Posted on 2012.02.27 by MUSICA編集部

「カノ嘘」×「MUSICA」トークイベント@渋谷タワーレコード

「カノ嘘」×「MUSICA」トークイベント@渋谷タワーレコード

MUSICA監修のコンピレーションアルバム「カノジョは嘘を愛しすぎてるMIX TAPE VOL.1」と、「カノジョは嘘を愛しすぎてる」コミックス最新刊の発売記念イベントが2月26日(日)にタワーレコード渋谷店で開催されました。 続きを読む

Posted on 2012.02.23 by MUSICA編集部

Salyu、圧倒的なポップスの力

『2012年3月号 Vol.59』 P91に掲載

ポップスを追求したかったんです。 半端じゃないポップスをやらなきゃいけないっていう気持ちがありました

■ご無沙汰だね。

「そうですね、いつぶりかな?」

■MUSICAとしては半年ぶりぐらいになるのかな。その間に、こんなにも喜びと希望が見えるアルバムを作ってるとは思いませんでした。

「ありがとうございます(笑)」

■聴いててこんなにも明日っていうものが感じられるアルバムっていうのはSalyuにとっても新しいテーゼな気がするんだけど、自分としてはまずこのアルバムをどう思ってますか?

「今回、『photogenic』というアルバムの制作で一番大事にしてきた指針があったとすると、それはやっぱり3.11の大震災以降の音楽とかポップスというものの成すべき力っていうことで。私の中の音楽というものの価値観だったり、ポップスの在り方を深く考えさせられたっていうのが去年あったんですね。……やっぱり震災のあとにすべてが解決したわけではないし、問題はどんどん深刻化していってるってこともあるから、それを経た後の音楽っていうものの在り方、自分の中での理想っていうのも大きく変化した中で何か意味やミッションを確信できたわけではないんですけど……でも自分がこうなんじゃないかと思ったことをやりたかったっていうか。音楽っていう短い時間の中でどれだけ人に喜んでもらえるか、どれだけ人と共有できるものを私自身が楽曲に見出して表現していけるか。それがテーマとして1個あって、そのために工夫して大切に制作を進めてきたっていう感じですね」

■僕が思うのは、前作の『MAIDEN VOYAGE』とsalyu×salyuの『s(o)un(d)beams』、このふたつが前作だったと位置づけると、共通して言えるのは、Salyuが歌うという喜びを取り戻す、そして見つけるっていう作業だったんじゃないかと思うんだよね。もちろんふたつの作品としての位相は全然違うものなんだけど、『MAIDEN〜』のほうはそれをポップミュージックとしてやってて、salyu×salyuのほうは実験的なものも全部含めて、歌うっていうことの本質を自分の中に見つけることをやってたんじゃないかなと思う。

「あぁ……そうかもしれないですね」

■だから、それは凄く自分のための部分が強かったんじゃないかと思う。だけど今回は、もっと聴いてもらう人のためっていうところに階段を1歩上がったイメージがあるんだけど、その辺は意識的なものだったりする?

「うん、ポップミュージックっていうことは凄く考えたと思う。それは意識的なことだったと思います。本当に、いろいろなことが新しかったし、意識的だったと思いますね。小林(武史)さんとタッグを組んで作るっていうのも、『TERMINAL』以来だったから、自分にとっては最早この作り方は新しいことになってたし――」(続く)

Text by 鹿野 淳

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Posted on 2012.02.22 by MUSICA編集部

GRAPEVINE、さらに研ぎ澄まされたそのロックの真髄

『2012年3月号 Vol.59』 P97に掲載

実際に考え方がシンプルにはなっていってます。 それはバンドっていうもの自体がそういうものだからだと思うんですけど。 バンドが必然として鳴らしてるものなのかどうか。そこに意識が向かっている

■なんと1年と1ヵ月ぶりのインタヴューです。こんなに空いたの初めてなんですけど。

「本当ですよ。あまりに空いたんで、何故かもう俺はインタヴューを受けることはないんじゃないか、そういう人生になるんじゃないかと信じてましたね。まさかまたインタヴューする日が来るとは」

