Posted on 2018.03.17 by MUSICA編集部

アジカン、『BEST HIT AKG 2 (2012-2018)』をリリース、
次なるアルバムレコーディング真っ只中のスタジオに突撃!
後藤単独&全員インタヴューの2本立て取材実施!
この7年を振り返ると共に、まさに今、見つめる先を追う!

社会的な意味で大人になっていく時に大きな出来事があって、
バンドとしても個人としても決意をしなければならなかった時期で。
そのストラグルしてる感じがそのまま音になってる。
立ち直っていくような期間だった気はしますけどね(後藤正文)

『MUSICA 4月号 Vol.132』より引用

 

#Interview1 後藤正文

(前略)

■今回の『BEST HIT AKG 2』は2012年以降にリリースされた作品からのベストアルバムですが、制作時期として考えると2011年から今に至るまでの軌跡になっていて。2010年の『マジックディスク』と、2011年に東日本大震災が起こった後に制作に入った『ランドーク』の間にはアジカンとして明確にひとつ区切りがあると思うし、そういう意味で第2期アジカンのベストと言っていいと思うんですけど。後藤さん的には今回まとめてみて何か思うことはありましたか。

「後づけではあるんだけど、確かに並べてみたら震災以降な感じは立ち上がってきましたね。でも最初からそういう意図があったわけじゃなく、本当に活動的な問題というか。単純に、アルバムが間に合わないから(笑)」

■(笑)つまり本来であればニューアルバムをリリースしたいタイミングだったけれども、そこに関してはもうちょっと時間かけて悩みたい、と。

「そう(笑)。アルバムをもうちょっと足掻きたいから、先にベストを出しておこうって(笑)。でも、本当に奇しくもなんだけど、鎮魂歌で始まって鎮魂歌で終わる作品になってるんだよね。意識したわけじゃないのに、こうやって聴いてみると亡くなった人達を悼むようなフィーリングが、最初の“夜を越えて”と最後の新曲“生者のマーチ”にあって。やっぱりここ数年、自分の中で大きいことだったんだなって改めて思いました。……(ここに収められている7年は)社会的な意味で大人になっていく時にああいう大きな出来事があって、バンドとしても個人としてもいろいろな決意をしなければならなかった時期で。そのストラグルしてる感じがそのまま音になってるなって。自分ではそれが面白かったですね」

■この期間は、もう一度アジカンというものを正面から見つめながら、自分達がどんなアティテュードでどんな音楽を鳴らすべきなのか、自覚的な再構築を果たしていった時期だったと思うんです。後藤さん個人としてもソロやプロデュースワーク、『THE FUTURE TIMES』などの活動含め、変化が大きな時期だったと思うんですが、ご自分ではどんなふうに捉えてらっしゃいますか。

「どうだったんでしょうね……もし(2011年3月に)ツアーが震災で中止になっていなければ、あのツアーが順調に終わってアジカンは解散してたと思うんで。解散というか、少なくとも俺がドロップアウトしたはずなので。当時は完全にもう嫌気がさしてたから。でも震災の後、またこのスタジオ(この日取材をした横浜のLANDMARK STUDIO)から始めて……そういう意味では、立ち直っていくような期間だった気はしますけどね」

(続きは本誌をチェック!)

 text by有泉智子

『MUSICA4月号 Vol.132』

#Interview 2 メンバー全員で振り返るこの7年と今

 (前略)

■『BEST HIT AKG』が出た2010年くらいまでの自分とアジカンの関係性と、それ以降の自分とアジカンの関係性ということで考えると、その距離感はどんなふうに変わってると思いますか。あるいは、今はどういう部分をより大切にするようになっている、とかあります?

全員「…………………………………」

後藤「発言しろよ!(笑)」

伊地知「でも僕はさっき言ったのが凄く大きいですね。やっぱり外と関わると凄く変わるんで……だから(自分がアジカンでの活動を始めた)当時は他のメンバーにもやって欲しいなって思ってたんですけど、必ずしもそんなことはないので。このままあんまり客観視できないままいて欲しいなって思いますけどね」

後藤「建ちゃんに対する皮肉だよ、これは(笑)」

喜多「はははははははははは」

伊地知「いや、建ちゃんの話聞いてると、本当にアジカンのこと考えてるなって思うんですよね。凄く愛を持って説教されますし。僕は愛がないってよく言われるんですけど(笑)。建ちゃんはアジカンの楽曲に対する愛情が凄く強いので、それはそれでいいなと。本当に変わらないで欲しい」

後藤「というか、愛しかないからね」

喜多「愛だけ!? そこが問題なんだと思うけど(笑)」

伊地知「メンバー内で『オールドファン』っていうキーワードがよく出るんです。その目線で建ちゃんが割と言ってくれるんですけど――」

後藤「そうそう、そんなんいるなら連れてこいよっていっつも言ってるんだけど(笑)。そのオールドファンって、つまりは建さんだろ?って。勝手に作り上げてファンに語らせるなっていう(笑)」

喜多「(笑)。最近はサウンドプロデュースというか、時代に合った音っていう部分でゴッチが引っ張ってくれてるので、凄く信頼していて。じゃあ僕は好きなアジカンというか……楽曲のよさ、メロディのよさっていうのを大事にしてメンバーに言い続けるっていう役割ではいたいなって思って。そういう意味で、オールドファン。もちろん新しいこともしたいけど、アジカンがそもそも持ってるいいところを失いたくない」

 

(続きは本誌をチェック!)

text by有泉智子

『MUSICA4月号 Vol.132』