Posted on 2012.10.25 by MUSICA編集部

音速ライン、あたたかくも強い魂の歌

どの曲からも滲み出て来る、
ポップへの執念とロックへの偏愛ーー
結成10年を迎えドロップする
アコースティックベスト
『Grateful A.C. 』、
その強さ、あたたかさ、
そして握る拳の強さよ!

『MUSICA 11月号 Vol.67』P108に掲載

▶結成10周年を来年迎えるということで、おめでとうございます。

2人「ありがとうございます!」

▶10周年を機に2人組であることを受け入れて、フォークデュオに転身したという、そういう作品だと(笑)。

藤井敬之(Vo&G)「あはははは! 最近言われるんだよね、来年あたりバンドじゃなくなってんじゃねぇの?って」

大久保剛(B)「あぁ、そういや言われてたねぇ」

▶という冗談は置いといて。アコースティックでベストとなると、足下を今一度見詰め直したいという気持ちなのかなと思ったんですが。

藤井「それはあるし、年にツアーを2本とかやったことがなくて。でも絶対今年はもう1回やりてぇなと思って、まあフットワーク軽く回るにはアコースティックとかいいんじゃないのかなと思ったんです」

大久保「いや、でもツアーを年に二度って今までも普通にあるよ」

藤井「……ちょっとこっちに訊いてもらっていいすか? 俺ちょっと記憶が曖昧過ぎて(笑)」

大久保「(笑)単純に去年から普通にアコースティックでやる機会が、バンド編成のライヴと同じくらいに増えてきて。その中で折角だからアコースティックでツアーやりたいねって話になって。で、ツアーで回るならアイテム持ってたほうがいいって話になって、作品を作らせてもらうことになって、という」

藤井「……姑みたいだよね、君(笑)。俺の発言を全部正していくっていう。ほんとにね、おぼろげな人生だったって思うわ」

▶(笑)7、8年前の曲辺りからがアレンジされてると思うんですけど。どういう想いからだったんですか?

藤井「俺らってずっとセットリストに昔の曲を確実に入れるっていうスタンスでやってきてて。“逢いたい”なんかそれこそ7、8年ずーっと毎回やってる感じだったんで。全然褪せないっていうのが……やっぱメロディ強いな、っていうところにきてるなっていうか」

大久保「アコースティックでライヴをやると、メロディと歌が浮き彫りになるじゃないですか。俺らはそうなると逆にいい部分が強調されていいなって思ってて。だからなんか、素直に歳とってるんだと思う、多分」

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

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Posted on 2012.10.24 by 有泉智子

取材ラッシュ。

凛として時雨が表紙のMUSICA11月号、発売中です。
もう読んでもらえましたか??
ボカロ特集やコラムで、この何ヶ月か考えてたこともいろいろ書きました。
アンケートハガキでもTwitterでもメールでも、どんな形でもよいので
感想送ってもらえるととても嬉しいです。

編集部は先週から今週にかけて取材ラッシュ。
昨日はエレカシ宮本さんやplentyに取材。
今日は次号表紙巻頭のflumpoolのインタヴューをやります(インタヴュアーは鹿野)。
撮影は、この前の土曜日に都内から車で2時間くらい行った海でロケ撮影してきました。
(海まで行ったけどいわゆる海写真ではないです・笑)。
空も光もとても綺麗で、すっごく気持ちよかった。
メンバーも凄くよい表情で、とてもいい写真が撮れたと思います。

 写真は、移動中のロケバスの窓から見た景色。
車窓のスモークの色が合わさって、空がめちゃくちゃカッコよかった。
ちなみに、うっすらと写っているチェックの人影は編集部の板子です。

text by 有泉智子

Posted on 2012.10.24 by MUSICA編集部

HaKU、最新型オルタナティヴでリアルを射抜く

モニター越しのコミュニケーション、
「非」現実が現実化する時代。
その中で生の実感を掴み獲るべく、
「君と僕」を真っ直ぐに見つめるところから始めた
僕らの世代のリアリティ、『Simulated reality』。
本当の「生」に向き合う準備はいいか。