■ははははは。まぁでも、それくらい久しぶりですよね。どういう日々でしたか、この1年と1ヵ月は。

「いろんなことがあった1年でしたけどね。でもバンドとしては、ずっと普通に動いてましたから。シングル出したりはしなかったですけど、ライヴはコンスタントにやっていましたし。まずアルバムが出てツアーがあったでしょ。そのツアーが、震災の影響で振替があったんで7月ぐらいまで続いて、そのあとは夏のイヴェントがあって……ってごっつ普通のこと言ってるな(笑)。でも、つまり新曲のリリースはなくとも、バンドとして健全な活動を続けてきた1年でしたね。で、その後、この作品を作ったわけなんですけど」

■本格的にレコーディングに入る前も、ライヴ以外に、プリプロ的なセッションみたいなものは断続的にやってたんですか?

「いや全然。ツアーの頃に、ぼんやりとではあるけれども次はマイケルさん(河合誠一マイケル/今作のプロデューサーにして、過去ユニコーン等を手がけてきた名物プロデューサー)と一緒にやって、形としてはミニアルバムぐらいのものを出したいなっていう話まではしてたんですけど、実際それに着手したのは秋でしたね。ツアー終わりぐらいからそれぞれに曲作りを始めつつ、月に1回それを持ち寄ってマイケルさんも一緒にミーティングをしてたんですけど、毎回『やってみないとわからないね』っていう話で終わってた(笑)。常に『とりあえず音出さないと話になんないよね』っていう結論で終わる」

■全然建設的じゃないミーティングですね(笑)。

「まぁ、そうとも言う(笑)。ただ、そこで曲出しはやっていたので、それによってプリプロ以降の作業が早かったというのはありますね。要するに、今回はもうこの6曲で行こうっていうのをあらかじめ決めた上で、プリプロに入ったから。そういう形で実際にプリプロに入ったのが秋くらい……10月とかそれぐらいかな」

■完パケは12月頭でしたから、ということは割と短期間でババッと作った感じなんですね。

「そうですね。スムーズでしたよ、凄く」

■楽曲的にバラエティには富んでるんですが、でも全編通して非常に痛快な、輪郭のはっきりしたストレートなアルバムになりましたよね。こういうモードは最近なかったですね。

「そうかもしれないね。ミニアルバムなだけに何かしら統一感みたいなものが欲しいなっていうのと、最近しばらくやってなかったであろうテイストのものにはしたいなという漠然と思ってましたけど。特に達成感というわけではないんですが、『真昼のストレンジランド』というアルバムは、長田さん(長田進/『déraciné』の一部から参加、『From a smalltown』〜『真昼のストレンジランド』までのプロデューサー)と一緒にやってきた集大成のような作品になったと思うんですよ。だから、ここらでちょっと新しい空気を取り入れたいという感覚は、メンバーの中にも、バンドの周りの人達にもありましたから……」(続く)

Text by 有泉智子

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Posted on 2012.02.21 by MUSICA編集部

plenty、初のフルアルバムでつけた決着と、素晴らしき始まり

『2012年3月号 Vol.59』 P76に掲載

何故こんなに虚しいんだろうと思いながらも、あがいてしまう。 それは「逆らう意思がある」からっていう、歌詞の通りなんですけど。 俺は何もどうでもいいとは思ってないし、報われないとも思ってないから

■本っ当に素晴らしいアルバムです。

「ありがとうございます!」

■初めてのフルアルバムになるんですけど、これはもうバシッと傑作っていう刻印を押したい、plentyの決定打にして江沼郁弥という才能が完全開花を果たした金字塔だと思う。このアルバムを聴いていると目を背けたかったものまで全部が見えてきてしまうんだけど、最終的に目の前に広がるのは、悲しいけど温かくて、寂しいけど凛として強い、揺らいだ視界が全部クリアになるような、明日に向かって開けた清々しい景色なんですよ。郁弥くんにとってはどんな作品ができたと思ってますか?

「自分の中では、長い闘いが今終わったっていうような、今を全部出し切ったアルバムですね。ここでいったん終わってまた始まるっていうか……だから清々しいっていうのは僕もそうで、これが完成して、今は凄くすっきりした気持ちです。制作自体も本当に長かったし(苦笑)」

■長かったよね。その間に非常に聴き応えのあるEPをガンガン出しているので空いた感じはしないんですけど、でも相当長い間作ってたよね?

