Posted on 2018.08.25 by MUSICA編集部

indigo la End 4枚目のアルバム『PULSATE』
ゲスの極み乙女。4枚目のアルバム『好きなら問わない』、
自身のレーベル「TACO RECORDS」を発進した川谷絵音が
新たな覚悟・指針・傑作を携え、新たなる充実へと向かう!

 

撮影=中野修也(TRON)

 

解放されたいって気持ちはずっとあったんですよ。
だから今のほうが凄く伸び伸びとしてるかもしれない。
ここ1年くらいでだいぶ自分のこの先みたいなのが見えて、
割と自由に全部やってるんで。久々の4年ぶりくらいに楽しく曲書いてるなって

『MUSICA9月号 Vol.137』より引用

 

(前略)

■リリースタイミングの話からいくとindigoのほうが先だけど、制作的にもindigoからゲスへと流れていったんですか?

「いや、割と同時並行でガッチャガチャしてました」

■2015年くらいからindigoもゲスも両方忙しくなっていったけど、当時の作品と比べると久しぶりに明確にindigo la Endはこういうバンドだからこういう作品であり、ゲスはこういうバンドにしたいからこういう作品にしたっていうのが、はっきりと分けて丁寧に作りましたね。

「indigoに関しては、そもそもアルバムを出そうとは考えてなかったんです。スケジュール的にミニアルバムくらいしか無理なんじゃないかなって思ってたんで。でも、ミニアルバム作るって言っても、ミニアルバムってなんか中途半端じゃないですか。曲数的にも何曲までがミニアルバムなのかもよくわかんないし。だから途中からアルバムでいいんじゃないかなって思って。ゲスのアルバムを出すことは決まってたし、年1 で俺らは出してて去年7月にindigoも出してたから、じゃあアルバムでいいやと。それでレコーディング日程を追加して曲を作ったんですけど……だから明確に何をやろうってことはindigoの場合は決めてなかったですね。ゲスはアルバムをここで出すっていうのが明確に元から決まってたけど――というよりも、ゲスは元はベストアルバム出そうって話だったんですよ。で、そっちも動いてたんですけど、なんとなく今じゃないなって思うようになって。今のモード的にも新しい曲をいっぱい出したかったし。そういう流れの中でアルバム出すことになったんですけど……割と今までって、『ゲスの極み乙女。っぽさ』みたいなものをやらないようにしてたんですよ」

■そうだね。メジャーに行ってからの話だよね?

「はい。だから最初は“オンナは変わる”的な感じでカッティングとかをみんなでやったら……恥ずかしかったんですよ。『ゲスっぽ過ぎない、これ?』みたいな(笑)。『どう、これゲスでしょ!?』みたいな感じが俺はちょっと恥ずかしかったんですけど、みんなが『懐かしいね、こういう感じ』ってなって。しかもみんな上手くなってるから、前よりよくなってて。アレンジをしてても、クラシック(の有名なフレーズ)とか久々にボンって入れたりとかしても、前とは入れ方が全然違うんです。前はそのままピアノだけ入れたんだけど、今回は超プログレッシヴにできて、今までと全然違う進化版みたいなのができたから、こういうのもいいねってことになり。で、米津(玄師)と仲よくなって、頻繁に会うようにもなって。“戦ってしまうよ”が全然よくない、みたいなことを言われたんですよ。そういうとこじゃないじゃん!みたいな」

■たしかNHKホールのライヴのMCで言ってたのは、「今のあなたは汚れてる」的なことを米津くんに言われたってことでしたけど。

「そう、美しくないって。『達磨林檎』や『あなたには負けない』もそうですけど、騒動も含めて作品にしてて。俺は騒動を作品にしようとしてたわけじゃなくて、それしか出てこなかったからそうなっていったっていう気持ちのサイクルがあったからなんですけど、それを自分しか経験できなかったことだからって美しい物語にするのは違うんじゃない?って言われて、俺も『確かにそうだな』って思って。ああいうことがあったからこそ、全然違う音楽の美しい部分で勝負しなきゃって思って。それで“もう切ないとは言わせない” っていう曲を作ったんですけど」

(続きは本誌をチェック!

text by鹿野 淳

『MUSICA9月号 Vol.137』