Posted on 2012.10.20 by MUSICA編集部

THE NOVEMBERS、光と祝福を奏で覚醒を果たす

孤高のサンクチュアリは、ここに開放された――。
あなたを思い浮かべ、「明日の為の夢を祝福」した、
光に溢れた美しき変化作『GIFT』。
THE NOVEMBERS、その新たなる始まりを告ぐ

『MUSICA 11月号 Vol.67』P82に掲載

▶本当に、素晴らしい進化作です。

「あー、よかった。ありがとうございます」

▶光と祝福感、そして開放的な空気に溢れた作品で。バンドの歴史を考えると、感慨深いよね。

「嬉しいです。今回は自分が音楽を届ける人のことを凄く……その人達のために作ったわけじゃないんですけど、でもその人達のことを今までで一番想像しながら作ったアルバムだなと思っていて。今までで一番ポジティヴではあるんですけど、ただ、同時に今までで一番シリアスなものを作った気はしてるんですよね」

▶そうですよね。決して幸福なだけの世の中ではないけど、でも精一杯の祝福とエールを降らせようとするような、そういう音楽だよね。

「そう、素直にそういうものを作りたかったんです。だから凄くシリアスなことや、世の中でネガティヴって言われてることを今までで一番意識したんですけど、それをどう自分なりに祝祭感のようなものに変換できるかっていうのは、途中から意識し始めて。昔だったらポジティヴな歌詞を書く時はどこかしらひねた暗さがなくちゃ嫌だとか、そういう捻れを意識してたんですけど、それって個人的嗜好に過ぎないとも思ったし。だから伝えたい言葉とメロディを、もの凄く素直にやったんですよね。それがいいふうに転んだし、転ばせる努力をしたのが今回なのかなと思います。……この作品って、朝起きてカーテンを開けた時に聴けるんですよ。今までってそういうのはなくて」

▶前は、どっちかっていうと夜中〜夜明け前が似合う音楽だったもんね。

「そう、夜中から明るくなってくるんだけど、結局明けないみたいな(笑)」

▶対してこれは、それぞれの日々や人生の「始まり」に光を添えるような、そういう作品ですよね。

「確かに、聴いてくれた人がそういう気持ちになってくれたらいいなっていうのはあったかもしれないです。……去年出した2枚で自分は社会っていう地に足を着けた感覚があって。あの2枚はガラッと変わった自分の価値観をそのままドキュメント的に出した作品だと思うんですけど、その上で『自分はどう人と関わるんだろう』っていうところに凄く興味があったんです。……他人と関わる時に、音楽以外でもできるだけいい影響を与えられたらいいなと想像しながら人と関わるようになったんですよ。それがダイレクトに作品に出てる気はします。音楽的な意味では、いつも自分がカッコいいなと思うことをやってるだけなんで、それよりも価値観が変わったところが大きい」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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