Posted on 2018.05.25 by MUSICA編集部

Saucy Dog、満を持して放つ新作『サラダデイズ』。
真っ直ぐバンドと音楽に対峙したこの1年で手に入れた、
確かなる決意。大いなる旅を走り出した
バンドの現在地と、石原慎也の芯を紐解く

ガッカリされるってことは、その人に自分の限界を
決められるってことじゃないですか。とにかくそれが嫌なんですよ。
お前が勝手に俺の限界を決めんなよ!って思っちゃうんですよね

『MUSICA6月号 Vol.134』より引用

 

■『カントリーロード』は過ぎ去ったことや過去への感傷を歌う曲が多かったけど、それに対して今回の『サラダデイズ』は明らかに目線が前に向かっているし、決意のようなものが強く感じられる作品になっていますよね。歌の表現力も前作よりも凄く上がっている点も含め、バンドとして、表現者としての心持ちに変化があったんじゃないかと思うんですけど。

「『カントリーロード』は情けない自分を振り返って歌ってる感じだったんですけど、今回は気持ち的にも前を向いてるっていうのもあるし、これからが重要だなって凄い思ってるので。それが歌にも出てるんだと思います。『カントリーロード』やその前までは、たぶん自分自身があんまり前を向けない性格だったんですよね。……僕にとってはこの1年ってほんとにあっという間だったんですけど、でも内容は凄く濃くて。自分の気持ちの起伏が凄いあったし、このままじゃダメだって何回も思ったし、メンバー内でも何回も話し合ったし。そういう中で自分達はこうなっていくべきだっていうのを再確認したので、この『サラダデイズ』はここから改めてスタートするんだっていうイメージで作ってるんですけど」

■それは腹が括れたっていうことに近いんですか?

「そうですね。前はまだ、フワフワしてる気持ちが凄いあったので。僕、割と自分自身が真剣になれない感じなんですよ。割とフワフワしてる」

■そうなんだ? それは意外。

「そうですか?」

■うん。だって誰もいなくなってもたったひとりでSaucy Dogを続けて、その上で今のメンバーを得てここまで来たわけでしょ。そのエピソードとフワフワして真剣になれない自分っていうのが重ならない。

「あー、そうですね。そういう面では確かに。僕、めっちゃ頑固なんですよ。ただ、頑固だけどダラしない面が凄いあって」

■そもそも慎也くんは認められたいっていう気持ちが強い人なんですか?

「強いと思います。中学の頃、凄いバカで。先生から『お前は高校に上がるのも無理だ』って言われてたんですけど、でも俺、『無理』っていう言葉が昔から凄い嫌いなんですよ。やらないで無理って言われるのも癪だし。で、『お前、この高校は絶対無理だぞ』みたいな倍率のところに頑張って入って。THE BLUE HEARTSの“チェインギャング”を聴きながら泣きながら勉強して……って、なんかこう話すとメンヘラじゃん、俺(笑)」

■(笑)。

「なんか元々、見返してやりたいとか、そういう気持ちは凄いあるんですよね。ちっちゃい頃からあったし、もちろん今も凄くあります」

(続きは本誌をチェック!)

text by有泉智子

『MUSICA6月号 Vol.134』