Posted on 2014.02.18 by MUSICA編集部

VALENTINE ROCK--BIGMAMA“Sweet Dreams”リリースパーティーその⑤

Posted on 2014.02.18 by MUSICA編集部

VALENTINE ROCK--BIGMAMA“Sweet Dreams”リリースパーティーその④

Posted on 2014.02.18 by MUSICA編集部

VALENTINE ROCK--BIGMAMA“Sweet Dreams”リリースパーティーその③

Posted on 2014.02.18 by MUSICA編集部

VALENTINE ROCK--BIGMAMA“Sweet Dreams”リリースパーティーその② 

Posted on 2014.02.18 by MUSICA編集部

VALENTINE ROCK--BIGMAMA“Sweet Dreams”リリースパーティーその①

 

Posted on 2014.02.18 by 有泉智子

VALENTINE ROCK、ありがとうございました!

2月14日、VALENTINE ROCK 特別編 BIGMAMA“Sweet Dreams”リリース記念プレミアムパーティーにお越しいただいた皆さん、本当にありがとうございました。
ソールドアウトとなった今回のパーティー、雪にもかかわらずたくさんの人に来ていただき、最初から最後までとてもプレシャスな空気の中でパーティーを行うことができました。帰りに交通機関の混乱に巻き込まれてしまって苦労した方もいらっしゃったようで、どうか誰も風邪を引いたりケガをしたりしていなければいいなぁと気になっています。大丈夫かな。あの場にいてくれた人みんなが幸せな気持ちと想い出を持ち帰ってくれていたら嬉しいです。
そして、チケットを買い求めてくれたのに雪のために参加を断念せざるを得なかった方々もいらっしゃったと思います。本当に些細なことしかできないけれど、半券を切り落としていないチケットを編集部に送っていただいた方には何かお返しをしたいと思っています。別途ご案内しますので、しばしお待ちくださいませ。

当日は、BIGMAMAメンバー5人とのトークショー、金井くんの弾き語りライヴ、そしてフルセットでのバンドライヴと、盛り沢山の内容でお届けすることができました。
トークでは今回のシングル『Sweet Dreams』に対する想いやエピソードはもちろん、メンバーそれぞれにバレンタインの「少し恥ずかしい」想い出を開陳してもらったり(個人的には真緒ちゃんのエピソードが好きでした笑)もしながら温かなひと時を過ごし、金井くんの弾き語りは、カッキーのアコギをバックに歌い上げたORIGINAL LOVEの“接吻”(1993年にヒットしたラブソングです。もし知らなかったら調べてみてね)のカバーも含め、彼の想いがそのまま届いてくるような濃密な時間を体感し、そして最後のバンドライヴはーーこれはもう、最高でしたね。
最近のBIGMAMAのライヴは、ただ盛り上がるだけでなく、とても深いところで心の琴線を揺さぶる「感動ポイント」が凄く多いなぁと感じていて。それは『君がまたブラウスのボタンを留めるまで』と『君想う、故に我在り』という2枚のアルバム制作を通す中で意識的に音楽性を広げ、より豊潤で深遠な感情と景色をその音楽で描き出すようになったBIGMAMAの進化の証であると同時に、今の彼らがどれほどまでに「あなた」へと向かい、そして「音楽そのもの」に向かっているかということの表れでもあります。心の中にあるささやかな、けれど切実な願いや祈りを歌と音にしたため、悲しみも上手く行かない悔しさもすべてを喜びに変えていくために全身全霊を懸けて歌い鳴らしていくこと。ここ数年で果たした音楽的なスキルの向上はもちろん、その覚悟と決意が、今のBIGMAMAの充実と勢いを作っているのだということを改めて感じた夜でした。