「作ってましたねぇ。それこそ1年以上やってましたね。“普通の生活”とかは、もうだいぶ前に録っておいたんで……」

■そうですよね。それこそ去年の春のツアーでもうやってましたもんね。

「やってました。もうその頃からアルバムに向けて動いてたんで……だから本当に長かった」

■制作は、苦しい闘いだったんですか?

「だいぶ(笑)。だいぶ苦しかったですね。単純に、この制作の中でツアー2本やってますし。ライヴと制作モードの切り替えがなかなか上手く行かなかったから、『あぁーーーーっ!』みたいな感じには凄くなりましたね。……なんかずっと『あぁーーーーーーっ!』ってなってた気がする、去年を振り返ると」

■私は、前2作のアルバムとは根本的な部分から変わったと思ってるんですよ。それは何が違うかといえば、表現のスタンスが大きく変わったと思う。

「ああ、なるほど」

■このアルバムって、本当に郁弥くん自身の物語を綴ったものだと思うんですよね。ひとりの人間が世界や生きるっていうことを見つめ、人々と関わり、そこにある真理を追い求めながらたったひとりで深い思考の海を掘り下げ、旅しながら、最終的に本当の意味で人生を歩き始めていく――その道程が、生々しく音楽に刻みつけられていて。過去の作品に比べて、圧倒的に深く己を見つめたアルバムになってるんですよね。

「そうですね。この1年で曲自体に対する考え方も変わったし、表現者としてちょっと変われたのかなっていう実感はありますね。やっぱりファーストEPぐらいから考え方が変わって」

■『人との距離のはかりかた/最近どうなの?/人間そっくり』の時ですよね。

「はい、そこから変わって。で、そのままセカンドEP(『待ち合わせの途中/終わりない何処かへ/空が笑ってる』)とか、こないだのサウンドフィルムトラック(『あいという』)と、徐々に変わってたんですけど、なんかこう…………表現! 作品!!……みたいな意識って言うんですか? そういうのが全然変わりましたよね。前はがむしゃらっていうか、ただ単にワーッていう感じだったのが、デビューしていろんな人の前でライヴもやるようになって、音楽をやること、表現をすることの責任というか、役割っていうか、そういうものを感じ出して。それが歌詞とかスタイルにもちょうどリンクして変わっていった感じだったんですけど。自分が向かい合うべきところもわかってきたし……」(続く)

Text by 有泉智子 

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Posted on 2012.02.20 by MUSICA編集部

中村一義、約10年ぶりのソロ再始動! 独占インタヴュー!!

『2012年3月号 Vol.59』 P67に掲載

僕は1回、中村一義っていうものに冷凍睡眠をかけたんです。 でも、いろんな呪縛から解放されて、 それをもう一度蘇生するのなら今だろ!っていう気持ちがありました

■こういう形(ソロ)でのインタヴューは本当に久しぶりになるし、遡ってみると、実は11年半ぶりぐらいになるんですけど――。

「そうですね(笑)、中村一義名義ということではね。久しぶりなもので興奮してますよ、ビビりながら」

■MUSICAとしては、去年の4月号のラヴソング特集で曽我部(恵一)くんとの対談をしてもらって。そういう意味では、そこまで時間も経ってないんだけど。でも、遂にやってくれましたね!

「曽我部さんとの対談の時、鹿野さんがまためちゃくちゃプレッシャーをかけたわけじゃないですか。別れ際も、じっと目を見て『本当に期待してるから!』みたいな(笑)」

■あはははは、そうだったね。でも俺、別に記事のために言ったんじゃなくて、本当に「早く新しい音源を聴かせてよ!」っていうのを伝えたくてさ。

「だからプレッシャーなんじゃないですか!!! この人本気だ!って思うから(笑)。でもやっぱりそれは凄く嬉しかったし、逆に言ったら、あの時ぐらいから今のプロジェクトの構想を現実化させようっていう動きになってきたんで。ぶっちゃけ、あの取材がきっかけみたいな部分もあるんですよ。もちろん準備はしてたんですけど、プロジェクト作業としてゴーしたのはあの直後だったんですよね」

