Posted on 2018.03.16 by MUSICA編集部

「僕は、僕達は、バンドを組んでよかった!」
BUMP OF CHICKEN史上最長ツアーのファイナルにして、
「22年目の結成記念日2月11日」さいたまスーパーアリーナ
PATHFINDER完全密着vol.4!!!

「PATHFINDER」密着シリーズ第4弾は、
「ファイナル」さいたまスーパーアリーナ公演。
バンドにとって22回目の誕生日でもあったこの日、
いつになく感情的にライヴを行った4人の様子を全14Pで徹底レポ

『MUSICA 3月号 Vol.132』より引用

 

バンド史上最大にして最長のツアー、「TOUR 2017-2018 PATHFINDER」のファイナルが、久しぶりのさいたまスーパーアリーナにて開催された。新年を迎えてからの藤原基央のインフルエンザ発症によって福岡公演の2日間が3月17日、18日に延期され、現実的なファイナルは福岡公演となったが、前々号の完全密着にて報じた年末最後のライヴ=徳島公演での様子からもわかる通り、演出やグッズなどを含め、彼らはこのさいたまスーパーアリーナのファイナルに向けてカウントダウンをしてきた。なので、福岡があろうとも、そして延期したことを含めその福岡でのライヴを特別に大事にしようとも、「あくまでもさいたまがファイナルだ!」という意識はメンバーもスタッフも持って迎えた2デイズである。そのファイナル2デイズの2日目、2月11日の模様を、恒例の完全密着にてお届けする。

(中略)

13時14分。今日がファイナルであってファイナルではないという、特別と言えば特別な日であることのMCを含めた諸々の段取りを、チャマがスタッフとしている。「今日はファイナルなんだよ。何があってもファイナルなの。でもまだライヴはあるの(笑)。もちろん、それが最高に嬉しいことなの。でも今日はファイナルだし……福岡でもちゃんとやるけど、それでも今日は特別なライヴにきっとなると思うんだよ。だからそのことを丁寧に伝えたいし、丁寧に考えたいんだよね」とチャマが話してくれる。そのチャマがベースを抱えて激しいストロークを重ね出すと同時に、翌日12日があるスタッフの誕生日だということをマネージャーが告げると、それなら今日祝わなきゃ! どうしよう、何しようと、これまた目を光らせてフジとチャマがアイディアを出し合っている。こういう時の奴らは、今でもいきなり楽屋が「教室」に変わったかのような表情で意見を重ね合っている。いろいろ変わったしいろいろ進んだし、随分と大きな景色を見せるバンドになったが、本当に何も変わらないことが彼らの中にはたくさんある。

 13時41分。舞台監督がチャマを呼びに来る。既に升がステージのドラム台の上で待ち構えるサウンドチェックへのお呼ばれだ。それと同時にフジが楽屋でアコギを持ち出して喉をコロコロ転がしながら、この日最初の発声練習を始めた。ツアーの最初は楽屋でこの声をなんとなく聞いていただけだったが、今は彼がこの発声練習の中で声が出にくい声域のポイントを見つけ、そのポイントを見つけた先から修正を図っていることがわかる。そのフジに「今日で終わっていたら、このツアーは5ヵ月間の長さだったけど、でも福岡の振替が生まれたから半年間のツアーになったね。そう考えるとなんか楽しくなってくるじゃない」と冗談半分で告げると、「よくはないよ、本当に。みんなの都合を奪ったわけだし、よくはないんだよ。だからちゃんとやらないといけないし、ちゃんとしなきゃね、さらに」と、さらに発声練習を繊細に続けながら話してくれた。

(続きは本誌をチェック!)

text by鹿野 淳

『MUSICA4月号 Vol.132』