“Sweet Dreams”は、本当に、何年に一度かだけ生み落とされる名曲のひとつだと思っています(なんて書くと金井くんに「いやいや、すぐ次のも作るから!」とか言われそうだけど笑)。この曲が世の中に広まるきっかけをひとつでも多く作りたいなと思って、今回のパーティーを企画しました。だからね、後はもうみんなに任せます。あのパーティーに来てくれた人、もしくはパーティーには来られなかったけれどこの曲を聴いて心打たれた人、どうかあなた自身がこの曲をたくさん愛し、そしてできればあなたの周りの人にこの曲を広めてください。私達メディアは、「この曲が素晴らしいんだ!」とか「このアーティストが素晴らしいんだ!」って声を大にして叫ぶことはできるしそれを全力でやり続けるけれど、実際にそのアーティストやその曲を特別なものとして時代の中に浮かび上がらせたり、あるいは時代を越えて愛されるものへと繋げていくのは、その音楽を聴いて心打たれた人達ひとりひとりなのだと思っています。そういう意味で、私は音楽の力と音楽を聴く人達の力を信じています。

最後に。
レコーディング中にもかかわらず今回のパーティーのために尽力してくれたBIGMAMAのメンバー、そしてスタッフの皆さんに、心からの感謝を捧げます。本当にありがとうございました。

たくさんの人に『Sweet Dreams』が届くことを願って。(有泉智子)

VALENTINE ROCK 特別編
BIGMAMA“Sweet Dreams”リリース記念プレミアムパーティー
セットリスト

▼金井政人 Acoustic LIVE(3曲目のみwith柿沼広也)
01. 最後の一口
02. ライフ・イズ・ミルフィーユ
03. 接吻

▼BIGMAMA LIVE
01. alongside
02. 荒狂曲”シンセカイ”
03. Lovescape
04. 春は風のように
05. Virtual Insanity(『Sweet Dreams』収録)
06. やさしさで溢れるように(『Sweet Dreams』収録)
07. 君想う、故に我在り
08. Theater of Mind(『Sweet Dreams』収録)
09. 秘密
10. Sweet Dreams
En01. until the blouse is buttoned up
En02. the cookie crumbles

Posted on 2014.02.17 by MUSICA編集部

赤い公園、2ヵ月連続シングルリリース。
かつてない大名曲に露になった津野米咲の表現の根源に迫る。

途方もなく孤独でどうしようもないって時に、
独りでも希望を見出すために……
それは一瞬でいいんです、
その一瞬の希望、きっかけとなる光を見出したい。
“きっかけ”は、そういう歌なんです

『MUSICA 2月号 Vol.83』P.74より掲載

 

■2ヵ月連続で2枚のシングルが出るんですが、とにかく“風が知ってる”と、そして“きっかけ”が、圧倒的な名曲。

「わーっ、やったー! 嬉しいです!」

■今回は2枚とも、アルバム後初のシングルであると共に、それぞれアニメ、映画、ドラマへの書き下ろし曲として世の中に出ていく曲なわけだけど。どんな意志を持って制作したんですか。

「今回は書き下ろしのお話をいただいた上で明確に作っていったシングルですね。書き下ろし自体が初めてだし、資料を読んで監督さんとお話して作っていった感じです」

■“きっかけ”はタイアップ曲じゃないけど、これは?

「これは休止中の2012年の一番最後に作った曲なんです。それからずっとあたためてた曲で」

■タイアップとして書き下ろす、つまりアニメなりドラマなりに寄り添って書くという作業は、やっぱり通常とは違うもの?

「違うところはありましたね。たとえば私が個人で書くってことならそのアニメ以外では使えないような曲を作りたいけど、でも赤い公園としてCDを出したり今後ライヴでやるって考えると、アニメ関係なく純粋に『いい曲』でなければいけないなって。そこは葛藤しました。特に歌詞かな。ストーリーを汲んだ上で他のテーマを見つけて書かないと、赤い公園のシングルとして成り立たないなって。そこは結構考えに考え抜いた感じです。たくさん書き直したし」

■でもね、この“風が知ってる”は、私は米咲ちゃん自身の歌だなって思ったんですよ。

「わ、嬉しいです。それは私も結構思います」

■<愛の言葉じゃ/救い出せない/とどかない想いが/吹き荒れてる>という印象的な歌詞から始まるんだけど。これは君と僕の愛の歌でもあるけれど、米咲ちゃんが何故こんなにも音楽を求めてしまうのか、音楽というものにどんな希望を見ていて、どんな場所へ辿り着きたいのか――それは成功とかそういう意味じゃなくて、もっと根源の精神的な部分だったり人生という意味で――が素直に歌われている歌詞だし、メロディやアレンジの表すものもそうだと思う。