『MUSICA 11月号 Vol.67』P104に掲載

▶前回のインタヴューは『astronautS』というアルバムの発表時だったんですけど。その頃って「宇宙」とか「光」とか、割と大きいスケールで物事を捉えている印象があったんです。一方、今回の作品は「君」や「『君』を通した自分」といった、対象がより身近なところに移ってきていて。この変化は、どのようにして生まれてきたんですか。

「やっぱり歳をとるごとに物事の考え方も変わってくると思うんですけど、僕らの音楽もそうで。より世の中と相互依存の関係になってるというか……世の中の動きに対応して、僕らの音楽もこうなっているんだと思うんです。その中で、自分が自分を見つめ直したいというか、世の中に対しての自分というものを凄く見つめ直したい時期に来たんだと思っていて。それはもしかしたら『astronautS』を出した頃にも感じていたことだったのかもしれないですけど」

▶でも、よりはっきりと意識するようになった、ということですね。

「はい。で、そこから楽曲を作るってなった時に、自分達が肌で感じることが一番正しいことだから、それを感じながら制作しようという感じになっていって。そうすると、『自分は本当に自分なのかな』というような感覚というか……人からすると『こいつ頭おかしいんじゃねぇの?』くらいのことなんですけど(笑)。でも、突き詰めていくと、そういうところに辿り着いて。……“astray”という曲にも書いたんですけど、1個フィルターを通してやり取りすることによってダメになっていく自分を見つけてしまったので。そこからもっと身近なことを書くようになっていったんですよね」

▶それはある種の、生きている実感の希薄さみたいなものを感じたということ?

「そうですね。それで、いろんなことを知りたいと思って。知らずに生かされるよりは、知って自分から臨んでいきたいというか。それは今も凄く感じていることです」

(続きは本誌をチェック!)

text by 関取 大

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Posted on 2012.10.23 by MUSICA編集部

Galileo Galilei、3人体制での新たな旅が始まる

あの日、あの場所で、
僕らが見た君と世界――
更なる高みへと飛ぶために、
自分達の音楽の心臓を見つめたミニアルバム。
3人の旅は、また、ここから。

『MUSICA 11月号 Vol.67』P100に掲載

▶前号の取材でわんスタに行ったのが1カ月と少し前なんですけど、当時は絶賛制作中だったミニアルバムができ上がりました。

「はい。今回は、凄く『よし!』って感じで。作り終わった後に暗くならなかったのって、初めてなんですよ。やっぱり自分で仕組みがわかってる分、やり直したくなっちゃったりするんですけど。『PORTAL』作った後もナーバスだったし。でも今回はそういうのが全然なくて」

▶晴れやかなんだ?

「はい。こんなの初めてだから、嬉しくて」

▶音楽的にはあの時に話していたギターメインの音像から、割とシンセも多用したモノになりつつも、前作と比べて音数も少ない、明確に歌を主軸に置いたシンプルな構造になっていて。ガリレオの芯の部分が凄く表れた作品になりましたね。

「ネガティヴな意味じゃあ全然なく、今回は攻めてないアルバムだと思ってるんですよね。それはサウンド的にもそうだし、メロディや歌詞も今回は大冒険はしないでおこうって思いながら作ってて。前みたいに進化だ! 革命だ!とかいう気持ちでは作ってない感じ。そうなったのは、まず歌をちゃんと聴いて欲しいっていう気持ちがあって」

▶前の取材で、ジャンルがなんであろうが王道の形―つまり歌とシンプルなサウンドという基本形でいいものを作れるバンドが一番タフだ。だからそこをちゃんとやりたいって話をしてたよね。

