Posted on 2012.09.16 by MUSICA編集部

クリープハイプ、頭角を表した新鋭バンドがさらにブレイクスルー!

相も変わらず負け続け、相も変わらず嘲笑され、
相も変わらず世界を見放し世界に見放されながら、
ロックだけはと明日を見る。
今、最もロックと共闘関係にあるクリープハイプ。
尾崎世界観の世界観を観る、掘る、そして天日に干す!

『MUSICA 10月号 Vol.66』P70に掲載

■尾崎くんの歌っていうのは、基本的には家の中で何が起きていて、何を考えているかっていう世界を歌っていると思っていて。だけど、今回の“おやすみ泣き声、さよなら歌姫”は、ドアノブに手をかけるくらいのところまで出て来かけてるような変化を感じました。自分の中ではどうですか?

「うーん……前回のアルバム(『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』)を出して、ちゃんとこれで受け入れてもらえるって感じられたのは大きいですね。だから出て行きたいんですよね。あとは“オレンジ”って曲が自分の中でデカくて、よくも悪くもそこに引っ張られてる感じはします。今回曲を作る時には、あの曲が邪魔だなっていうか、凄くプレッシャーを感じましたね」

■ “オレンジ”は言ってみれば、メジャー対応というか、聴く人を選ばない曲を、ってところを狙って作ったんですよね。

「そうですね。それでもう1回同じような曲を求められちゃったりすることが、やっぱりプレッシャーで。“オレンジ”は狙って作ってはいるんですけど自分の感覚も入れているし、絶妙なバランスで奇跡的にできていて。だから、ほんとに100%狙って作ってたら……僕素直な人間じゃないし、作れなかったとも思う」

■“オレンジ”は、ファンの中には「メジャー行って、ブレイク狙った曲だ」と捉えた人もいれば、「クリープハイプって凄く聴きやすいね」って入ってきてくれた人もいたりと、ほんとにいろんな面があったと思うんだけど、自分ではどう解釈してますか?

「『狙ってる』って意見ももちろん耳に入ってきたし、でも、ちゃんと聴けば絶対わかるし、まだそこまで入ってきてくれてはないんだなって思って。でもそういうふうに言う時点で(自分達のことを)気にはしてくれてるんだなって思ったし、時間さえあればそういう人にも届けられるって思ってたんですよね。今回プロデューサーの人と初めてやることになって、その人に言われたのは、“オレンジ”って曲はちゃんと世の中に届くような曲だけど、でもまだ自分達が思ってるほどは届いていないし、もっと多くの人に届けたほうがいいから、何回も同じところに向けてやっていくって作業はしたほうがいいってことだったんです」

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

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