「それは思います。私はこれを愛の歌として書くと決めて書いてるんですけど、やっぱりまだ誰か対象がある愛の歌を書くことができなくて。だからおっしゃる通り、私の愛の対象はやっぱり音楽だなって思うんですけど。でも、それで私は苦しんでるんですね。苦しんでるから、最後に救われたくて<その体温は僕と/風が知ってる>って歌うんですけど………私の体温を唯一知ってる僕が音楽だったとして、その僕がなくなってしまった時に何もないんじゃない、風も知ってるんだよっていう」

■ああ、つまり「僕」以外にも「風」が知ってるんだってところが重要な救いなんだ。

「そうですね。そういうことが一番の希望になるんですよね」

■<震えている/君をほっておけないのさ/必ずそこまで迎えにいくよ>という歌詞。私は、この「震えている君」は心の奥底で独り膝を抱えている米咲ちゃん自身であり、そして「必ずそこまで迎えにいく僕」は、音楽家としての米咲ちゃんのことを指していると思ったの。つまり音楽というものによって本当の自分を救い出したい、解放したいという、そういう根源的な部分が表れてると思う。

「そうかもしれない。自分と自分の歌なんですよね」

■で、<未完成の心の/鍵を探す>っていうフレーズ、これはつまり米咲ちゃんが音楽をやる理由だと思うんですよ。それはアルバムのインタヴューの時に話したことにも繋がるけども。

「ああ、ほんとそうですね。その<未完成の心の/鍵を探す>ってところと<不完全でならないが/武器は持たず>っていうところは自然と出てきたんですけど、ちょうどそこがアニメの内容にも引っ掛かってて。アニメの登場人物達も、思春期を終えて、最早思春期とは言い訳もできない何かを抱えているっていう……それは私も感じてるから。たぶん私はそれを人より割と強く感じるほうなので、ここまで刺激的な言葉にはなってますけど。書けてよかったな。こんなにストレートな歌詞を書けたのも自分ではよかったなって」

(続きは本誌をチェック!

text by 有泉 智子

『MUSICA3月号 Vol.83』

Posted on 2014.02.17 by MUSICA編集部

音楽へのロマンが美しく結実した3枚目のソロアルバム、完成。
闇を光へと変える石毛輝の音楽の核心に迫る。

今回は水の音から作ったりもしたんだよね。
「こういうものを作ろう」っていう作り方はできないけど、
そういう作り方はつまんないし、情熱がない気がして。
純粋に自分が興味がある音、ときめく音を大事にして、
そこから曲を作ろうみたいな感じはあった

『MUSICA 2月号 Vol.83』P.80より掲載

 

■ソロアルバムも順調に毎年1枚出してきて、今回3枚目なんですけど。格段によくなりましたね。

「ありがとうございます!」

■自分の中にあるイメージや世界を、ちゃんと音楽的に整理して音に落とし込むことができてると思うし、サウンドの配置の仕方やセンスも洗練されたと思う。この向上はどこから来たの?

「単純に技術が上がった(笑)。あとは作ることに照れがなくなったんじゃないかなと思いますね、こういうものを作ることに」

■最初は衒いがあったんだ?

「あるよ、そこはやっぱり。だってファースト出した頃は日本語もやったことなかったし。だから最初は日本語っていう照れと自分の名前で出すっていう照れがあって――」

■あ、自分の名前で出すことへの照れもあるんだ? それはつまり、本名だと必然的に自分自身を表現するものってことになるから?