「そう。だから最初はシンプルなギターロックにしようと思ったんだけど。ただ、3人になったことに割とネガティヴな反応をする人もいたから、『いや、全然変わらずガリレオですよ』ってことをちゃんと伝えないといけないなと思ったところもあって。それでこういう形になったんですけど」

▶雄貴くんが言った通り、今回は革命や新しいことを狙った作品ではなく、『PORTAL』でやった実験と冒険をちゃんと咀嚼して、自分達のバンドの音楽として完璧に血肉化し、洗練するってことをきっちりとやった作品だなという印象があって。

「その通りですね。このまま次のこと次のことってやっていくと、『PORTAL』で吸収したことが何も着地しないまま終わっちゃうんじゃないかっていうのは、メンバーで話してて。あれだけ大量の情報を自分達に注ぎ込んだから、1回整理しないと次にいけないと思って。だから変な話だけど、これを作ったことでやっと『PORTAL』を手の中に収められた実感があるんですよね」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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Posted on 2012.10.22 by MUSICA編集部

藤巻亮太、ポップとロックの狭間で大いに吼える

ポップとロックの間に
ドデかい荒れ地が広がってしまった
その地にスタンドアローンする『オオカミ青年』藤巻亮太。
今一度、孤独と対峙し、のどの渇きを掻き毟る藤巻が
取り戻そうとしているものは何なのか?

『MUSICA 11月号 Vol.67』P94に掲載

▶1ミリの狂いも無い「デビューアルバム」だなぁと感じました。人生で2度、デビューアルバムを作れるというのは凄く幸せな境遇だと思いました。

「それは本当にありますよね……………。1枚目ってやっぱり特別なものなんですよ。誰もがそれまでの人生があって、自分の衝動ややるべきことを音楽に見出して、時には葛藤することもあって。ファーストアルバムっていうのは、そういうその人のすべてが閉じ込められると思うんですけど、今作もまさしくそうで。自分にとっては、これまでやってきたことを手放し、検証するってことを1曲1曲を作りながらやってきた感覚でしたね」

▶すべてが0から1までの間にある過程って感じ?

「そうですね。過程をここまで閉じ込められることって、そうはないっていうか……そういう意味では凄く素直に作ってるなって思うし、何かを探してる人のアルバムだなって感触がありますね」

▶圧倒的な不安と、圧倒的な希望と、圧倒的な欲望だけで綴られた作品だなぁと。それがデビューっぽいなと思ったんだよね。その無垢さが藤巻から出てきたのは、かなり新鮮だったんですけど。

「そうだなぁ……“オオカミ青年”って曲が生まれた時、アルバム全体を総括するような曲になったと思えたし、ソロってものを一番明確に、腹を括れた曲だなとも思えたんです。それまではうろうろ、いろんなところを掘って、自分が今やらなきゃいけないことはなんだって探すばかりで」

▶曲を作る制作の過程の中で何が変わったのか、曲に込める心の芯をどういうふうに撃つやり方に変わったのか、どういう変化があったの?

「うーん……1個は、やっぱり今まではバンドのストーリー性が曲を書かせてるところがあったんですよね。そういう部分をメンバーと共有できると強くなっていくし、化学反応も起きていく。でも、そのバンドのストーリーと、藤巻亮太個人のストーリーが合わなくなってきたところがあって。それはどっちが正しい/正しくないとかじゃなくてだったんです。たとえば“月食”や“twilight”があって、曲として僕はいいと思ってたんだけど、そういう曲達を本当に生かすためには、一度ソロという形で、自分だけと面と向かってやるしかないなってことを思ったし、自分のストーリーの中で描いていけることが他にも凄くたくさんあるのかもしれないなと思って。そういうところからまずアプローチが始まっていきましたね」

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

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Posted on 2012.10.21 by MUSICA編集部

cero、東京の現在進行形フォークロア

これが現代東京の新たなフォークロア!
雑多な感情と崩れゆく都市の中から
湧き上がる衝動と希望のポップミュージック、
セカンドアルバム『My Lost City』で
ceroが時代の音を打ち鳴らす