■そうなんだ。この“運命”っていう素晴らしい曲を聴いて、何しろ話をしたいと思って実はゴリ押しで取材もさせてもらってるんですけど――。

「はい。鹿野さんのご感想を聞いたんで、『やったね! これは酒盛りしかないだろう』と(笑)」

■あ、この居酒屋での取材形態は、そういうことなんすか(笑)。

「そうなんですよ。こういう取材形態も初じゃないですか。本当にひとりで作ってるんで、作った!っていうのを誰かと共有したいんですよ。悲しいんですよ、基本的にひとりは(笑)。なので、『おめでとう!』っていうのを共有するために――鹿野さん、今日は生け贄です」

■オッケー。では乾杯!

「乾杯! 本当に一緒に作ったようなもんなんで、嬉しいです。ありがとうございます!!」

■ありがとう(笑)。そもそもソロでやろうと思ったのは、どういう心境から始まってるんですか?

「心境もあるけど、状況も状況ですからね。普通に音源が作れない現状があるわけじゃないですか」

■あぁ、音楽業界の現実的な話と、マネージメントとして完全独立して、一からやり始めたことですね。

「ぶっちゃけて言えば、実際には金がないから100sもやらないわけであって(笑)。もちろん、それだけじゃないですけどね。この“運命”だの、今やってるプロジェクトだのは、『世界のフラワーロード』直後にどうしようかなって思ってたんですけど、こういう現状だしなっていうのがあったし、自分達も会社として独立したばっかりでほんと金もなくて」

■ならばまずはスモールサイズから始めよう、と。

「そう。着の身着のままで出てきたんで。まず自分達の地固めをやらないとねっていう話になって。で、音楽業界もこういう昨今だし、求められないもの作ってもしょうがねぇかっていうのもちょっとありつつ……」(続く)

Text by 鹿野 淳

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Posted on 2012.02.17 by MUSICA編集部

[Champagne]、勝負作『Schwarzenegger』完成第一声!

『2012年3月号 Vol.59』 P36に掲載

“Kill Me If You Can”っていう曲のタイトルとここで歌ってることが、 このアルバムで一番言いたかったことで。本当に自分の全部を曝け出したし、 そういう俺と俺の音楽を殺せるもんなら殺してみろ、でもヤられる気は全然ないぜって

「――このアルバムのインタヴューって、これが初めてなんですよ」

■そりゃそうでしょう、だってつい3日前にトラックダウンが済んだばっかりの、正真正銘アルバム第一声インタヴューなんだから。

「そうなんですよ! しかもまだほとんど誰にも聴かせてないので、感想を聴くのも初めてっていう。だから今から何を触られて、何を揉まれるのかなぁと思って緊張してます……たとえるなら初めてベッドインする男の子みたいな気持ちと言いますか」

■その割には自信ありっていう顔してるけど(笑)。今日はフレッシュな気持ちで、かつ掘り下げたところまで話を訊ければと思いますので。

「よろしくお願いします」

■というわけで、正確にはまだマスタリング前ではあるんですが、遂にサードアルバムが完成しました。まずはとにかく、おめでとう! これは凄いアルバムになりましたね!

「ほんとですか!? あーよかった! ですよね? いいっすよね?」

■バッチリ! というか、本当によくここまでのアルバムを作り上げたなぁと、圧倒される作品です。

「ありがとうございます」

■非常にドラマティックで感動的な大作であり、そして同時に、非常に本質的なロックアルバムだと思いました。実は、自分が事前に予想していたものとはかなりタイプの異なるアルバムだったんだけど、そこに[Champagne]というバンドが抱いているロックに対するロマンと意地を凄く感じたんですよね。あと、とにかく全曲、圧倒的に曲がいい。まずは完成したての今の手応えから教えてもらえますか。

「はい、僕もこれは相当自信があります。今言ってくれた『意地』っていうのは当たってるかもしれないですね。今回、考えて作る部分をかなり削ったんですよ。本当に自分の直感を貫き通したっていうか、俺がカッコいいと思ったものが絶対に一番カッコいいし正しいんだって信じて、そこを貫いて作ったというか。俺、悩んだりするとみんなに意見を訊くんですけど、そこでその意見に従うというよりも、『バカヤロー、見てろよ』って気持ちを奮い立たせるために意見を訊くってところもあって。こういう意見もあるんだなって知った上で、『いや、でも俺はこうするぞ』っていう意志を固めるというか」