「そうそう。で、ファーストはそれで終わって、セカンドはやりたかったけどやったことない音楽をやってみるっていうところで、そもそも作り方がわからない、試行錯誤みたいな感じがあって。それを経て、今回は作り方もちょっとわかってきたし、プラス、30にもなるから歌とかも照れがなくなってきたっていう、いい熟れ具合だったんじゃないですかね」

■石毛くんのソロはtelephonesに比べて自分の心象風景だったり、心の奥底で感じていることを音楽にしていくものだと思うんですよ。そういう意味で言うと、その照れというのは、日頃普通に話していてもなかなか他人に見せない根本の部分を見せていくことに対する衒いだと思うんだけど。

「そうだね。まぁ言葉にすると凄い恥ずかしいことばっかり考えてるから(笑)、やっぱりそういう照れはあるよね。あと、さっき言ってくれた音の置き方とかは凄い気をつけましたね。本当はもうちょっと音数少なくするつもりもあったんだけど、結局増えちゃったのが反省点で。でも、やっといいものができた気は自分でもする」

■今回はどういうイメージでいつぐらいから作っていったの?

「年に1枚出したいと思ってるから、最近はtelephonesのアルバム録り終わった後にソロ曲作って、またtelephones作ってっていうのがルーティーンになってて。で、今回のテーマは歌モノにしようってことだった。音楽的には基本的にエレクトロニカとかの流れなんだけど、もうちょっとそこに温かみを入れたいなって思って」

■なんで歌モノにしたかったの?

「歌が歌えるようになってきたんだよね、昔に比べて。昔はバンドでも叫んでるだけのヴォーカルだったから。歌を歌うことの楽しさっていうと月並みだけど、そういうのがやっとわかってきた」

■声の出し方からして全然違うよね。いい声なんですよ。

「ありがとう(笑)。だからハイトーンじゃなくて普通に歌を歌ってみたくて。青臭い感じで作りたかったんですよ」

■エレクトロニカもそうだけど、こういうタイプの音楽ってその人の人間性とか癖みたいなものが凄く出る音楽だと思うんだよね。そこで凄い狂気が前面に出てくるタイプの人もいるし、凄い悲しみの濃いものが生まれる人もいるし。そういう意味で言うと、石毛くんの音楽って凄いロマンチックなんですよ。

「そうなんだよね。ロマンチストだから、基本的にどの曲もちゃんとドラマがある感じになっちゃうんだよね。まぁ今回はそういうテーマだったからだとも思うんだけど」

■『Dark Becomes Light』っていうタイトル、つまり闇が光になるというのがこのアルバムのテーマで。これは最初にあったの?

「それは後づけ。だんだん曲が出揃ってきた時に一貫したものを曲達から感じて。今回は暗い導入部から明るくなっていく曲が多いと思うんだけど、ということは今はそういうモードなんだろうなって思ったし、かつ、それが一番得意なんだろうなっていうのも感じて。だからそこで出し惜しみをしないで作ってみようって感じ。それと同時に『Dark Becomes Light』っていい言葉だなと思って。光に憧れるんですよね、それは子供の頃からずっとそうで。小学校の時からロックスターに憧れてたのもそうだと思うんだけど」

■telephonesも根っから能天気なわけでもないもんね。

「そうそう、ウチのメンバーみんなそうだし。ノブですら根っから能天気ではないからね。でもたぶん、音楽って基本的にそういうもんだと思う。根っから能天気な人があんまりいない世界。で、自分は今回、光に憧れるっていうのを凄い人に伝えたがってるなと思った。普通、アンビエントとかって自分の世界だけで完結して、聴く人について来いなんてまったく思わないじゃん? リスナーもリスナーで別に共感しようと思わない、自分の好きなように聴くから、だからそういう音楽でもいいんだけど。なんか僕の場合はまだメッセージ性があるみたいですね」

 

(続きは本誌をチェック!

text by 有泉 智子

『MUSICA3月号 Vol.83』

Posted on 2014.02.16 by MUSICA編集部

最高傑作“Sweet Dreams”誕生。
BIGMAMA金井政人、
新たな飛躍へと向かうバンドの現在地と自信を語る。

この“Sweet Dreams”は名曲になる。
今までの曲はぼんやりと「名曲になればいいな」って思っていたけど、
この曲は「5年、10年かかってでも名曲にしていこう」って
確信的に思えたんですよね。
10年先も自分自身が自信を持って歌える曲だと思っているから

『MUSICA 2月号 Vol.83』P.50より掲載

 

■バンドにとっても、金井政人にとっても、非常に大切にしていた曲が、このMUSICAが出る約10日後にリリースされます。紙資料にも「代表曲が誕生」と書いてあるけど、この代表曲という言葉は単純に今までよりもいい曲が書けたからなのか、それとも自分にとって特別な曲が書けたからなのか、それとも普遍性がある耐久力が非常に強いものが書けたからなのか。どうですか?