『MUSICA 11月号 Vol.67』P86に掲載

▶アルバムはもっの凄く素晴らしい作品だなと思ってて。ファンタジーでありながら、今の時代の空気、しかも東京の空気みたいなものと凄くマッチしていくような作品だなと思ってて。ジャンルレスな音楽性も含めて、凄く記名性の高いバンドであり作品だなと思って聴かせてもらいました。

髙城晶平(Vo&B&G)「ありがとうございます! 最初のアルバムの『WORLD RECORD』を作ってから出すのに結構な時間がかかってたんですけど、その間に新曲もどんどん作ってライヴで披露してたんで、基盤となるものはもうその時にあって。さらにその前後にモナレコードで鈴木慶一さんとやったツーマンのライヴがありまして、『Contemporary Tokyo Cruise』っていう題名のイベントだったんですね」

▶同じタイトルの曲がこのアルバムに入ってますけど、そこから取ったってこと?

髙城「いや、その後でそういう名前の楽曲ができてくるんですけど、その時のceroのライヴの構成が、雨で都市が海の中に沈んでいく、みたいな流れで。そういう基盤を元にこのアルバムにだんだん向かっていったような感じで」

荒内 佑(Key&B)「髙城くんに水没した都市があるっていう詩みたいなものを朗読してもらったんですよね。それから水没した街っていうのを共通のテーマにして曲を出し合っていくようにして……僕らはよく街のこととかを歌ってるけど、現実の街なようでいて街じゃないというか、パラレルなもので。実際、架空の設定だったものが現実にも起こって、そこからまた曲ができたりして」

▶水没した街とか都市の崩壊っていうテーマが去年の震災よりも前に既にあって、不思議なことに似た状況が現実に起こったわけですよね。そもそもその発想は、どこから生まれてきたんですか?

荒内「なんかceroは雨の曲が多くて。そこから水かさが増して……っていうのもあるし、『崖の上のポニョ』のラストみたいなイメージで」

髙城「あと、その時、ノアの洪水伝説のことをネットで調べて読んだり、聖書のテキストとかバベルの塔の話を読んだりしてたんですよ。バベル―都市の根源とか、シティポップの根源に立ち返っていったら、そういうのも関係なくはないなぁと思って……なんとなく漠然とそういう話をしてたんだよね? ノアの洪水とかメモ書きしたり。無意識的にそういうテキストを読んだりとかして、そういう要素の連なりが最終的にそこに向かわせた感じですね」

 (続きは本誌をチェック!)

text by 寺田宏幸

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Posted on 2012.10.20 by MUSICA編集部

THE NOVEMBERS、光と祝福を奏で覚醒を果たす

孤高のサンクチュアリは、ここに開放された――。
あなたを思い浮かべ、「明日の為の夢を祝福」した、
光に溢れた美しき変化作『GIFT』。
THE NOVEMBERS、その新たなる始まりを告ぐ

『MUSICA 11月号 Vol.67』P82に掲載

▶本当に、素晴らしい進化作です。

「あー、よかった。ありがとうございます」

▶光と祝福感、そして開放的な空気に溢れた作品で。バンドの歴史を考えると、感慨深いよね。

「嬉しいです。今回は自分が音楽を届ける人のことを凄く……その人達のために作ったわけじゃないんですけど、でもその人達のことを今までで一番想像しながら作ったアルバムだなと思っていて。今までで一番ポジティヴではあるんですけど、ただ、同時に今までで一番シリアスなものを作った気はしてるんですよね」