■それ、相談されてるほうはかなり不毛だね(笑)。

「ははははは。もちろんその過程で自分の中で葛藤はあるし、いろいろ考えるんですけど。でも今回は特に、誰の意見にも影響されずに貫き通した曲ばっかり集まってますね……」(続く)

Text by 有泉智子

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Posted on 2012.02.17 by 有泉智子

VALENTINE ROCKに参加してくれたすべての人に感謝を込めて。

2月14日、リキッドルームで開催したVALENTINE ROCK、
おかげさまで今年も満員御礼&とても温かでプレシャスな雰囲気の中、
素晴らしい形で終了しました。

USTREAMでのライヴ生中継も
合計視聴者数:4万3477人、ユニーク視聴者数:2万463人、瞬間最大5610人と、
本当にたくさんの人に観ていただいて、心から嬉しく思っています。
少しでも心に響くものがあった人は(必ずあったと確信してますが笑)、
ぜひ各アーティストの作品に手を伸ばしてみてください。
そしてMUSICAに掲載してるインタヴューにも触れてみてください。
このイベントが、あなたと音楽との新しい出会いの入り口になることができれば、
ほんとに本望です。

ちなみに今回のVALENTINE ROCK、
実はこの5組にしかオファーをしてないんです。
みんな即答で出演を了解してくれました。
そういうことって、意外と珍しいんだよ。
本当に幸せなイベントだったなぁと思います。
終了後に打ち上げをやったんですが、
そこでも、ひたすらにみんな音楽の話をしてました(笑)。

ひとまずは、参加してくれた人達に心からの感謝と愛を込めて。
来年もきっとやります。楽しみに待っていてください!

有泉智子

「MUSICA presents VALENTINE ROCK――愛のロックを鳴らそう VOL.5」
開催日:2012年2月14日(火)
会場:LIQUIDROOM(東京都渋谷区東3-16-6)
出演:星野源、plenty、アナログフィッシュ、クリープハイプ、KUDANZ、鹿野 淳(DJ)

Text by 有泉智子

Posted on 2012.02.16 by MUSICA編集部

藤巻亮太、ソロデビュー。そのシビアな胸中と決意をすべて語る

『2012年3月号 Vol.59』 P60に掲載

自分を楽しめない状況で人前に立ったり、何かを表現してもそこに嘘が滲むのって、自分が一番わかっちゃうんですよね。 その嘘を抱えたまま走り続けることはできないって思ったんです

■前回のインタヴューが1年ぶりだったんだけど、そこからまた13ヵ月経ったね。

「ご無沙汰な気はしてましたけど、そんなに経つんでしたっけ……たくさん話さないと(笑)」

■そうだね。前回のインタヴューで、「次の取材までは間を開けませんから、曲も出します」と言っていた藤巻ですが。

「ははは。まずはその後、レミオロメンとしてのツアーが終わり、何が起こっていったかっていうことですよね?」

■はい。13ヵ月前には、次にこういうソロという形で会うと思ってなかったし、いろいろ変化があったと思うんだけど。今日はその辺も全部お訊きします。

「はい、いろいろ話したいんです。お願いします」

■まず、ソロでやりたいと思ったのは、どういう気持ちからなんですか?

「2010 年が結成10周年で、全都道府県を回るツアーをやって。そこには充実感もあったんですけど、その後の年末年始、ある対談で仲よくなった野口健さんにヒマラヤに連れてってもらったんです。そこで凄くいい経験ができて。そのタイミングで、結構いろんなことを考えたんですよね。今の自分を取り巻く環境の中で、自分が音楽をやる正しさがあるのかどうかっていうことを凄く考えて。この状況のままで音楽をやっていくと、何かが凄く薄まってしまうのかなぁって思ったんです。だから1回、何故薄まってしまうのか、どうして自分は今のプロセスに違和感を抱いているのかっていうのを検証しようと思って」

■CDブック『Your Song』のインタヴューの時に、「正直、曲はないです。今の自分はカラッカラです」って言ってるんだよね。それはある意味、そういう気持ちの空洞がもたらしたものなの?