「今までも、『5年後も10年後もカッコいいと思えるものができた』って言い方を僕がした曲やアルバムってあったと思うんですよ。その中で一番そのニュアンスや輝きが強い曲というか……凄く新しいんだけどBIGMAMAっぽいっていう理想的な形で、バンドの今を表現できた曲なんじゃないかっていう感じですね」

■実際にこの曲は最高傑作だと思うんです。BIGMAMAがここ2年間くらいで音楽性を変化させてきた結晶が、この“Sweet Dreams”という曲には何層にも張り巡らされている。そこに今までのバンドの紆余曲折や曲の断片みたいなものも見えてることによって、ヴァラエティ感とドラマチックを凄く感じるんですよね。

「BIGMAMAの確固たる新しいオリジナリティとして、ライヴにおいて“until the blouse is buttoned up”がキーとなる曲になったんですよ。自分達にとっても必要で、かつ来てくれた人達に対しても必要な曲で、相思相愛な曲が生まれたと思ってて……でも自分の中では、“until the blouse~”と違うベクトルで先に進んだ曲はあっても、あの曲と同じ世界観で先に進めた曲はなくて。それをずっと作りたかったんですよね」

■“until the blouse~”っていう曲は、当時のBIGMAMAらしい曲ではなかったと思うんですよね。それは単純に、モッシュやダイヴがしやすいフィジカルな曲ではなくて、スピリチュアル優先の感動的な曲だったということ。金井は“until the blouse~”とは相思相愛だったって言っていたけど、最初からそうだったのではなくて、この曲とファンとBIGMAMAが相思相愛になったのは、BIGMAMA自身の覚悟がそこにあったからだと思うんだよね。

「唯一無二のオリジナリティというものに関して、僕はバンドをやり始めたころからずっと不安があったタイプの人間で。そもそも自分にオリジナリティがあるのかって思ってるから、今でも(笑)。その想いを抱えながらできたのが“until the blouse~”だったなら、純粋に何も考えずオリジナリティが外に出てきたのが“Sweet Dreams”なんですよ。BIGMAMAってバンド名自体も人間っぽいからわかりやすいと思うんですけど、血のように何かが巡って生きているところが自分の中であって、その代表的なものが音楽性で。音楽性がどんどん巡っていく中で、アルバム5枚のタームを経て、今自分達の結末がわかったんですよね。この前のアルバム(『君想う、故に我あり』)が低血圧だったのかはわからないけど(笑)、“Sweet Dreams”で自分達にとって音楽性の基準になるような一番スタンダードな代表曲――『自分達の体温』がわかったんです。メンバーにヴァイオリンもピアノも弾ける女の子がいるっていうこと、大きいロックサウンドが似合うメンバーが揃っていること、バンドとして僕達がどういうところに音楽的なオーガニズムを覚えていくかっていうところを、この曲を作りながら気づいていったんですよ」

■2010年代に入る前のBIGMAMAは、「僕らはパンクバンドでも、メロディックパンクバンドでもない」って盛んに言ってて。その言葉が曲として辿り着いたスタンダードソングが“until the blouse~”だったよね。で、その道が“Sweet Dreams”で確立したんじゃないかなって思ってるんだよね。

「この曲がBIGMAMAの最初の曲のような気持ちで……今までのすべてが糧になって1曲に集約されることってバンドやっててそうないと思うし、この先も1曲か2曲あればいいほうなのかもしれないって思うんですね。でもバンドの歴史が1曲に収まってる感覚が、間違いなく“Sweet Dreams”にはあって」

 

(続きは本誌をチェック!

text by 鹿野 淳

 

『MUSICA3月号 Vol.83』

 

 

Posted on 2014.02.16 by MUSICA編集部

ASIAN KUNG-FU GENERATION、
編集盤『フィードバックファイル2』完成。
後藤&喜多がお互いへの想いと共に
2006年以降のアジカンの挑戦と激動を振り返る。