▶そうですよね。決して幸福なだけの世の中ではないけど、でも精一杯の祝福とエールを降らせようとするような、そういう音楽だよね。

「そう、素直にそういうものを作りたかったんです。だから凄くシリアスなことや、世の中でネガティヴって言われてることを今までで一番意識したんですけど、それをどう自分なりに祝祭感のようなものに変換できるかっていうのは、途中から意識し始めて。昔だったらポジティヴな歌詞を書く時はどこかしらひねた暗さがなくちゃ嫌だとか、そういう捻れを意識してたんですけど、それって個人的嗜好に過ぎないとも思ったし。だから伝えたい言葉とメロディを、もの凄く素直にやったんですよね。それがいいふうに転んだし、転ばせる努力をしたのが今回なのかなと思います。……この作品って、朝起きてカーテンを開けた時に聴けるんですよ。今までってそういうのはなくて」

▶前は、どっちかっていうと夜中〜夜明け前が似合う音楽だったもんね。

「そう、夜中から明るくなってくるんだけど、結局明けないみたいな(笑)」

▶対してこれは、それぞれの日々や人生の「始まり」に光を添えるような、そういう作品ですよね。

「確かに、聴いてくれた人がそういう気持ちになってくれたらいいなっていうのはあったかもしれないです。……去年出した2枚で自分は社会っていう地に足を着けた感覚があって。あの2枚はガラッと変わった自分の価値観をそのままドキュメント的に出した作品だと思うんですけど、その上で『自分はどう人と関わるんだろう』っていうところに凄く興味があったんです。……他人と関わる時に、音楽以外でもできるだけいい影響を与えられたらいいなと想像しながら人と関わるようになったんですよ。それがダイレクトに作品に出てる気はします。音楽的な意味では、いつも自分がカッコいいなと思うことをやってるだけなんで、それよりも価値観が変わったところが大きい」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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Posted on 2012.10.19 by MUSICA編集部

People In The Box、遂にその牙を露にす

さようなら、誰かが定めた正悪に縛られた世界――
僕らの声を、僕らの生を、僕らの自由を真に獲得すべく、
鋭利さを増したメッセージと新ピープル・サウンドの確立。
羊の皮を取り払い、鮮烈な核を露にした傑作『Ave Materia』。
この音楽が突きつける真実の先に踏み出すのは、あなた自身

『MUSICA 11月号 Vol.67』P78に掲載

■サウンド的にも『Family Record』の次を示す新たな音像が確立した作品であり、そして何より非常にメッセージが強い、今までの中でも最も明確に問題提起を発する作品になりましたね。

「作り始める時に、メンバーに『世に問うものを作りたい』って言ってて。やっぱり言いたいことが山のようにあったんですよね。もちろん今までもあったんですけど、ただ今までとは前提のようなものが全然違って………ちなみにどういうメッセージだと思いました? 相変わらず全然客観的になれなくて(笑)」

■『Ave Materia』っていうタイトルが象徴的だと思うんですけど。Aveは「さようなら」、Materiaは「物質」って意味ですけど、言葉通りの物質だけでなく、既成概念――世の中で常識とされている概念や、社会システムを盲目的に信じることをやめよう、そこに惑わされず、自分達の本当の意志や豊かさをもって生きていこうっていうメッセージだと受け取りました。

「なるほど。…………今までは、僕は自分で反社会的な部分があったと思っていて。社会通念上『普通』とされてるものに対するアンチ心というか、『それって凄く窮屈だよね』っていうことをアピールしたくて歌詞を書いていたところがあったと思うんです。でも、今はそういうアンチ心はなくなって。僕はやっぱり、気持ちの上では『Family Record』の頃とはまったく変わっちゃったんですよね。それは自分という人間もそうだし、音楽家として音楽をどう捉えるかもだいぶ変わったと感じていて。やっぱり震災が凄くデカかったんです。自分にとって音楽とは? 社会にとって音楽とは? 何故自分は音楽をやらなくてはいけないか? さらに何故自分が生きてるのか?っていうところにもの凄く生々しく直面する事態になって。たぶん僕だけじゃなくていろんな人がそうだったと思うんですけど。そうなった時に、僕はこれまで自分がやりたいことをやってきたつもりだったんですが、やりたいことがなくなってしまったんです。自分のエゴとして何かを発信したいっていう気持ちがなくなって。そうなった時に、じゃあ自分は何をやろうかなと思って…………最終的には音楽に戻ってきたんですけど」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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Posted on 2012.10.18 by MUSICA編集部

映画『赤い季節』を観た!