「曲を作るモチベーションっていうことだと思うんですよ。何故、曲は生まれるのか? 曲は誰のために存在するのか?っていうことに対して、(レーベルなどから)出口を用意してもらって、そのリリースのルールに向けて書いていくっていうモチベーションでしかなくなってきたんですよね。締切までに何かを仕上げるとか、次のツアーがあるからそのために何かを頑張るとか……それが間違ってるとはまったく思ってないんですけど、それで自分がいいものを作れてるのかっていうことに対しては凄く疑問が湧いてきて。これはいかんぞと思い始めていたのが、その頃だったんです。……音楽が生まれて、そこに協力してくれる人がいて、それを伝えていって、共感してくれる人がいて――そういう循環で物事が進んでいけばベストなんですけど、ある時期から、自分の中での共感ありきな部分が大きくなっていったんですよね。その共感に対して応えていくことが自分の中のモチベーションにもなったし――」(続く)

Text by 鹿野 淳

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Posted on 2012.02.15 by MUSICA編集部

チャットモンチー、新体制で再び攻めの季節へ

『2012年3月号 Vol.59』 P55に掲載

自分達がワクワクしている気持ちをいろんな事情によって壊されるのはイヤやし、誰かに「絶対やめたほうがいいよ!」とか言われると、「え、なんで?」ってなる。だってチャットモンチーやるのはその人じゃないし、私たちだから。

■久しぶりの取材ですね。よろしくお願いします。

橋本絵莉子「本当にお久しぶりです!」

福岡晃子「よろしくお願いします!」

■これを読んでくれている人も既に知っている通り、チャットモンチーはふたりきりで再スタートを切りました。最初はほんとに驚いたし、正直どうなることかと思ったけど、実際に12月にライヴを観て凄く興奮して。端的に言えば、久々にチャットモンチーから凄く攻撃的なモードを感じたし、このバンドのラジカリズムの源泉を見た気がしたんです。

橋本&福岡「(何度も頷く)」

■で、実際に今回世に出るシングル2曲からも同じ印象を受けていて。前置きが長くなりましたが、まずは、どうしてふたり体制でやろうと決断したのかってところから話を訊けますか?

福岡「ある朝、私がドラムしようかなと思ったんです。『ふたりでやれんかな?』と思った時に、必要なのはドラムのほうだと思ったので。それでえっちゃんに『ドラムしようかと思うんだけど、どうかな?』って訊いたら、『めっちゃやりたい!』って言ってくれたから。そこからです」

■そもそも、ふたりの中にはサポートか新メンバーを入れるっていう発想は全然なかったの?

橋本「最初はありました。あっこちゃんが『ドラムどうかな?』って言うまでは――それは脱退が決まってから10日後なんですけど、その間は誰か入れようって思ってて。ただ、『脱退の事よりもインパクトのあるサポートじゃないと成り立たないからどうしよう? 誰かいないかな?』って考えてて」

福岡「そう、ずーっと考えてたんですよ。でも……久美子のドラムは他の人ではできないから、よりパンチがある人じゃないとダメだなと思って。めっちゃデカい外国人とか、それかめっちゃ小さい天才少年ドラマーとか(笑)、それぐらいのパンチ力ないとあかんなと思って。でも、考えれば考えるほど……ワクワクしなかったんですよね」

■なるほどね。

福岡「そのインパクトって最初は凄いけど、でもそういう時期も終えて、前の曲を再現するみたいになった時にどうなんだろ? 『再現』に労力を使うのはどうなんだろ? もっと新しいことをやるのに労力を使いたいって思って。で、そういうのを全部いい方向に変えられるアイディアはなんかないかな?と思った時に、『自分がドラムやったらいいかも』ってパッと思いついたんです」

■その時のえっちゃんの反応は?

福岡「『え〜〜っ!?』ってめっちゃびっくりしてた」

橋本「めっちゃびっくりしました(笑)。でも凄くいいなと思ったので、めっちゃやりたい!って伝えて……」(続く)

Text by 有泉智子

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Posted on 2012.02.14 by MUSICA編集部

VALENTINE ROCK 速報PHOTOその5 星野 源