲PIT2デイズレポートと共に、
2017年を振り返り、野心と確信を語るインタヴューを掲載

LAでブルーノ・マーズのライヴを観たんですけど、
歌もダンスも圧倒的で。でも、自分がそこに行けないか?って言われたら、
行けないことはないって感じられた。そんな頂が具体的に見れたから、
LAでのライヴも自信にしかならなかったんです

『MUSICA 2月号 Vol.130』より引用

 

 12月11日、12日、今年も豊洲PITで「SKY-HI Round A Ground」のツアーファイナルが開催された。これは各地それぞれバンドやアーティストに出演してもらうSKY-HIの対バン形式のライヴハウスツアーであり、そのファイナルが去年同様、豊洲PITで行われたのだ。

 去年は初日にUVERworld、2日目にクリープハイプが出演したが、今年は初日にリアクション ザ ブッタ、ビッケブランカ、Czecho No Republicが出演し、2日目はSALU、JP THE WAVY、RAU DEF、KEN THE 390、TARO SOUL、サイプレス上野、T-Pablowが大挙して押しかけるという彼の音楽と人生の交流が丸裸になるコンセプトとなった。言うなれば、初日はロック&ポップ、2日目はラップ&ヒップホップという、彼の中にある音楽性のクロニクルがしっかりと伝わるものになったと言えよう。今回はその2日間のレポートと、その後のクリスマス前に行った、このライヴの中で象徴的だった日高の本質を振り返り、2018年にやるべきこととやりたいことが何なのか?を確認するインタヴューをお届けする。

 (中略)

 ■今回のタイマンツアーが本当に感動したのね。出会って約2年くらい経つんですけど、本当に今までで一番カッコよかったんです。

「嬉しいですねぇ!」

■この気持ちになるまでの僕のドキュメントがあって。リハーサルを見せていただいた時に、他のラッパーに比べてあなたが優等生に見えたから「日高、大丈夫かな」と思ってしまいました。そしたら本番がまったく違って。たぶんあなたはリハーサルと本番、両方を100でいったと思うし、もしかしたら本番は130になったのかもしれないんですけど、要するに、リハーサルで優等生に見えてしまった自分が浅はかなんだなって思って。どういうことかって言うと、あなたは常にパーフェクトなんですよ。

「あら!?」

■それこそ韓国の人達がアメリカで日本人より勝ってるのって、よくも悪くもパーフェクトだからじゃん、スキルも社交性も芸能人っぷりも。それがアメリカのミュージックエンターテイメントのハードルやクオリティとシンクロして受け入れられてる気がしていて。で、日高だったら、AAAでやっているシビアさが血と肉となっていること含めて、日本人なりのラップ、絶妙な批評精神によるソウルミュージックに対する客観性も入れていくと、他の日本人とは違う形で勝っていけるチャンスがあるんじゃないかなって思ったんです。

「本当に嬉しいです。僕の想いも結構そんな感じです。パーフェクトってことへの言い換えになるかもしれないんですけど、エンターテイメントって『上手い』が正義じゃないっていうか。リズムとかが正確なことが正義じゃないのがスタートで、それこそトラップのラッパーなんてライヴじゃほぼ歌わないし、曲かけて上でシャウトするみたいな、それがエンターテイメントとして、ドラッグミュージックとして正解っていう感じだと思うんですけど、俺の場合は日本でやる時はフィルターかかった状態で見られることが多いから、上手いっていうのは必要必須最低条項だったんですね。『上手くて、その上で何をやるか』ってことがずっと必要だったから、それはずっと意識してて。それが下地にある状態で、ずっといろんな人といろんなことやってきて、なんとなく一部の中でそういう認識ができた時に、もう1個上のアティチュードをってやり方をやってきたら、たまたまそれが今おっしゃっていただいたことと直結するっていうか。先にスキルより大切なものを追っかけてたら身につかなかったかもしれないけど、最低限のスキルがあって、その上でそれをぶち壊すっていうのができたのはよかったですね。あの日集まってくれた先輩含めた錚々たるラッパーとずっと一緒に演れてるのも、スキルと歴史を自分が持っていたからで。それこそ『OLIVE』も、USの音楽のトレンドとの親和性も大切に考えて作ってたんですけど、今はナチュラルに自分のスタンスとかスタイルをもっと濃く作れるっていうか」

(続きは本誌をチェック!)

text by鹿野 淳

『MUSICA2月号 Vol.130』