震災後、最初にステージに上がった時の写真が凄いんだよ。
みんな、いきなり顔つきがソリッドになってて。
「俺達、覚悟があったんだな」っていうのがわかった。
「ああ、いいバンドだな」って、あの写真を見て思いました。
あの顔つきはロックバンドだった

『MUSICA 2月号 Vol.83』P.42より掲載

 

■今日はバンドリーダー喜多さんとフロントマン後藤さんに来ていただきました。

 後藤正文(Vo&G)「なるほど。それ、いいですね」

喜多建介(G)「リーダーっぽいこと言わなきゃ(笑)」

 ■(笑)もう数え切れないくらい取材してますが、MUSICAでこの組合せでインタヴューするのは初めてで。そもそも、バンドの中でのおふたりの関係性ってどういう感じなんですか?

 後藤「でも、普段はまったく絡みがないんですよ」

喜多「このふたりに限らず、4人ともそうだよね」

後藤「うん。それは別にデビューしたからそうなったわけじゃなくて、大学の時からそういうバンドで」

喜多「お互いの家とかに遊びに行ってたのは、大学入って結成した最初の1、2年ぐらいですかね」

後藤「俺と建ちゃんがつるんでたのは本当にごく最初だけだよね。その後、建ちゃんは山ちゃん(山田貴洋/B)と一緒にいる機会のほうが増えてったんで」

喜多「ははは。単純に家が近かったから(笑)」

後藤「僕は僕で外の友達がいたりして。だから俺達、大学の頃から普段4人で呑もうとかっていうのはずっとない。いろんな人が集まってるところに全員いるとかはたまにあるけど。でも俺や建ちゃんがブルースとかやってる先輩と呑んでる時も、山ちゃんと潔(伊地知潔/Dr)はそんなにいなかったしね。潔とか山ちゃんは面倒くさがりだから、そういう場所に来ること絶対なかった(笑)」

喜多「ま、俺らは先輩と話するのが好きだったしね」

後藤「一緒に音楽の話するの面白かったよね。先輩達のいろんな音楽の解釈を聞くのが好きで。金ないけど呑みに行ってたよね(笑)」

 ■ということは、アジカンはあくまで音楽をやる時に集まるっていう感じだったんですか?

 後藤「そうですね。第三者も一緒にってことはあるけど、4人でっていうのは、今も昔もとにかくバンドやる時以外はない。サシで呑むこともほぼないしね。それはなんか恥ずかしい、今でも」

 ■あ、恥ずかしいんだ?

 後藤「気恥ずかしいですよ。音楽的にもそういうところはあるかもしれないですね。(音楽的な嗜好が)被ってるところと被ってないところがあるし」

喜多「バラッバラではないけど、被ってるところは意外と少ないよね。まぁでも、それでも重なってるところがあるから上手く行ってるのかなとは思いますけど」

 ■お互いはどういう存在だと思いますか?

 後藤「俺、喜多さんのことは割と気にしてるんですけど」

喜多「気にしないほうがいいよ(笑)」

後藤「最近は心配のほうが強いかなぁ」

 ■それはなんで?

 後藤「ほら、『アジカンしかない人』みたいになってきてるじゃん?」

喜多「キャラ的にもね(笑)」

 ■4人の中で唯一サイドワーク的なことをやってないですしね。

 後藤「だからむしろ、建さんはもっとアジカン頑張ったほうがいいんじゃない?と思ってる。最初に誘ったのも建ちゃんだしさ」

喜多「それ、もうだいぶ前だねぇ」

後藤「だいぶ前っていうか、一番最初だよ。最近だったらおかしいでしょ!(笑)」

 ■はははははははは。

 後藤「でもさ、当時は『俺が歌う』とか言ってたもんな?」

喜多「いやいや、『歌う』とは言ってないよ」

後藤「自分のこと『ギター&ヴォーカルだ』って言ってたじゃん!」

喜多「言ったっけ? 全然覚えてないな(笑)」

 

(続きは本誌をチェック!

text by 有泉 智子

 

『MUSICA3月号 Vol.83』