現在発売中のMUSICA11月号のDisc of the Monthに選ばれた
チバユウスケのソロプロジェクト・SNAKE ON THE BEACHの『DEAR ROCKERS』。
これまでずっとバンドという形にこだわってロックを鳴らし続けてきたチバが
たったひとりで作り上げたこのアルバムは、チバの中にある
様々な感情が、様々な音像となり、メロディとなり、言葉となって
表出した純度の高い音楽集です。
彼のファンだけでなく、音楽を愛するすべての人達に聴いて欲しいと心から思います。

そして、そんなSNAKE ON THE BEACHの音楽にインスパイアされて生まれたのが、
現在公開中の映画『赤い季節』です。
監督は、The BirthdayやDOESが所属する事務所のボスである能野哲彦氏。
昨日、やっと映画館で観ることができました!

 映画の詳しい内容はぜひ観ていただければと思うのですが、
とにかく映像と音楽ががっちりとハマっていて、
ストーリー云々以前に、ワンシーンワンシーンが心に刺さってきました。 

さらに、劇中に登場する架空のバンド・THE GOLDEN WET FINGERS(メンバーはチバユウスケ、イマイアキノブ、中村達也)のライヴシーンも必見です!

※映画の公開情報などはhttp://sotb-project.com/でチェックしてください。

text by 板子淳一郎

Posted on 2012.10.18 by MUSICA編集部

group_inou、ますます肥大化する現代のハードコアポップ

まーったく開かれていないのに、
閉じき〜ったままポップが肥大化してしまった、
まるで“電子音楽版こびと図鑑”のような、
放っとけない純粋さと猥雑さ。
そこのあなた、2010年代型のハードコアポップ
『DAY』から耳と心を逸らさないで!

『MUSICA 11月号 Vol.67』P72に掲載

▶今回は相当、音楽しちゃってますよね。

imai(TRACK)「あははは! 音楽しちゃってますか?」

▶うん。今の言葉には意味がふたつあってね。歌にしてもトラックにしても、曲の完成度がとても高いのがひとつ。もうひとつは、今まで以上にやってる音楽自身を自分達で楽しんでるな、と――「音楽」っていう漢字通りなんですけど、そういう進化と真価を感じました。

imai「そうなんですよ。今言ってもらった通り、自分達が楽しめるくらい余裕があるんですよね。それは単純に技術が上がってきたとかいうこともあるんですけど。いい感じのテンションがアルバムの中に入ったので、1曲1曲は濃厚なものなんですけど、スッと聴けるっていうか」
cp(MC)「風通しがいい?」
imai「うん、風通しがよくなったと思います」

▶group_inouで風通しがいいって、幸福な言語矛盾なんだけど(笑)。でも最近、本当に軽快ですよね。cpくん、ライヴ観てても夏休みの少年みたいにしか見えないし。

cp「はははは! 坊主にしたのが大きいのかもしれない(笑)。動き自体は変わってないと思うんで(笑)」
imai「短パンだしね(笑)」

▶本当、虫かご抱えてトンボ捕ってる感じでライヴやってるじゃない。昔は似非仙人みたいだったのが、いきなり野球帽に短パンだし。

imai「あはははははははは!!!」
cp「いやいやいやいや……(笑)。でも、なんだろうなぁ。坊主にして自分としてはスッキリしたなと思ってるんですけど、それがライヴにも出てるんですかね。自分にはわからないですけど、観てるほうにはそういうイメージがあるのかもしれないですね」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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